タッロス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 05:52 UTC 版)
タッロス(英語版)はほとんど知られていないが、1世紀半ばから後半にかけて歴史を書いたとされ、エウセビオスがこれに言及している。タッロスの著作は現存していないが、アフリカーヌス(英語版)が221年頃の著作で、タッロスの『歴史』第3巻にある記述をイエスの死の直前に全地が暗くなったという福音書の記事と結びつけている。もしタッロスがイエスの磔刑に言及していて、著作年代が確かならば、福音書の挿話に言及した最古の非キリスト教資料となるが、イエスが歴史的に実在したことを判断する上での有用性は不確かである。タッロスの著作年代は、第207オリンピアード(西暦49-52年)の出来事について書いたことに依拠しており、それ以降に書いたことを意味している。しかしこれは破損しているテキストに依拠していて、タッロスは第217オリンピアード(西暦89-92年)の後、あるいは第167オリンピアード(紀元前112-109年)の後に書いた可能性さえある。タッロスが最初に言及されたのはTheophilusによって西暦180年頃なので、タッロスが著作した年は紀元前109年から紀元後180年の間の可能性がある。我々が知っているのはタッロスが日食に言及したことだけだが、イエスが磔にされた過越祭に日食は起きないので、タッロスはイエスの十字架刑についてまったく言及していないことになる。
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