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シングル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/12/23 10:38 UTC 版)
(シングルCD から転送)
シングルは、一般に音楽の1曲や2曲程度の小さな販売単位を指す。これは、販売用の媒体として多数の楽曲をまとめたアルバムとの対比的な表現であり、1曲や2曲に切り分けた状態がシングルと呼ばれる。時代や目的に応じて様々な手法で販売されたが、特に近年までは主に歌唱つきの音楽において、代表曲を1曲から数曲ほどを収録し、歌手や楽曲の注目・ヒットを主目的として販売されるメディアのことを言う。代表的なものは、レコード盤におけるシングル・レコードやCDにおけるCDシングルであり、これらはシングル盤とも呼ばれる。近年はインターネットで配信されるダウンロード・シングルも急増している。
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シングル・レコード
シングル・レコードはアナログ式の録音盤(アナログ盤)であり、直径7インチ (17cm) サイズのレコード(EP盤)を指すことが多いが、1950年代まではSP盤と呼ばれる形式のレコードも存在した。シングルに対し、一枚に数曲から十数曲録音したLPレコードは「レコード・アルバム」と呼ばれる。1980年代より、LPレコードサイズ(12インチ=30cm)で45r.p.m.として、1曲の長さや収録曲数の多さを特徴とする「12インチシングル」と呼ばれるものも登場した。アナログ盤は、その後登場したデジタル式録音のCDに移行していく。
SP盤
78r.p.m.のSP盤は、その性能から片面に3分30秒しか録音することができず、すべてシングルであった。日本で本格的にレコードや蓄音機が生産されたのは、1920年代である。33r.p.m.のLP盤が発売されたのは、1951年であるが、流行歌や和製ポップスのレコードは、ほぼ1950年代いっぱいSP盤で発売されていた。
シングル盤
直径30cmの盤に、片面30分の楽曲が録音できるLP盤が登場し、さらに1958年ステレオ録音のレコードが登場すると、SP盤は急速に衰退し、シングルは直径17cmで45r.p.m.のシングル盤に移行する。シングル盤は、ジュークボックスを初めとするオートチェンジャー機器で再生されることを想定して、回転用の中心の穴を大きく開けたものが主流であったため、見た目のイメージからドーナツ盤とも呼ばれた。ドーナツ盤を通常のプレイヤーで再生する際には、アダプターを介してプレイヤーに装填した。
EP盤は、表裏に1曲ずつ収録して「A面」「B面」とし、A面曲をメインとしてヒットを狙うのが通常である。「両A面」などと設定し、ダブルヒットを狙うものもあった。
詳細は「A面/B面」を参照
EP盤
盤のサイズはシングルと同じ7インチだが、回転数はLPと同じ33 1/3回転である。シングルと同じ大きさながら収録時間が延びたことからExtended Playと呼ばれ、その略称がEPである。日本では小さいLPという意味から「コンパクト盤」とも呼ばれる。日本ではシングル盤をEPと誤用することがあるので明確に区別して「4曲入りEP」とも呼ばれる。EPを複数枚アルバムとして閉じたものも多く出回り、CD以降には「ミニアルバム」と呼ばれる。
CDシングル
CDシングルには、8cm盤の"CD SINGLE規格"(ジャケットにマークが記載されている)と、12cm盤の"CD Audio Maxi-single規格"(マキシシングルと呼ばれる)の2種類がある。
初期のCDシングル
1982年にCDが登場した後、1980年代半ば頃から、シングルレコードと並行して12cm盤のCDシングルが一部で発売されていたが、
- 2から3曲ほどの収録に対し、最高74分(後に80分)収録できる12cm盤は無駄が多い
- 当時は、シングル=レコード、アルバム=CD の認識が根強かった
- 価格面で、1枚700 - 1,000円程度だったシングルレコードに比べ、12cmのCDシングルは1,500円程度と割高だった
といった点が不利となり、ほとんど普及していなかった。
8cmCDシングルの発売
「8センチCD」も参照
この結果、シングルとして適当なサイズのCDが希求され、1988年2月21日に収録時間が20分程度と手頃な8cmサイズのCDシングルが初めて発売され、その年の6月には早くもCDシングルがアナログ・シングルの販売を上回った。
8cmというサイズは、CDV規格で音楽トラックを収録する部分の直径を踏襲している。8cmのCDシングルのジャケットが縦長になっているのは、当時、レコード店のシングル盤陳列棚に2列ずつ入って、なおかつ、手に取り易い大きさにするためであった(レコードのシングル盤の直径は17cm)。また、正方形サイズでは手の平に収まるサイズとなり小さすぎて万引きされやすい、という懸念もあった(個人経営のレコード店では商品管理タグなどをつけていないところが多かったため)。
この縦長のシングルジャケットは日本独特のものである。登場初期はデジパックの様にプラスチック製のトレイに紙ジャケットを貼り付けた仕様だった。「さらにコンパクトに」と題して、持ち運びに便利なように、また、半分に折り畳んで収納しやすいよう、折り目がジャケットの真ん中に入れられていた。レコード会社によっては切り取り線入りのジャケットもあった。その場合切り離される側は曲名とアーティスト名のみ表記されていた。ジャケットの裏側に歌詞が記載され、中面は折り畳み方を図解入りで説明していた。この縦長ケースは「山田」という文字を縦にしたところから発案されている。1991年頃までのものは大方折り目が入っていたが、実際に半分に折り畳むと中古CD店では買い取り価格が大きく下がってしまうことや、折り畳む人がほとんどいなかったために、また見た目の問題もあり、後年は折り目がなくなり、その後12センチCDケースと同じ構造の8センチCD用のプラスチック製ケースが登場し、そちらに移行した。この頃から表裏ともジャケット、中面に歌詞が記載されるようになった。また、演歌ではシングルカセットと共通の楽譜付き歌詞カードが封入される事も多かった。
また、12cmCDシングルと同じプラスチックケースに入れて販売した例もごくわずかに見られた。
「8cmのCDシングルは日本にしかない」と言われることがあるが、これは正しくない。世界初の8cmCDシングルはフランク・ザッパの「Peaches en Regalia」のアメリカ盤とされており、少なくとも1989年頃には、アメリカでも8cmのCDシングルが一般に売られていた。また、ビートルズのシングルも最初のCD化は8cmサイズだった。ただ、欧米では日本ほど8cmのCDシングルが普及しなかったのは事実であり、1990年代以降はほとんどのシングルが12cmとなった。
シングルレコードでいうA面、B面だけの収録だけではまだ余裕があるため、カラオケブームを反映して、1990年頃からボーカルレスのオリジナルカラオケも収録されることが多くなった(ただカラオケを付けないアーティストも一部にいた)。実際にこの頃は、「カラオケの練習用に」と購入するケースが非常に多かった。
8cmCDシングルについては、当初からCDプレーヤーの性能及び適応性が問題視されていた。8cmCDシングルが登場したころ、8cmサイズのCDに完全対応しているプレーヤーはまだ開発されていなかった。このため、8cmCD非対応のプレーヤーでは演奏させることができず、故障の原因になることも少なくなかった。特にカーオーディオなどに多いスロットイン方式(吸い込み方式)のプレーヤーでは、8cmCDシングルが取り出せなくなるなどのトラブルが多発した。このためオーディオ家電業界は、CDプレーヤーを12cmと8cmの両対応にする必要に迫られた。なお、2000年以降からスロットイン方式のホーム/カーオーディオともに安価なグレードの機種になると8cmCDシングル非対応のものも再び出てきているため、取扱い説明書などで確認する必要がある。
トレー式のプレーヤでは、トレーに段差を設け8cmCDを載置する凹部を設けることで対応した。また、8cmCD非対応のCDプレーヤーに対しては、専用アダプターを8cmCDの外周に取り付けて12cmCDと同じ大きさに調整することで、演奏を可能にした。プレーヤーの中には、アナログレコードのプレーヤーのように、真ん中にスピンドルを設けて、そこにCDを取り付けて回転させるようにし、トレーを省いた物も出回った。この方式では、CDの大きさに関係なく、CDを取り付けるだけで演奏が可能となる。だが、それでも、少しズレていただけで中の8cmCDシングルが動いてプレーヤーが故障したり(同時に演奏中の8cmCDシングルが破損することも多かった)、専用アダプターを8cmCDシングルに取り付けたり取り外したりする際に誤って8cmCDを破損してしまう事も多かった。
また、SONYから8cmCD専用のポータブルCDプレーヤー(CD WALKMAN 品番:D-82・D-88)も発売されたが、あまり普及しなかった。
12cmCDシングル(マキシシングル)への移行
その後、音楽ソフトの主流がレコードからCDへと移ったが、8cmCDシングルはCDプレーヤーの性能及び適応性から来る取り扱いの難しさも抱えていた。そのため、日本においては1999年頃より8cmCDシングルから12cmCDシングルへの移行が進んだ[1]。
8cmCDシングルでリリースされるタイトルの激減とともに、8cmCDシングルは消滅するかのように思われたが、現在では、食玩業界からお菓子のおまけ(食玩CD)としての需要が増えている。8cmCDシングルの最大収録時間が約22分程度であることと、12cmCDでは大きさやコストに問題があることから、曲を1曲だけ収録した8cmCDシングルを同梱したガムやチョコレートが発売されるようになっている。ジャンルもアニメの主題歌、1970 - 80年代のJ-POP、演歌等多岐にわたっている。現在、8cmCDシングルでのリリースは、この食玩CDとしてのリリースがメインになってきている。日本レコード協会の生産実績統計によると、2009年の8cmCDシングル生産枚数は15万5000枚、生産金額は5800万円であり、CD全体における構成比は1%未満である。
A面/B面
詳細は「A面/B面」を参照
CDでは「B面」の代わりに「カップリング・ウィズ」(Coupling with) や「カップルド・ウィズ」(Coupled with) と呼び"C/W"と表記するが、後述の「両A面」と同じく「B-Side」や「B面」といった旧来の呼び方も根強く残っている。
「両A面シングル」とは両面をA面扱いとするシングル盤(レコード・CD)であり、特にCDにおいてはディスク自体の記録面がそもそも片面しかないということで「ダブルフェイスシングル」という呼び方をすることもある。また、アーティストによって様々な呼称を用いることがある[2]。
- ^ マキシシングルの中には、CD自体は12cmだがアルミ部分が8cmの「ニューマキシ」というディスクも存在する。
- ^ 例えば、GLAYは「ダブルエーサイドシングル」を、サザンオールスターズは「ツートップシングル」をそれぞれ発表したことがある。
- ^ シングルとして大きく注目されるようになったのはマドンナ「ジャスティファイ・マイ・ラヴ」(1990年)の世界的ヒットからとされている。
- ^ 2011年時点でのVHS映像ソフトにおいて最大とされている
- ^ ウェイン・ジャンシック(著)、加藤秀樹(訳)『Billboardただ1曲のスーパーヒット1』、音楽之友社、1991年。ISBN 4276236118
- ^ a b http://www.riaj.or.jp/data/quantity/index.html
- ^ http://www.riaj.or.jp/data/download/2009.html
- 1 シングルの概要
- 2 VHSシングル
- 3 シングル販売の動向
- 4 関連項目