シネラマ【Cinerama】
シネラマ
シネラマ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 23:13 UTC 版)
厳密には、アスペクト比の規格ではなくスクリーンサイズの規格である。規格は縦9m以上、横25m以上の湾曲したスクリーンである。横縦比は約2.88:1。 初期のシネラマは、図のように同時駆動させた3台の映写機で映写する方式だった。同時駆動させた3台のカメラで撮影された映像を3台の映写機で投影する方式。1955年から1964年まで、帝国劇場において『これがシネラマだ(英語版)』を初めとして数々の作品で話題をさらったが、非常に高いコストが掛かることや3本のフィルムの境目が見えやすいことにより衰退。中央のカメラを除く左右のカメラは交差しているため、人物同士が向かい合っている場面を横から撮影すると2人ともカメラを向いた状態になるという、構図上の欠点も問題であった。 中期シネラマはスーパーシネラマと呼ばれ、65mmフィルムで撮影した映像を3本のスタンダードフィルムに焼き付け直す方式が取られた。撮影時の問題は解消されたものの、フィルムのつなぎ目の問題は解消されず、プリントにも手間がかかり、衰退した。『西部開拓史』などで使用。 後期シネラマは、70mmフィルムを使用して同じ規格のスクリーンに投影した。70mm版の『これがシネラマだ』も存在する。後期シネラマの第1作は、スタンリー・クレイマー監督の『おかしなおかしなおかしな世界』、代表作としてはスタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』がある。日本においては、東京帝国劇場、テアトル東京、中日シネラマ、シネラマ名古屋、OS劇場といった、シネラマスクリーンの上映館があったが、すべて廃館となった。
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