サーカスプレー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 01:02 UTC 版)
1981年9月16日に阪急西宮球場で行われた阪急対ロッテ後期11回戦にて、山森は今も語り継がれるファイン・プレーというべき捕球を行った。 1回表ロッテの攻撃で、2番の弘田澄男は阪急先発の山田久志のボールを打ち返し、山森の守るレフト方向へ、高く舞い上がる大きなフライを放った。この大きな当りはレフトのラッキーゾーンを超えてホームランになる、そう誰もが思ったが、山森は自分の身長よりもかなり高いラッキーゾーンの金網の最上部に右足の中段でのワンステップだけでまるで猫のように飛び乗ると、左足と右手を金網に掛けて右足でバランスを取りつつ逆シングルでグラブを差し出した。ボールは山森の構えるグラブにおさまり、ホームランと思われた打球はこのプレーによってアウトとなった。 このプレーでアメリカの野球殿堂関係者が「日本人第一号の米国野球殿堂入り」を決めた。このことで、日本中で大きな話題となった。現在も殿堂入りしたメジャーリーガーと同じように写真とこのプレーをした時の映像が流されている。また、アメリカのテレビで放送されたホームランキャッチベスト10特集で並み居るメジャーリーガー達を抑えて1位を獲得したこともあった。 名称だけを見ると曲芸のような技と思われるが、山森は試合前の練習中常にフェンスの高さ、フェンスまでの距離を確認し、金網の上を歩く練習までしていたと言われており、実際には常日頃からの準備が実った結果と言える。山森もこのプレーは「練習の延長の様なもの」としか思っておらず、殿堂入りするまではよく覚えていなかったといい、むしろ翌日に弘田から「よくもオレの数少ないホームランを取ってくれたな」と怒られたことを覚えていたという。弘田は2019年のインタビューで「ホームラン一本損したな。」と述べている。 またこの当時、「山森が捕球したままスタンド(ラッキーゾーン)に落ちたらホームランなのかアウトか?」と話題になったが、あの体勢で捕球後にスタンドに落ちてもボールを落とさなければ打者はアウトである。 1990年5月3日にグリーンスタジアム神戸で行われたオリックス対日本ハム5回戦でも、自身2度目のホームランキャッチをしている。
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