コンスタンティヌスの改革までとは? わかりやすく解説

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コンスタンティヌスの改革まで

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/06 10:19 UTC 版)

道 (ローマ帝国)」の記事における「コンスタンティヌスの改革まで」の解説

道の統治を行うプラエフェクトゥス・プラエトリオ職務には長い歴史があり、ローマ帝国成立まで遡る初めは、プラエフェクトゥス・プラエトリオ権限を持つ者(定員2名)はプラエトリアニ親衛隊)の指揮官であった。しかし、徐々に皇帝補佐官筆頭となり、行政・司法面でも大きな責任を担うようになった特定の領域における非軍事的な行政官の長へと変質していった正確な過程は、いまだに不明確である。5世紀末~6世紀初頭歴史家ゾシモス (Zosimus) に基づいたよくある誤解は、「コンスタンティヌス1世一定の領域統治のため、318年あるいはリキニウス勝利した後の324年に道を制定した」というものであるテトラルキア体制下では、皇帝権限を持つものは、2人の上位の皇帝正帝)と2人下僚副帝)に増員されていた。その間プラエフェクトゥス・プラエトリオ2人だけ存在したことを示す文献残っている。おそらく、それぞれ正帝割り当てられていたのだろう。 この段階では、プラエフェクトゥス・プラエトリオ権限はいまだ絶大なものであったA.H.M.ジョーンズ言葉借りれば、「大宰相の王にして皇帝腹心軍事司法財政一般行政など、政府のほとんどの分野幅広く権限振るった。彼は皇帝補佐官の長であり、副司令官であり、そして主計総監であった」。305年ディオクレティアヌス退位した後は、皇帝間で内戦勃発しそれぞれ自分プラエフェクトゥス・プラエトリオ任命した。このパターンは、リキニウスコンスタンティヌス1世帝国二分する間も続いたコンスタンティヌスリキニウス勝利し自らの支配の下に帝国統一した後、プラエフェクトゥス・プラエトリオ職務変容する。純粋に軍事的な公職マギステル・ペディトゥム(magister peditum, 歩兵長官)とマギステル・エクィトゥム(magister equitum, 騎兵長官)の創設により、プラエフェクトゥス・プラエトリオ職務から軍事的な要素取り除かれた。そして、宮廷官僚社会行政事務一般における強力な長であるマギステル・オフィキオルム(magister officiorum, 行政長官)の確立が、プラエフェクトゥス・プラエトリオ均衡する勢力生み出したこうした改革は、プラエフェクトゥス・プラエトリオ広範な職務支えられる官吏の不足と、その強大すぎる権限引き起こす皇帝権力への抵抗可能性抑制したいという要請生んだ結果である。皇帝に次ぐ位置という帝国ヒエラルキーにおける最上級地位保持していたが、プラエフェクトゥス・プラエトリオ職務は、結果として純粋に民政上のものへと転換された。 そのほかテトラルキア体制下の慣例からの変更点としては、プラエフェクトゥス・プラエトリオ権限保持者の増員挙げられる332年頃には5人存在したことが確認されている)。これはおそらく、コンスタンティヌスが、自分死後皇帝を4人の息子分割することを考えそれぞれに統治する固有の領土与えたことと関連している。後の道長官の起源は、ここに見いだせるだろう。

※この「コンスタンティヌスの改革まで」の解説は、「道 (ローマ帝国)」の解説の一部です。
「コンスタンティヌスの改革まで」を含む「道 (ローマ帝国)」の記事については、「道 (ローマ帝国)」の概要を参照ください。

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