グーツヘルシャフトの完成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/10 04:55 UTC 版)
「ユンカー」の記事における「グーツヘルシャフトの完成」の解説
中央の国王が絶対的権力を握る17世紀の絶対王政の時代にもユンカーはグーツヘルシャフトにおける権力を維持した。絶対主義の時代にユンカーのグーツヘルシャフト体制は完成をみた。ユンカーは都市に頼らずに外国の商人と自由に取引するようになり、ますます大規模農業生産を行うようになっていた。ユンカーは三十年戦争で荒廃した土地や農民の土地を次々と併合して直営地を増やしていった。 ユンカーの農民支配も一層強化され、農民の農地所有権はわずかな自由農民をのぞけばユンカーの意思で簡単に取り上げられてしまうようになった。また農民はユンカーの許可なく結婚や移住、職業変更を許されず、農民への賦役もどんどん増やされ、週2日から5日の労働を課せられるのが一般的になった。また農民は子供を3年程度ユンカーに奉公人として提供することを義務付けられるようになった。さらにユンカーは国とは別に領主裁判権や領主警察権を有しており、農民たちにとってはユンカーが第一審であった。またユンカーは領内の教会に対して保護・後見権を有していたが、当時の教会は学校を掌握していたのでユンカーが教育を通じて農民を精神的にも支配した。ユンカーは領内に国王など上からの権力が介入してくることを極力避けようとしたため、農民にとってユンカーは唯一の支配者となっていった。 ユンカーたちは郡(クライス)という単位でまとまっていた。郡にはユンカーのみで構成される郡議会が存在し、郡議会から選出されたユンカーが国王から任命されて郡長を務めた。郡長は国王とユンカーたちの利害の調整者であった。
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