グロタンディークの公理系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 04:30 UTC 版)
「アーベル圏」の記事における「グロタンディークの公理系」の解説
東北ジャーナルにおける論文 (Grothendieck 1957) においてグロタンディークはアーベル圏 A が満たすべき四つの公理(とその双対)について記している。これらの公理は今日においても広く用いられている。具体的には AB3) A の対象からなる任意の集合 {Ai} に対して余積 ∗Ai が A の対象として存在する(すなわち A は余完備である)。 AB4) A は AB3) を満たし、かつ圏論的単射(モノ射)の族の余積は再び圏論的単射となる。 AB5) A は AB3) を満たし、かつ完全列のフィルター付けられた余極限は再び完全になる。 および、これらの双対 AB3*) A の対象からなる任意の集合 {Ai} に対して積 PAi が A の対象として存在する(すなわち A は完備である)。 AB4*) A は AB3*) を満足し、かつ圏論的全射(エピ射)の族の積は再び圏論的全射となる。 AB5*) A は AB3*) を満足し、かつ完全列のフィルター付けられた極限は再び完全である。 公理 AB1) および AB2) は加法圏をアーベル圏とするための公理となっている。具体的には、 AB1) 任意の射が核と余核を持つ。 AB2) 任意の射 f に対して余像 coim f から像 im f への標準射が同型になる。 グロタンディークはさらに AB6) と AB6*) と呼ばれる公理も与えている。
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