クロスコネクション cross connection
クロスコネクション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/24 22:54 UTC 版)
クロスコネクションは、上水の給水・給湯系統とその他の系統が、配管・装置により直接接続されることである[1]。汚染防止のため、水道法によって禁じられている。
概要
生命の維持に重要な役割を果たす水や、その供給を担う上水道の汚染を防止するために水道法は上水道がその他の配管と直接連結されないことを求めている[2]。
給湯は給水と同一系統であり、給水に直接接続してもクロスコネクションとならないが、給湯システムの補給水には逆止弁を設置する[3]。
状況
クロスコネクションには、井戸水と上水を切換えて使用するために意図的に行なわれるものと、上水配管と雑用水に使用することを意図した配管その他との誤接続によるものがある。前者に対しては、上水道供給自治体が条例を作成し、是正を推進している。また、後者のうち同一ビル内で起こりやすいクロスコネクションに対しては以下の防止策が考えられる。
防止策
- 上水配管と雑用水配管の管材を変える
- 配管に用途、行き先を表示する
- 雑用水に着色する
- 中水道を含む雑用水に着色剤を入れて着色されている場合、流し忘れと間違われないように「中道水を利用しています。水に少し色が付いています」等のの但し書きが表示されることがある。
事故
井戸水との故意のクロスコネクションは、水質によっては健康被害を呼ばないことも考えられるが、水道水が大量に井戸に流入し、莫大な水道料金が発生することもありうる。最近の日本国内のクロスコネクションの事故例を以下に示す。
- 厚生労働省「平成19年度水道関連の主要な事件・事故について」より
- 農薬散布用施設との誤接続(東京、2007年)
- 中水管との誤接続 (広島、2007年)
- 雨水利用配管との誤接続 (東京、2007年)
- 温泉水管との誤接続 (秋田、2007年)
- 厚生労働省「平成20年 水道関連の主要な事件・事故について」より
- 艦船用消火給水栓との誤接続 (京都、2008年)
- 消火管との誤接続 (和歌山、2008年)
- 冷却水管との誤接続 (北海道、2008年)
- 冷却水管との誤接続 (群馬、2008年)
脚注
クロスコネクション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 19:15 UTC 版)
日本において、「水道法」と「建築基準法」は、上水配管とその他の用途の配管を直接接続することを禁じている。これは、上水側の圧力が何かの理由でなくなった場合やその他の配管の圧力が上昇した場合、上水側に逆流する恐れがあるからである。これを「クロスコネクションの禁止」という。 アメリカにおいては、多くのクロスコネクションが存在し、事故を防ぐために逆流防止弁が開発され、逆流を阻止するように設計されているが、劣化やゴミが挟まるなどの機能喪失は完全には防ぎきれない。そのため、多くの逆流事故が起きている。
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