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ガス圧作動方式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/01/31 08:09 UTC 版)

(ガス圧作動 から転送)

ガス圧作動方式(ガスあつさどうほうしき)とは、弾薬の発砲時に発生する燃焼ガスの圧力を利用し遊底を後退させる自動装填式銃器の作動方式の一形態である。

自動装填式作動方式の中では比較的高威力の弾薬に対応できる構造を持ち、主に機関銃自動小銃自動拳銃等に採用されている。


  1. ^ ガス圧作動方式の実用化は無煙火薬黒色火薬より格段に腐食性が低い)と被甲弾頭が一般化した19世紀末に始まるが、技術的に完成したのは、1960年代になってようやくの事であり、その進化が遅れた最大の理由は、ガス圧作動方式に適した弾薬が実用化されるまでの試行錯誤にあった。
    ガス圧作動方式では、高温高圧の発射ガスが銃身より脆弱なガス・シリンダーやガス・ピストンに直接触れるため、発射ガスの持つ腐食性によって各部が侵食され、火器の寿命が短くなる問題点が存在した。この問題は強腐食性のガスを発生させる雷酸水銀を用いる銃用雷管が主に用いられていた第二次大戦まで深刻な問題であり、M1カービン用の.30 Carbine弾に低腐食性の銃用雷管が採用されるまで解決策の無い問題だった。
    米国など西側諸国では戦後になって低腐食性銃用雷管の採用が進み、ガス圧作動方式火器の寿命は大幅に延長され、特にM16の運用に際して米軍が弾薬に対して行った各種の改良は、ガス圧作動方式にとって最後まで残されていた推進薬・銃用雷管の持つ腐食性に起因する作動不良の可能性を著しく減少させ、その信頼性を高めるのに大きく貢献した。
    一方で、共産圏諸国においては長期保存に適し、いかなる環境でも確実に発火する強腐食性の銃用雷管が現在でも使用され続けている。このため多くの火器は腐食した部分を簡単に交換できるようブロック化した設計が採られ、各部を腐食に耐え得るクロムメッキで保護しているのが普通であり、米国とは異なるアプローチで極限状態でも動作する信頼性を実現している。
  2. ^ U.S. Patent 471,783
  3. ^ 自衛隊の89式小銃では、ピストン部を分離させた緩衝撃ピストンを使用している。
  4. ^ AK-107/108では、ガス・ピストンの後退による重心の移動を相殺するために、ガス・ピストンとボルト・グループに相当する重量のバランス部品が装着されている。
    ガス・ピストンとボルトが後退する際に、ガス圧をバランス部品にも伝えて逆進させ、重心の移動を抑制してフル・オート射撃時の射撃姿勢を安定させる事を目的としたものである。
    参照動画
  5. ^ “M16 Operation” (米軍製作の教育用映画)
  6. ^ ジョン・ブローニングが発明した、最初期のガス圧作動方式であるガストラップ式の自動ライフルで用いられたのは、レバーアクション式ウィンチェスターライフルに用いられていたトグルジョイント閉鎖機構だった。
    続いて実用化されたホチキス機関銃で用いられたのはロッキングブロック式であり、後に十一年式九六式/九九式など歴代の日本製軽機関銃に採用された。
    また、同じフランスで実用化されたRSC modèle 1917自動小銃は、ボルトアクション式のLebel M1886小銃を改造してロングストロークピストンを追加し、ロータリーボルト閉鎖機構を動作させており、これを短縮化したChauchat-Ribeyrolles 1918(参照)というユニークなガス圧作動方式の短機関銃も製造されている。
  7. ^ 1960年代にM16系自動小銃の国産化を目指していた韓国では、国産の鋼材では充分な強度を持つボルトが製造できず、試作当初は国内の米軍基地から屑鉄として放出されたM16のボルトを流用して、朴正煕大統領による試射に間に合わせたエピソードが伝えられている。
  8. ^ ZB26軽機関銃が日本に与えた影響は旧軍に止まらず、戦後発足した陸上自衛隊において国産自動小銃の開発が進められた際にも、新たにZB26軽機関銃が輸入されて64式小銃設計の参考とされている。
  9. ^ 九六式軽機関銃はその外見からZB26軽機関銃の模倣とされることがあるが実際には多くの相違点があり、特に内部機構は他の多くの国産機関銃と同様にホチキス機関銃の影響が大きい。
  10. ^ 機関銃のガス圧作動方式に高い信頼を置いていた日本陸軍だったが、世界的な潮流となりつつあった自動小銃への同方式の採用は、ガス導入孔が命中精度に悪影響を与えるため長らく考慮の外だった。
    1935年(昭和10年)に行われた自動小銃の採用検討に際しても、本命とされたのはピダーセン自動小銃などのディレードブローバック方式の物であり、ガス圧作動方式の試作品は東京瓦斯電気工業社が提出したZH-29半自動小銃のコピー品のみだった。
    尚、この採用検討に合わせて、日本で最初に飛行機で空を飛んだ日野熊蔵ディレードブローバック方式の自動小銃案を提出している。


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