インスリンの適応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 21:08 UTC 版)
インスリン療法の絶対的適応インスリン依存状態である時 糖尿病性昏睡(糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群、乳酸アシドーシス)である時 重症の肝障害、腎障害を合併する時 重症感染症、外傷、中等度以上の外科手術(全身麻酔施行例)の時 糖尿病合併妊娠(妊娠糖尿病で食事療法だけでは良好な血糖コントロールが得られない場合も含む) 中心静脈栄養時の血糖コントロール インスリン療法の相対的適応インスリン非依存状態の例でも著明な高血糖(例えば、空腹時血糖値250mg/dL以上、随時血糖値350mg/dL以上)を認める場合 経口薬療法では良好な血糖コントロールが得られない場合(SU薬の一次無効、二次無効) やせ型で栄養状態が低下している場合 糖毒性を積極的に解除する場合 インスリンの適応があると判断したら、患者の状態を把握し、強化インスリン療法を行うのか、それ以外の治療法を行うのかを判断する。インスリン療法の基本は健常者にみられる血中インスリンの変動パターンをインスリン注射によって模倣する事である。健常者のインスリン分泌は基礎インスリン分泌と、食事後のブドウ糖やアミノ酸刺激による追加インスリン分泌からなっている。これをもっともよく再現できるのは強化インスリン療法であるが、手技が煩雑であるのがネックである。今後の糖尿病管理も強化インスリン療法を行うのなら患者教育でも導入する価値はあるが、手術や処置で一時的に経口血糖降下薬を用いられない場合、生活スタイルから強化インスリン療法を行うのが不可能な場合はその他の療法が選択される。
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