歩数計は名前の由来の通り、ヒトの歩数を評価する機器であり、また歩数を基準におよその歩行距離やエネルギー消費量を推定することも可能です。従来は振子式加速度センサー(バネ)を内蔵した歩数計が広く利用されてきました。一般的に、振子式歩数計は通常歩行(およそ分速80m前後)での歩数を測定することが前提とされており、極端に遅かったり速かったりするような歩行速度では過小評価や過大評価の原因となります。近年では、圧電素子の加速度センサーを内蔵した加速度計の開発が進んでいます。これは、上下方向の加速度の出現頻度を利用して歩数を評価したり、加速度の出現頻度や大きさからより正確に歩走行時のエネルギー消費量を推定したりすることが可能です。また、前後方向や左右方向の加速度センサーを合わせ持った3次元加速度計では、歩走行時のエネルギー消費量だけでなく複雑な日常生活活動時のエネルギー消費量を推定したり、3方向の加速度情報から身体活動内容を識別したりできるなど、その機能が多様化しつつあります。