《分かりません》の敬語
「分かりません」の敬語表現
「分かりません」は「分からない」を丁寧にした言葉なので、このままでも相手に敬意を表すことが可能です。しかし場面によっては「分かりません」を使ってしまうと、失礼に当たることもあります。仕事中であっても同僚や上司に対してであれば、「分かりません」を使っても大丈夫です。「分かりません」の代わりに「詳しくありません」・「知りません」を使ったほうがいいこともあります。というのは「分かりません」という言葉にはぶっきらぼうな印象を与えてしまうこともあるからです。ビジネスシーンのようなフォーマルな場面で「分かりません」を使いたいときは「分かりかねます」・「存じません」・「お答え致しかねます」などと言い換えると相手を不快にさせません。質問に対して自分が答えられない状態にあるときに、「分かりかねます」を用います。遠回しの否定である「かねる」がついているので、「わかりません」よりも否定的な印象が和らぎます。この言葉は敬語表現ですが、自分の状態を伝えることが主たる目的の言葉になるので、相手への配慮が足りていないと受け取られる可能性もあります。相手に誤解を与えないためには、「申し訳ありませんが、分かりかねます」などとするといいでしょう。
「存じません」は知るの謙譲語を否定形にした言葉です。分からない対象が人の場合は、「存じ上げません」を使うこともできます。「存じません」は謙譲語ですから、この言葉は自分に対して使われる言葉です。「存じておりません」も同じ意味ですが、この言葉はより丁寧な表現を心がけたいときに使います。「存じません」は、「他社の商品については存じません」のように使うといいでしょう。「お答えいたしかねます」は「答えることはできません」を丁寧に表した言葉です。「する」の謙譲語に丁寧語の「ます」をつけた敬語になります。「ご返答いたしかねます」も同じ意味の言葉です。「お答えいたしかねます」単独で使用すると冷たい印象を与えてしまうかも知れないので、前後に「お問い合わせください」などの解決策を提示する言葉を添えておくといいでしょう。
「分かりません」の敬語の最上級の表現
「分かりません」自体が「分からない」を丁寧にしたものなので敬意を伝えられますが、身分の高い人に対しては他の表現を使った方がいいかも知れません。「分かりません」をより敬意を高めた表現としては、「存じ上げません」が挙げられます。より丁寧な印象を相手に与えたのなら、「大変申し訳ないのですが」などを文頭につけることをおすすめします。「分かりません」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「分かりません」という言葉は、ビジネスメールや手紙で使わないほうがいいでしょう。文章の形だと口頭よりもより丁寧でかしこまった表現が必要になります。「分かりません」だと相手に誤解を与えかねないのです。ビジネスメールで使用するのなら、「不勉強で申し訳ありません」と言い換えておくと誤解を防げます。「不勉強で申し訳ない」を使えば、相手に対してわからないことを申し訳なく思う気持ちを伝えられるでしょう。実際のメールや手紙では、「不勉強で申し訳ありません。至急確認し折り返しご連絡いたします」などと使います。「確認の上、改めてご連絡いたします」という言葉を、「分かりません」の代わりにメールや手紙に使用することができます。「確認の上、改めてご連絡いたします」の意味は「確認して連絡する」になるので、直接の言い換え表現にはあたりません。しかし「今は分からないが調べてから伝える」という意味が言外に含まれているので、「分かりません」の言い換え表現になります。単に「分からない」と伝えるよりも、より相手にポジティブな印象を与えることができるでしょう。実際にメールや手紙などに使う際には、「申し訳ありません。すぐにお答えいたしかねますが確認の上、改めてご連絡いたします」といった形になります。
「分かりません」を上司に伝える際の敬語表現
「分かりません」という表現は、上司や社内で使う際にはそのままでも問題ありません。「先方から連絡が来ないので、進捗状況はまだ分かりません」などと使うといいでしょう。ただしメールなどで連絡を取る際には、「分かりかねます」や「存じません」などのより丁寧な表現に言い換えたほうがいいかも知れません。「分かりません」の敬語での誤用表現・注意事項
「分かりません」をビジネスシーンで使用する際には、相手に冷たい印象を与えてしまうことがあるので注意が必要です。相手に自分が知識を持っていないことを伝えたいのなら、状況に合わせて言い換えると相手に不快な印象を与えずにすむでしょう。例えば「存じません」や「分かりかねます」などを使うと、同じことをより丁寧に表現可能です。また「分かりません」を使用するのなら文頭に「申し訳ありませんが」などをつけておくと、冷たい印象を和らげることができるでしょう。「分かりません」の敬語での言い換え表現
「分かりません」の敬語での言い換え表現としては、「詳しくありません」・「知りません」・「お答えいたしかねます」などがあります。「詳しくありません」・「知りません」は「分かりません」と同じ意味の言葉で、自分と対等な相手に使う言葉です。「お答えいたしかねます」は謙譲語の否定形で、「答えることができません」という意味になります。- 《分かりません》の敬語のページへのリンク
