smn定理 smn定理の概要

smn定理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/16 08:04 UTC 版)

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この定理を実用的に解説すると、あるプログラミング言語と正の整数 mn があるとき、m+n 個の自由変数を持つプログラムのソースコードを操作する特定のアルゴリズムがあることを示している。そのアルゴリズムは、与えられた m 個の値を最初の m 個の自由変数に束縛し、残りの変数を自由変数のままにしておく。

詳細

本定理の基本形は、2引数の関数に適用される。再帰関数のゲーデル数 が与えられたとき、次のような性質の2引数の原始再帰関数 s が存在する。すなわち、あらゆる2引数の関数 f のゲーデル数 p について、同じ x と y の組合せでの が定義され、その組合せにおいて等しい。言い換えれば、次のような外延的等価性が成り立つ。

これを一般化するため、元の数を原始再帰関数で引き出せるように、n 個の数を1つの数に符号化する方法を採用する。例えば、それらの数のビットをインターリーブするといった符号化が考えられる。すると任意の正の数 mn について、m+1 個の引数をとる原始再帰関数 が存在し、次のように振舞う。すなわち、あらゆる m+n 引数の関数のゲーデル数 p について、

となる。 は、関数 s そのものである。

以下のLISPのコードは、s11 を実装したものである。

(defun s11 (f x)
  (list 'lambda '(y) (list f x 'y))

例えば、(s11 '(lambda (x y) (+ x y)) 3) を評価すると (lambda (y) ((lambda (x y) (+ x y)) 3 y)) になる。


  1. ^ Soare, R. (1987年). Recursively enumerable sets and degrees. Perspectives in Mathematical Logic. Springer-Verlag. ISBN 3-540-15299-7. 
  2. ^ Rogers, H. (1987年) [1967年]. The Theory of Recursive Functions and Effective Computability. First MIT press paperback edition. ISBN 0-262-68052-1. 
  3. ^ Kleene, S. C. (1943年). “General recursive functions of natural numbers”. Mathematische Annalen 53: 727–742. 


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