BTRON
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/08 16:28 UTC 版)
実装
古い順に示す。まず、松下電器産業とパーソナルメディアにより、後述するCECマシン等を想定した、16 ビットCPU286上への実装であるBTRON286が試作された。これの仕様がBTRON1(初期にはBTRON/286とも)である。これをベースとした実装に、松下通信工業「PanaCAL ET」の「ETマスター」、パーソナルメディアより販売された、Panacom Mシリーズに搭載した「1B/Note」等やPC/AT互換機用の「1B/V」シリーズの「1B」がある。パーソナルメディアが発売した「電房具1B/desktop-PH」仕様は、CPU Pentium 60/90 MHz、メイン・メモリ 8Mバイト、グラフィック・メモリ 1M/2Mバイト、HDD 270M/365M/540M/1Gバイト、FDD 3.5インチ1基、106キー日本語キーボード、PS/2マウス、シリアルx2、パラレルx1等で、最小構成モデル261,000円[11]。
BTRON2は仕様書[1]が作成され、富士通製TRONチップF32/300の搭載された評価機GENESYS上への実装が予定されていた[2]。パーソナルメディアによる実装で、「2B」という名前が出ている[3]。
SIGBTRONで製作されたTRONチップマシンMCUBEには32ビット化し、マイクロカーネルにITRON仕様OS(ItIs)を使用した「3B」が実装された。3Bをベースとした実装に、BrainPad TiPO(V810)などの「B-right」、PC/AT互換機(386)用の「B-right/V」などがある(現在、マイクロカーネルはI-right(/V)となっている)。B-right/Vが準拠している仕様が、BTRON3仕様として公開されている。B-right/Vを含む製品「超漢字」が一般販売されており入手が容易である。
BTRONとは謳われていないが、T-Kernel用ミドルウェアのT-Shellが、超漢字の外殻の一部と同様の機能を提供している。
- ^ a b 『BTRON2カーネル標準ハンドブック』
- ^ a b TRONWARE Vol. 7
- ^ a b TRONWARE Vol. 9
- ^ 『TRONからの発想』pp. 130-138
- ^ 『TRONを創る』pp. 179-192
- ^ 「μBTRONバス:機能と応用」(『TRONプロジェクト '89-'90』pp. 109-122)
- ^ 「μBTRONバス:設計と音楽データ転送の評価」(『TRONプロジェクト '87-'88』pp. 173-182)
- ^ 月刊アスキー11巻6号(1987年6月号)160頁の図には、マルチレコードによりTADデータが実装されているというような説明があるが、現状の仕様書はそのようにはなっていない。
- ^ たとえば『TRONプロジェクト '90-'91』pp. 59-64「BTRON1仕様におけるハイパーメディア編集」
- ^ TRONWARE Vol. 50 pp. 62-67「FAのニューフェイスBTRON」
- ^ インターフェース 1995年1月号, p. 230.
- ^ https://web.archive.org/web/20100811085732/http://www.assoc.tron.org/jpn/intro/enkaku.html
- ^ CEC沿革
- ^ CECは2012年4月より一般財団法人コンピュータ教育推進センター
- ^ a b 小林紀興『松下電器の果し状』1章
- ^ 当時はLinuxやFreeBSDのようなAT&Tの支配が及ばない、実用的Unix互換環境の登場など、誰も想像し得なかった。
- ^ ウェブアーカイブ、トロン協会ウェブサイト「通商問題経緯」
- ^ トロン協会「沿革」
- ^ https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00215/060300034/
- ^ たとえば、中村正三郎『電脳曼陀羅』(1995年版)収録「TRONのいま」の注25に「当時、反TRONだったのが、すでに地位を確立していたNECとMicrosoftだったのは周知の事実」とある
- ^ http://cacm.acm.org/magazines/1983/9 表紙は右カラム上部に表示されるが、右側の日本は足元(基礎技術)は低いものの一致団結して「5th GENERATION」(第5世代)と書かれた宝冠に手が届かんばかりである
- ^ 大下英治『孫正義 起業の若き獅子』(ISBN 4-06-208718-9)pp. 285-294
- ^ http://narapress.jp/ysk/tron/panacal.html
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