自由民主党の派閥 衰退と解消の動き

自由民主党の派閥

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/09 12:22 UTC 版)

衰退と解消の動き

結党以来、派閥の弊害が指摘されており、1963年10月の「三木答申」により穏やかな派閥解消が成立するか注目されたものの、当時の池田勇人総裁は自由民主党史上初めてとなる試みを受け流した格好となり、結局派閥解消には至らなかった。その後、1977年3月の福田赳夫総裁下と、1994年河野洋平総裁下での野党時代に派閥解消は行われ、各派が派閥の看板を降ろし、マスコミでも「旧○○派」の通称に統一された。しかし、実質的には派閥は連綿と存続しており、派閥活動が公然と行われて総裁選挙に影響を与えた[4][5]

脱派閥を訴えた小泉純一郎も、実際には生粋の派閥政治家だとする評価があり、出身派閥の森派を厚く遇し、長年対立関係にあった橋本派を冷遇した。しかし、自由民主党内における派閥は本来中選挙区制を前提にできており、現在の小選挙区比例代表並立制では必ずしも機能していない。一方で、小選挙区比例代表並立制においては党執行部や選挙の顔である総裁の役割が拡大し、派閥は徐々に変質しつつあるとも言われる。

第45回衆議院選挙では自由民主党が大幅に議席を減らしたため、派閥そのものが衰退する可能性もあり、実際に各派閥で退会者が相次いだ。2009年高村派を退会して「のぞみ」を立ち上げた山本有二は、派閥が昼食を食べるサロンになったと批判した。2010年になってからは、新党結成や公認争いを巡って離党者に歯止めがかからず、派閥の退会にもつながっている。鳩山邦夫藤井孝男小池正勝らの離党によって、どの派閥にも属さない「無派閥」議員の人数が33人と、額賀派を抜いて自由民主党内の第二勢力となった。2011年には無派閥の議員が48人となり、自由民主党内の第一勢力となる。




注釈

  1. ^ 旧渡辺派」と「村上派」、「旧加藤派」と「小里グループ」などがこれに当たる。
  2. ^ 大平正芳の死去による「旧大平派」、渡辺美智雄の死去による「旧渡辺派」、河本敏夫の政界引退による「旧河本派」、小渕恵三の死去による「旧小渕派」、加藤紘一倒閣運動による「旧加藤派」、橋本龍太郎の派閥離脱による「旧橋本派」、亀井静香の離党による「旧亀井派」、堀内光雄の離党による「旧堀内派」などがこれに当たる。一方で、第43回衆議院選挙で落選した山崎拓は非議員のままで山崎派会長を務めたものの、この時における通称は総じて「山崎派」のままだった。

出典

  1. ^ 塩田潮 (2014年4月5日). “自民党は決して一枚岩ではない | 塩田潮の政治Live!” (日本語). 東洋経済オンライン. 2019年1月13日閲覧。
  2. ^ 杉本康士 (2013年1月26日). “保守本流の外交とは何か”. 産経新聞. https://www.sankei.com/politics/news/130126/plt1301260015-n1.html 2019年1月13日閲覧。 
  3. ^ 松本浩史 (2014年6月17日). “色あせた「保守本流」、現実は「安倍カラー」一色”. 産経新聞. https://www.sankei.com/politics/news/140617/plt1406170013-n1.html 2019年1月13日閲覧。 
  4. ^ 安藤俊裕 (2012年1月29日). “親台湾派議員の総帥に 「群雀中の一鶴」灘尾弘吉(4)”. 日本経済新聞. https://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2301J_T20C12A1000000/ 2019年1月13日閲覧。 
  5. ^ 升味準之輔 (1967). “自由民主党の組織と機能”. 日本政治学会年報政治学 18: 34-77. doi:10.7218/nenpouseijigaku1953.18.0_34. https://doi.org/10.7218/nenpouseijigaku1953.18.0_34. 
  6. ^ “1980年代の自民党の派閥政治”. 香川大学法学部卒業論文 - 神江伸介ホームページ. (2002). http://www.jl.kagawa-u.ac.jp/~konoe/14e-ronbun/kurokawa.html. 
  7. ^ “経世会支配と政治改革”. 香川大学法学部卒業論文 - 神江伸介ホームページ. (2002). http://www.jl.kagawa-u.ac.jp/~konoe/14e-ronbun/hata.html. 
  8. ^ “麻生太郎会長「安倍政権を力強く支えていく」 新派閥「志公会」設立記者会見詳報”. 産経新聞. (2017年7月3日). https://www.sankei.com/politics/news/170703/plt1707030080-n1.html 2019年1月13日閲覧。 
  9. ^ “新麻生派「第2派閥」に 山東派など合流で59人”. 日本経済新聞. (2017年7月3日). https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS03H50_T00C17A7PP8000/ 2019年1月13日閲覧。 
  10. ^ “自民党:石破派「水月会」20人で正式結成 総裁選に意欲”. 毎日新聞. (2015年9月28日). オリジナルの2015年9月29日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150929112100/http://mainichi.jp/select/news/20150928k0000e010179000c.html 
  11. ^ “「石破派」が旗揚げ、安倍後継へ 派閥名「水月会」、20人参加”. 共同通信社. (2015年9月28日). オリジナルの2015年9月30日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150930001930/http://www.47news.jp:80/CN/201509/CN2015092801001493.html 
  12. ^ “井上氏、細田派に正式入会”. 時事通信社. (2016年1月14日). オリジナルの2016年2月23日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160223071648/http://www.jiji.com/jc/zc?k=201601/2016011400720 





固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「自由民主党の派閥」の関連用語

自由民主党の派閥のお隣キーワード

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   
検索ランキング



自由民主党の派閥のページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの自由民主党の派閥 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2019 Weblio RSS