第21回スーパーボウル 背景

第21回スーパーボウル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/01 23:03 UTC 版)

背景

1984年5月23日から25日までのNFLオーナー会議で第21回スーパーボウルの開催地がカリフォルニア州パサデナとなることが決定した。スーパーボウルがパサデナで行われるのは4回目、ロサンゼルス大都市圏で行われるのは6回目であった。

ニューヨーク・ジャイアンツ

ジャイアンツにとっては初のスーパーボウル出場であった。またスーパーボウル開催以前を含めても1963年のNFLチャンピオンシップゲームでシカゴ・ベアーズに敗れて以来のチャンピオンシップゲーム出場となった。

QBのフィル・シムズは3487ヤードを獲得、21タッチダウンをあげたがインターセプトも22回であった。彼のメインターゲットはタイトエンドのマーク・ババーロで66回のキャッチで1001ヤード、4タッチダウンをあげた。ジャイアンツは優れたWRがおらずステーシー・ロビンソン、ボビー・ジョンソン、フィル・マコンキーが3人合計で76回のキャッチで1307ヤードを稼いだ。

ランプレイがジャイアンツのオフェンスの中心でありジョー・モリスは1516ヤードを走り14タッチダウンをあげると共に21回のキャッチで223ヤードを稼ぎ1タッチダウンをあげた。彼の活躍の陰にはフルバックのモーリス・カーソンの存在がありカーソンはブロッカーとしての活躍に加えてチーム2位の260ヤードを走った。またオフェンスラインはプロボウルタックルのブラッド・ベンソン、カール・ネルソンに率いられた。

またディフェンスはジャイアンツの強力な武器であり"Big Blue Wrecking Crew"と呼ばれた。開幕戦ではダラス・カウボーイズに31点を献上し敗れたもののレギュラーシーズンの残り試合では最終節のグリーンベイ・パッカーズ戦で55-24で勝利した試合以外では相手チームへ20得点以上を許さなかった。ディフェンスのリーダーはその後プロフットボール殿堂を果たしたローレンス・テイラーであり彼はレギュラーシーズンに20.5サックをあげて3度目のNFL年間最優秀守備選手となると共にディフェンスの選手としては史上2人目のシーズンMVPに選ばれた。テイラーほど注目を浴びなかったがゲイリー・リーズンズ、ハリー・カーソンもプロボウルに選出されカール・バンクスは6.5サック、2ファンブルリカバーの数字を残した。他にもDTのジム・バート、DEのレナード・マーシャル(12サック、3ファンブルリカバー、1インターセプト)もプロボウルに選ばれた。

ディフェンス、モリスのラン攻撃、シムズのパッシングゲームでジャイアンツはレギュラーシーズンを14勝2敗で終えた。

デンバー・ブロンコス

ブロンコスはレギュラーシーズンをAFC2位の11勝5敗で終えてAFC西地区優勝を果たした[2]。4年目のQBジョン・エルウェイは3480ヤード、19タッチダウンをあげると共にランでも257ヤードを稼ぎチーム3位のラッシング記録を残した。エルウェイはこのシーズン、特別なターゲットを持たなかったがWRのマーク・ジャクソン、バンス・ジョンソン、スティーブ・ワトソン、TEのオーソン・モブリーは合計136回のキャッチで2132ヤードを稼いだ。プロボウルRBのサミー・ワインダーは789ヤードを走り9タッチダウンをあげると共に26回のキャッチで171ヤード、5タッチダウンをあげた。フルバックのジェラルド・ウィルハイトはランで365ヤード、5タッチダウンをあげると共にチームトップの64回のパスレシーブで529ヤード、3タッチダウンをあげた。またプロボウルガードのキース・ビショップに率いられたパワフルなオフェンスラインは攻撃を支えた。

ブロンコスはまたAFCトップとなるランディフェンスで相手に1651ヤードしか許さなかった。ディフェンスラインはプロボウルDEのルーロン・ジョーンズ(13.5サック、1ファンブルリカバー)に率いられラインバッカーにはプロボウル選出3回のトム・ジャクソンに加えてカール・メクレンバーグは9.5サックをあげた。セカンダリーはプロボウル選手のデニス・スミス、ルイス・ライトに率いられマイク・ハーデンは6インターセプト、2タッチダウンをあげた。ルイス・ライト、スティーブ・フォーリー、トム・ジャクソンはオレンジクラッシュディフェンスの生き残りでありこのスーパーボウルを最後に現役を引退した。

プレーオフ

ブロンコスはニューイングランド・ペイトリオッツに22-17、AFCチャンピオンシップゲームではクリーブランド・ブラウンズに23-20と競り勝ちスーパーボウル出場を決めた。ブラウンズとの試合ではザ・ドライブとして知られる残り時間5分32秒で13-20とリードされた場面で自陣2ヤードからの攻撃を15プレイで98ヤードを前進し残り39秒でエルウェイは同点となるタッチダウンパスをマーク・ジャクソンに決めた。そしてオーバータイムの末、リッチ・カーリスのFGが決まりブロンコスは勝利した[3]

ジャイアンツディフェンスは、サンフランシスコ・49ers戦でジョー・モンタナを何度もノックアウトさせて49-3、ワシントン・レッドスキンズ戦でもジェイ・シュローダーを完全に抑えて17-0で勝利[4]、プレーオフ2試合で相手に3点しか許さなかった。

試合前のニュースと話題

ローレンス・テイラーがジョン・エルウェイをサックするか投げ急がせることができるかに注目が集まった。


  1. ^ シムズのパス成功率88%はスーパーボウル記録であるだけでなくそれまでの21回のプレーオフを通じた新記録であった。
  2. ^ Top Playoff Moments: The Drive”. denverbroncos.com (2014年1月6日). 2015年2月6日閲覧。
  3. ^ History: The Drive”. プロフットボール殿堂. 2015年2月6日閲覧。
  4. ^ Aaron Schatz (2005年). “Best in playoffs? Da Bears”. ESPN. 2015年1月25日閲覧。
  5. ^ ドラフト4巡指名の名選手たち -前編-”. NFL JAPAN (2011年3月29日). 2012年3月29日閲覧。
  6. ^ A Giant Step Forward 1987年1月25日





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