硫黄島 (鹿児島県) 自然

硫黄島 (鹿児島県)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/11 09:55 UTC 版)

自然

東は太平洋、西は東シナ海に臨み、黒潮の影響を受ける三島村の気候は、極めて温暖な亜熱帯的海洋性気候である。一方、夏場は台風の進路に当たり、冬場は季節風の影響を強く受けるため、四季を通じて風害や潮害が大きい。雨量は月間平均で約370ミリメートル程度となっている[7]

人口

1960年には604人の人口であったが、硫黄鉱山の閉山(1964年)にともない人口流出が起こり1970年には186人となった。その後の人口の軽微な減少が継続し、2005年には140人、2008年には62世帯121人となった[7]

産業

畜産(黒毛和牛の仔牛生産)が行われている。2008年現在、5軒の畜産農家があり112頭の牛を飼育している。「みしま牛」のブランド確立にも取り組んでいる[7]。島の大半を占める竹林資源を利用し、タケノコの生産と加工が行われているが、高齢化による労働力の低下と人手不足で生産量は年々減少している。また、硫黄島には自然林と人工林を合わせて約46ヘクタールの椿林があり、その実を絞って作る椿油や、椿油を使った石鹸シャンプーリンスが、村の特産品として販売され、平成19年にはタケノコ3.7トン、椿油6トンを出荷している。島周囲は好漁場だが、港湾施設の関係で小型漁船しか使用できず、水揚げ量は2007年実績で2トン程度に留まっている[7]イセエビ漁が盛んである。島内には民宿が5軒あり100名程度を収容できるが、宿泊者の利用目的は公共事業関係の業務目的での宿泊が多く[7]、必ずしも観光業が成功しているとは言いがたい。かつて硫黄山で硫黄や珪石の採掘が行われていたが現在では廃坑となっている(後述)[9]

教育

  • 三島村立三島硫黄島学園
  • みしまジャンベスクール -Tam Tam Mandingue Japan-
    村営の西アフリカの打楽器ジャンベのスクール。毎年ママディ・ケイタが訪れていた[9]タムタムマンディングは西アフリカの伝統音楽を学ぶ学校として、1991年ママディ・ケイタ自身がベルギーのブリュッセルに設立したのが始まりで、今ではヨーロッパを中心に世界各国にその活動の場を広げている。アジアでは、本校が初の設立[10]

注釈

  1. ^ 2019年11月2日の噴火時点での報道では115人。

出典

  1. ^ a b 三島村の概要 > 地区別世帯数と人口(令和2年5月1日現在)”. 三島村. 2020年5月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月13日閲覧。
  2. ^ 火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山”. 気象庁. 2016年2月25日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g 篠原宏志「薩摩硫黄島の火山ガス・温泉・熱水系」 地質ニュース472号, 1993年12月
  4. ^ 「ものがつなぐ世界史」(MINERVA世界史叢書5)p136-141 桃木至朗責任編集 中島秀人編集協力 ミネルヴァ書房 2021年3月30日初版第1刷発行
  5. ^ 鹿児島県『資料鹿児島県労働運動史 第1巻』鹿児島県。1967年。
  6. ^ 比企忠、柴田勝熊『近世応用鉱物精義』 積善館本店。1915年。
  7. ^ a b c d e f g 三島村地域公共交通総合連携計画 計画書 三島村・枕崎市平成21年2月(pdf)
  8. ^ 三島村におけるレンタサイクルの予約について三島村
  9. ^ a b c d e みしま村について
  10. ^ -Tam Tam Mandingue Japan-
  11. ^ a b c d 総事業費5億円の「冒険ランドいおうじま」 鹿児島市が三島村に譲渡検討 直近3年間の収入は計2.5万円 村「方針決まっていない」”. 南日本新聞. 南日本新聞 (2022年6月16日). 2022年6月17日閲覧。
  12. ^ 鹿児島市冒険ランドいおうじま
  13. ^ 「ものがつなぐ世界史」(MINERVA世界史叢書5)p139-150 桃木至朗責任編集 中島秀人編集協力 ミネルヴァ書房 2021年3月30日初版第1刷発行
  14. ^ a b 硫黄岳の登山記事
  15. ^ 気象庁、1988
  16. ^ 地質調査所(1997):薩摩硫黄島火山の硫黄岳の活動状況、火山噴火予知連絡会会報、67, 79-82.
  17. ^ 西 祐司・松島喜雄・斉藤英二・井口正人(2002):薩摩硫黄島硫黄岳の火山活動2001-2002, 2002 年地球惑星科学関連学会合同大会予稿集、V032.
  18. ^ 井口 正人 「薩摩硫黄島火山における最近の火山活動―1975 年~2001 年―」 京都大学防災研究所
  19. ^ GPS 観測結果および硫黄岳山頂火口の地形変化 第97 回火山噴火予知連絡会資料 2004年1月27日産総研地質調査総合センター 京大防災研火山活動研究センター
  20. ^ 薩摩硫黄島 有史以降の火山活動”. 気象庁 (2019年4月11日). 2019年11月6日閲覧。
  21. ^ 薩摩硫黄島の噴火警戒レベルを2へ引上げ”. 気象庁 (2019年11月2日). 2019年11月6日閲覧。
  22. ^ 薩摩硫黄島で噴火発生 噴火警戒レベル2に引き上げ 鹿児島”. ウェザーニューズ (2019年11月2日). 2019年11月6日閲覧。
  23. ^ 篠原宏志 火山研究解説集:薩摩硫黄島 つくば中央第七事業所 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
  24. ^ 薩摩硫黄島空港
  25. ^ 硫黄島八朔太鼓踊り”. 鹿児島県 (2021年12月7日). 2023年9月14日閲覧。
  26. ^ a b 三島村のまつり”. 三島村. 2023年9月14日閲覧。
  27. ^ a b c d 薩摩硫黄島のメンドン”. 国指定文化財等データベース. 文化庁. 2023年9月14日閲覧。
  28. ^ 薩摩硫黄島のメンドン”. かごしま文化財事典. 鹿児島県教育庁文化財課. 2023年9月14日閲覧。
  29. ^ a b 三島村硫黄島の九月踊り”. かごしま文化財事典. 鹿児島県教育庁文化財課. 2023年9月14日閲覧。
  30. ^ a b c 無形民俗文化財 県指定(鹿児島・南薩地区) 三島村硫黄島の九月踊り” (pdf). 鹿児島県教育委員会 (2022年2月18日). 2023年9月14日閲覧。





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