大いなる幻影 フィルムの復元

大いなる幻影

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/02 00:44 UTC 版)

フィルムの復元

パリ占領後にはネガフィルムがドイツに持ち去られ行方不明となり、その後の戦火の中で完全版は消失した。戦後残された不完全版が公開されたが、反独感情の残る国々からは敵国同士の交流を描いた内容が不謹慎として批判されるなど、名作にもかかわらずこの作品は政治の荒波の中で翻弄された。ルノアール自身「この映画で我が名声は上がったが、どれだけ誤解を招いたか。」と自伝で述べている。

不完全版に不満を持ったルノアールは復元版を完成させるべく、シネマテーク・フランセーズのルネ・リヒテイグの協力を得、1958年に新たに発見されたネガをもとに「完全版」を作り上げ、パリで公開された。この年の「国際優秀映画祭」(ベルギーで開催。上述「ランキング」参照)では5位に入賞し、新たにその価値が見直された。

1976年昭和51年)、東京岩波ホールでルノアール編集の完全版が公開された。

さらにソ連崩壊後、ネガフィルムがモスクワフィルム・アーカイブで発見され(敗戦直後、ナチス高官が保管していたのを持ち去ったと言われている。)復元後、オリジナル完成時の姿で公開された。

参考資料

  • ジャン・ルノアール『自伝』西本栄二訳、みすず書房、1977年

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