同人音楽 流通

同人音楽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/26 21:56 UTC 版)

流通

同人音楽は主にCD-DA(DIGITAL AUDIO)形式ないし、それに準ずるディスク形態にて流通されている。また、試聴用としてはMP3に代表される圧縮された音楽データにての配布が一般的とされている。

CD形態の場合、同人誌即売会での頒布の他、同人誌を扱う小売店(同人ショップ等)での委託販売も行われており、大半のリスナーはこれらの場所において作品を入手している。しかしながら、インディーズレーベルや個人出版者に対して受け皿を拡張した「Amazon e託販売サービス」など、同人ショップ以外の同人音楽CDの流通経路も増加している。

また、一般的な音楽流通も同人音楽に着目しつつあり、一部サークル作品のデータ販売(着うたiTunes Store等)やカラオケでの利用なども始まっており、既存の同人ショップでもデータ販売を開始するなど、CD以外での流通形態も利用できるようになりつつある。

音源自体でなく楽譜を印刷し、即売会で頒布するサークルも見られるようになった。

著作権問題の解消

既存の音楽の編曲作品における著作権侵害の問題は同人音楽の負の側面のひとつである。しかし、データ販売においては著作権手続きを代行する配信業者もでてきており[1]、制作者の意識次第で問題が解決できる環境が整いつつある。

主なイベント

同人音楽が多数頒布されている主なイベント(同人誌即売会)は以下の通り。

関連書籍

『同人音楽を聴こう!』
三才ブックス(三才ムック Vol.167)、2007年[5]
同人音楽について概略的にまとめた書籍[5][6]。同人音楽の歴史をまとめたコラムに加え、同人サークルやアーティストに対するインタビュー記事、同人音楽のディスコグラフィなどで構成される[6]。主な執筆者は、北谷公識、冨田明宏、村中宣彦[7]。本著以前に関連コラム「同人音楽を聴こう!!」が『現代視覚文化研究』に収録された[8]
『同人音楽制作ガイド』
冨井公・國田豊彦共著、秀和システム、2008年[6]
デスクトップミュージックによる音楽作品の制作[9]・発表方法について述べられている[6]
『同人音楽とその周辺 : 新世紀の振源をめぐる技術・制度・概念』
井手口彰典著、青弓社、2012年[10]
同人音楽を主題とした初の学術書とされ[6][10]、「同人文化の研究の先駆け」と評する者も存在する一著[11]

  1. ^ 野津 誠 『JASRACを気にせずカバー曲を委託販売できるサイト「同人音楽の森」INTERNET Watch、2008年3月19日 14:12
  2. ^ 音田楽[リンク切れ] 2009.02 Vol. 3による
  3. ^ 音田楽 2008.08 Vol. 1による
  4. ^ 2009年度は幕張メッセイベントホールにて開催
  5. ^ a b 井手口 2012, p. 23.
  6. ^ a b c d e 井手口彰典 (2014年9月4日). “「同人音楽」関連重要文献レビュー”. 2020年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月29日閲覧。
  7. ^ 『同人音楽を聴こう!』, p. 194.
  8. ^ 北谷 & 編集部 2006, p. 162.
  9. ^ 井手口 2012, p. 42.
  10. ^ a b 今井 2012, p. 100.
  11. ^ 今井 2012, p. 101.





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