佐世保小6女児同級生殺害事件
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小学校の道徳活動
大久保小学校では、事件のあった6月1日を「命を見つめる日」と定め、毎年、事件を教訓に道徳教育を行っている[29]。事件現場である教室は改修工事が行われ、現在は「いこいの広場」となっている[30]。
事件翌年に赴任した校長の秋山団一の発案で、校長室には被害者の使用していた机と椅子が保管されており、事件を風化させないように歴代の校長が引き継いでいる。校長(2022年6月時点)の蒲川法子は必ず目に入届くようにと校長室の入り口付近に設置し「校長室で保管ができる限り続けてほしい」と語っている[31]。
事件記録廃棄問題
2022年(令和4年)当事件すべての記録が廃棄されていることが発覚した
2022年10月20日に神戸家庭裁判所が神戸連続児童殺傷事件に関する記録を廃棄していた事を発表した[32][33][34]。これを発端に最高裁は重大少年事件を含む事件記録が各地の裁判所で廃棄されていることがあるとして捜査を行い、少年事件53件、民事裁判35件が廃棄されていたことが発覚した問題[35]。「裁判所記録廃棄問題」も参照
10月24日、神戸家裁の一件を受け、報道機関からの問い合わせがあり調べたところ、長崎県の重大少年事件を含む事件記録について長崎家裁佐世保支部が当事件と長崎男児誘拐殺人事件の2件全ての記録を2019年2月28日に廃棄していたことが発覚した。[36][37][38]
2023年(令和5年)6月25日、最高裁は調査報告書を公表した。報告書では長崎家裁佐世保支部の担当者は当事件を「特別保存」にすべきと考えていたが、相談を受けた長崎家裁本庁の管理職職員は「全国的に社会の耳目を集めた事件ではなく、地域限定的な事件という印象」と判断し、特別保存にする必要がないとして家庭裁判所所長に報告をせず、そのまま廃棄された[39][40]。
記録の廃棄について相談を受けた管理職は、本件を報道で知っており、番号27の事案よりは社会の耳目を集めたという認識であったが、地域限定的な事件との印象を受けており、全国的に社会の耳目を集めた 事件ではなく、2項特別保存の要件に該当せず、特別保存に付す必要もないと考えた。複数の職員が当該記録の存在を認識していたが、所長に相談等されることはなく、廃棄に至っている。
裁判所の記録の保存・廃棄 の在り方に関する調査報告書(本体)より
※番号27の事案とは長崎男児誘拐殺人事件のこと
脚注
書籍
web
出典
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