交響曲第1番 (シューベルト)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/02 14:07 UTC 版)
楽器編成
フルート1、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニ、弦5部
楽曲構成
音楽・音声外部リンク | |
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楽章毎に試聴する | |
第1楽章 Adagio - Allegro vivace | |
第2楽章 Andante | |
第3楽章 Menuetto. Allegro | |
第4楽章 Allegro vivace チェ・スヨル指揮コリアン・シンフォニー・オーケストラによる演奏。マチネー・コンサート(韓国・城南文化財団)公式YouTube。 |
全4楽章より成る。
- 第1楽章 Adagio - Allegro vivace
- ニ長調、2分の2拍子。アダージョの序奏から始まるが、これは分散和音の音形を主としている。またソステヌートの部分では、半音階的進行が見られる。音階進行主体の第1主題、分散和音主体の第2主題が提示される。再現部では序奏が音価を2倍に引き伸ばした形で再現され、そのまま第1主題へと続く。この書法は、後に交響曲第8番の同じく第1楽章でも取り入れられている。
- 第2楽章 Andante
- ト長調、8分の6拍子。ハイドンを手本にとっており、 A-B-A-B-Aの形式である。しかし転調や楽器法はシューベルト的である。この楽章のみトランペットとティンパニは使われない。ヴァイオリンによる穏やかな主題で始められ、この主題はのちにフルートを主体にして繰り返される。
- 第3楽章 Menuetto. Allegro
- ニ長調、4分の3拍子。ハイドンやモーツァルト風であるが、ベートーヴェンのスケルツォ的な性格に近い。自筆稿には初めAllegro vivaceと書かれ、この上に上記の指定が上書きされている。レントラー風のトリオ(ニ長調)はシューベルト独自の作風である。
- 第4楽章 Allegro vivace
- ニ長調、4分の4拍子。ソナタ形式。ロッシーニに典型を見るイタリア様式とウィーン風な旋律がこの楽章を作り上げていく。第1ヴァイオリンによる第1主題とヴァイオリンとファゴットによる第2主題は動機的には密接な関係であり、小結尾ではこの関係が利用されている。
注釈
- ^ 第1楽章の繰り返しも含む。
- ^ なお1873年のウィーンで行われた万国博覧会において本作の初演の計画が持ち上がっており、ブラームスに指揮の依頼が来たが、大規模な演奏会に向ける作品が無いことなどを理由にその依頼と出演を断ったため、初演は7年後となった。
出典
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