上立神岩 名称

上立神岩

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/07 13:59 UTC 版)

名称

1930年(昭和5年)発行の『兵庫県史蹟名勝天然紀念物調査報告』や江戸時代の地誌『淡路国名所図絵』などでは、上立神としている[9][10][11]。上立神岩とその南西約1キロメートルにある下立神岩(しもたてがみいわ)の2つの岩の総称またはそれぞれの岩の別称として立神岩と呼ぶこともある[12][13]。地元では親しみを込めて立神さんとも呼ばれる[14][15]。単に立神とも[14]

読みは「かみたてがみいわ」のほか、「かみたてかみいわ」[6]「かみだてかみいわ」[4][3]「うえたてがみいわ」[16]とも。英語ではKamitategami rock[17]、Kamitategami-iwa Rock[18]、Kamitate Kami Iwa stone[19]などとも表記される。

位置

沼島は淡路島の南約4.5キロメートルにある、周囲約10キロメートルの離島であり、紀伊水道の北西部に位置し、瀬戸内海国立公園に属している[4][14]。沼島の南部から東部にかけての海岸は太平洋の波風をまともに受けるため、平バエ(平碆岩)やあみだバエ(阿弥陀波培)など、地元でバエ(碆、波培)と呼ばれる岩礁が多く見られ、上立神岩もその中の1つである[20][12][21]。上立神岩は沼島東南岸の沖にあり、上立神岩展望場や沼島散策周遊道路などから見ることができる[12][22][23]

形状

縦に長い円錐の形状をしており、しばしば矛先にたとえられる[9][1][24]。頂部は天を向いて細く尖っている一方で、海面付近の幅は約7メートルに達する[11][25]。海面からの高さは、約30メートルとされるが[4][14]、2009年(平成21年)3月発行の『広報南あわじ』では30メートル超とされており、また『淡路国名所図絵』では18間(およそ32.8メートル)程度となっている[13][11]。ただし『兵庫県史蹟名勝天然紀念物調査報告』や神戸新聞出版センター編『兵庫県大百科事典 上』では15メートルとなっている[9][2]

もともとは下立神岩のほうが上立神岩より高かったが、下立神岩は1854年(安政元年)の大地震および1934年(昭和9年)の室戸台風により上半分が崩落したため、高さが13メートルとなった[26][12][27][28]。岩の北西側中央部にはハート型のくぼみがあり、そのくぼみを見つけることができた人には恋愛成就や夫婦円満のご利益があるといわれている[1][29]


  1. ^ a b c d 沼島 上立神岩”. 西日本旅客鉄道. 2022年4月15日閲覧。
  2. ^ a b ひょうご伝説紀行 ー 神と仏 ー”. 兵庫県立歴史博物館. 2022年4月15日閲覧。
  3. ^ a b c “神話とハモの島”. 大阪歯科保険医新聞. (2014年8月15日). http://osk-hok.org/hokenishinbun/pdf/140815_1178/140815_1178_04.pdf 2022年4月15日閲覧。 
  4. ^ a b c d 国生みのふるさと 淡路島へ - 沼島 国生み伝説の聖地”. 服部プロセス 神戸っ子出版事業部 (2019年3月). 2022年4月15日閲覧。
  5. ^ a b 青木 2007, p. 64.
  6. ^ a b c d e f 上立神岩と裏海岸”. 兵庫県. 2022年4月15日閲覧。
  7. ^ a b c d 上立神岩”. 淡路島観光協会. 2022年4月15日閲覧。
  8. ^ a b 日本地質学会構造地質部会 2012, p. 107.
  9. ^ a b c d 兵庫県史蹟名勝天然紀念物調査報告, p. 71.
  10. ^ 沼島”. 兵庫県教育委員会. 2022年4月15日閲覧。
  11. ^ a b c d 淡路国名所図絵.
  12. ^ a b c d e f 国生み神話の島 淡路島 沼島”. 沼島観光案内所. 2022年4月15日閲覧。
  13. ^ a b 広報南あわじ 2009年3月1日号, p. 24.
  14. ^ a b c d 「地域と創る持続可能な離島観光モデルづくり・離島単独航路の維持活性化調査」報告書”. 国土交通省神戸運輸監理部 (2009年3月). 2022年4月15日閲覧。
  15. ^ 瀬戸マーレ 2009.
  16. ^ 日本地質学会構造地質部会 2012, p. 106.
  17. ^ 南あわじ市 ぐるり観光マップ”. 南あわじ市商工観光課. 2022年4月15日閲覧。
  18. ^ Japan's beginnings AWAJI ISLAND - Japan Heritage”. 淡路島日本遺産. 2022年4月15日閲覧。
  19. ^ 島rip (トリップ)”. 南あわじ市商工観光課 (2019年3月). 2022年4月15日閲覧。
  20. ^ 沼島”. 淡路島観光協会. 2022年4月15日閲覧。
  21. ^ 淡路島、日本発祥の神話「オノコロ島伝説」を紐解く旅/兵庫県”. せとうちDMO (2022年3月10日). 2022年4月15日閲覧。
  22. ^ 214 沼島東岸”. 兵庫県. 2022年4月15日閲覧。
  23. ^ @hyogoview150 (2018年6月19日). "沼島散策周遊道路から見る上立神岩". X(旧Twitter)より2022年4月17日閲覧
  24. ^ a b “自然のマジック 訪ねたいフォトジェニックな奇岩10選”. 日本経済新聞. (2019年3月16日). https://style.nikkei.com/article/DGXMZO42404570T10C19A3W03000?page=2 2022年4月15日閲覧。 
  25. ^ a b 巨石めぐり 2011, p. 103.
  26. ^ “もっと知りたい! 兵庫の神様・神社のこと。”. 神戸新聞NEXT. (2010年1月). http://www8.kobe-np.co.jp/okusama-pdf/okusama_2010_01.pdf 2022年4月15日閲覧。 
  27. ^ a b 広報南あわじ 2007年5月1日号, p. 24.
  28. ^ 兵庫県史蹟名勝天然紀念物調査報告, p. 74.
  29. ^ a b あなたの声がするふるさと 50年目の約束―”. 兵庫県. 2022年4月15日閲覧。
  30. ^ 前川 2001, p. 5.
  31. ^ 中澤光平 (2019年3月10日). “淡路方言の活用とアクセント単位”. 国立国語研究所. 2022年4月15日閲覧。
  32. ^ “国生み神話ゆかりの島巡り 淡路島・沼島”. 日本経済新聞. (2018年4月6日). https://style.nikkei.com/article/DGXMZO28383910Q8A320C1000000/ 2022年4月15日閲覧。 
  33. ^ 南淡自然八景 福良湾”. 一般財団法人 休暇村協会 (2022年2月1日). 2022年4月15日閲覧。
  34. ^ 兵庫県版レッドデータブック2003”. 兵庫県. 2022年4月15日閲覧。
  35. ^ 兵庫県版レッドリスト2011(地形・地質・自然景観・生態系)”. 兵庫県. 2022年4月15日閲覧。
  36. ^ 広報南あわじ 2009年2月1日号, p. 22.
  37. ^ 沼島のウミウ渡来地(ぬしまのうみうとらいち)”. 南あわじ市. 2022年4月15日閲覧。
  38. ^ 沼島の観光パワースポット情報 沼島 上立神岩”. ピーシーラボ. 2022年4月15日閲覧。
  39. ^ 秋のお出掛け「淡路花祭2016秋」のご紹介”. あわじ浜離宮 (2016年9月22日). 2022年4月15日閲覧。
  40. ^ “淡路島が舞台のゲーム第2弾「はじまりの島 日本創世譚」公開”. 日本放送協会. (2022年4月13日). https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20220413/2020017790.html 2022年4月15日閲覧。 


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