レイン (ビートルズの曲)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/24 10:15 UTC 版)
レコーディング
「レイン」のレコーディングは、EMIレコーディング・スタジオで1966年4月14日から16日にかけて行われた[12][13]。ビートルズは、後に発売されたアルバム『リボルバー』で見られるようなADTの導入やテープ・エフェクトの使用など、レコーディングで実験を行うことに夢中になっていた[14]。バッキング・トラックはテープの回転速度を通常よりも速めB♭で録音され[15]、レノンのボーカルは逆に遅くして録音された。これにより、通常再生するとレノンの声が高く聴こえるようになった[16]。
最後のヴァースでは、レノンのボーカルの一節が逆回転になっており、逆に再生された音源がレコード化された最初の例となった[17]。1980年の『プレイボーイ』誌のインタビューで、レノンは「スタジオから家に帰ってきて、あの時はちょっとマリファナで酔っていたのかな。とにかくいつものようにその日にレコーディングしたテープをプレイバックしようとしていたんだけど、たまたまテープを逆にセットしちゃってて…。翌日スタジオに着いてから「これ使えるかもしれないから聴いてみて」って言って逆再生させたんだ。フェードアウト部分はギターも歌も逆再生になってる。(歌い出す)"Sharethsmnowthsmeanss!"…って感じでね。これはマリファナの神が与えたもうたものだ」[17][18][19]と語っているが、ジョージ・マーティンは「私はいつもテープを扱っていて、ジョンの声で何か特別なことができないものかと考えていた。そこで、私はジョンのリード・ボーカルの一部を4トラックから抜き出して、別のスプーリングに入れて逆回転させてから、うまく合うように調整した。その時外出していたジョンが戻ってきて、たいそう驚いていた」と語っている[15]。
本作での使用楽器は、1965年製のグレッチ・ナッシュビル(レノン)、1964年製のリッケンバッカー・4001(ポール・マッカートニー)、ギブソン・SG(ジョージ・ハリスン)、ラディック・ムッサーのドラムセット(リンゴ・スター)[20][13]。
注釈
- ^ こちらのみカラー映像とモノクロ映像が2種類制作されており、『エド・サリヴァン・ショー』ではカラー映像、イギリスの音楽番組ではモノクロ映像が放送された。
出典
- ^ Willams, Stereo (2017年4月13日). “The Beatles’ ‘Revolver’ Turns 50: A Psychedelic Masterpiece That Rewrote the Rules of Rock”. Daily Beast 2020年8月31日閲覧。
- ^ “The 50 Best Beatles songs” (英語). Time Out London. Time Out Group (2019年5月17日). 2020年9月1日閲覧。
- ^ a b The Beatles 2000, p. 212.
- ^ Reising & LeBlanc 2009, pp. 94, 95.
- ^ ビートルズと60年代 1996, p. 229.
- ^ Miles 1997, p. 280.
- ^ The Beatles 2000, p. 140.
- ^ MacDonald 2005, pp. 196–197.
- ^ Pollack 1993.
- ^ Everett 2009, p. 154.
- ^ Kozinn, Allan (1995). The Beatles. London: Phaidon. p. 143
- ^ Lewisohn 1988, p. 74.
- ^ a b c Fountenot 2008.
- ^ Lewisohn 1988, p. 70.
- ^ a b Emerick & Massey 2006, p. 117.
- ^ Lewisohn 1988, p. 83.
- ^ a b ジョンとヨーコ ラスト・インタビュー 1990.
- ^ Sheff 2000, p. 217.
- ^ Gilliland 1969, show 37, track 4.
- ^ a b c MacDonald 2005, p. 196.
- ^ a b “The Hot 100 Chart”. Billboard (1966年7月9日). 2020年9月1日閲覧。
- ^ Rolling Stone 2004b.
- ^ “The Top 1,043 Classic Rock Songs of All Time: Dirty Dozenth Edition”. Clear Channel Media and Entertainment. 2020年9月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月1日閲覧。
- ^ “Ringo's Greatest Hit”. Rolling Stone. Penske Media Corporation (2010年4月14日). 2020年9月1日閲覧。
- ^ Rolling Stone 2004a.
- ^ Unterberger, Richie. Rain - The Beatles | Song Info - オールミュージック. 2020年9月1日閲覧。
- ^ DeRogatis 2003, p. 43.
- ^ a b c Neaverson 2009.
- ^ BBC 2008.
- ^ The Beatles 2000, p. 214.
- ^ a b c Ritchie 2008.
- ^ Miles 1998.
- ^ "Ultratop.be – The Beatles – Rain" (in French). Ultratop 50. 2020年10月27日閲覧。
- ^ “Rain / She's A Woman - RCA Victor - USA - 47-9757 - José Feliciano”. 45cat. 2020年9月1日閲覧。
- ^ Faithful - Todd Rundgren | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年9月1日閲覧。
- ^ “Polyrock - Changing Hearts (1981, Vinyl)”. Discogs. Zink Media. 2020年9月1日閲覧。
- ^ I Wonder - The Gants | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年9月1日閲覧。
- ^ Dreams - The Allman Brothers Band | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年9月1日閲覧。
- ^ Planer, Lindsay. 712 - Shonen Knife | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年9月1日閲覧。
- レイン (ビートルズの曲)のページへのリンク