ヤナギ 特徴

ヤナギ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/16 21:48 UTC 版)

特徴

樹木の中で最も特色のある属のひとつで、湿潤から乾燥まで、高温から低温まで、幅広い環境条件に適応し、種類が極めて多いのが特色である[1]。主に温帯に生育し、寒帯にもある。高山やツンドラでは、ごく背の低い、地を這うような樹木となる。日本では水辺に生育する種が多いが、山地に生育するものも少なくない。

種類が多いため、形態的な差異も多様である[1]。落葉性の木本であり、高木から低木、ごく背が低く、這うものまである[1]。高木性のものはさらに直立性のものと枝垂れ性のものがあり、灌木性のものは低地性のものと高山性のものに区別される[1]

葉は互生、まれに対生。托葉を持ち、葉柄は短い。葉身は単葉で線形、披針形、卵形など変化が多い。

雌雄異株で、花は尾状花序、いわゆる「ヤナギの猫」と形容される小さい花が集まった穂になるのが特徴で[1]、枯れるときには花序全体がぽろりと落ちる。ただし、外見的には雄花の花序も雌花の花序もさほど変わらない。雄花は雄しべが数本、雌花は雌しべがあるだけで、花弁はない。代わりに小さい苞や腺体というものがあり、これらに綿毛を生じて、穂全体が綿毛に包まれたように見えるものが多い。すべて虫媒花、ただしケショウヤナギ属をヤナギ属に含める場合はこの限りではない。

冬芽は1枚のカバーのような鱗片に包まれ、これがすっぽりと取れたり、片方に割れ目を生じてはずれたりする特徴がある。これは、本来は2枚の鱗片であったものが融合したものと考えられる。果実は蒴果で、種子は小さく柳絮(りゅうじょ)と呼ばれ、綿毛を持っており風に乗って散布される。

中国において4月~5月頃の風物詩となっており、古くから漢詩等に詠まれる柳絮だが、近年では、大気汚染や火災の誘発、アレルゲンになるという理由で、公害の一種として認識されている[2]

日本においては、目立つほど綿毛を形成しない種が多い。しかし、日本においても意図的に移入された大陸品種の柳があり、柳絮を飛ばす様子を見ることができる。特に北海道において移入種のヤナギが多く、柳絮の舞う様が見られる。


  1. ^ a b c d e 辻井達一『日本の樹木』中央公論社〈中公新書〉、1995年4月25日、58頁。ISBN 4-12-101238-0 
  2. ^ 漫天柳絮的春天,请小心过敏”. 2023年4月11日閲覧。
  3. ^ a b ネコヤナギ(猫柳)”. 株式会社宮城環境保全研究所. 2016年3月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年2月29日閲覧。
  4. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList) - Salix(2011年9月4日閲覧)
  5. ^ Weeds of National Significance (WoNS) 南オーストラリア政府
  6. ^ 勝部孝三『桃源詩話』国文社, 1987年11月25日初版, pp.21‐22
  7. ^ An aspirin a day keeps the doctor at bay: The world's first blockbuster drug is a hundred years old this week”. ノーベル財団. 2021年11月19日閲覧。
  8. ^ “Biosynthesis and metabolism of β-d-salicin: A novel molecule that exerts biological function in humans and plants”. Biotechnology Reports 4. (2014). doi:10.1016/j.btre.2014.08.005. PMID 28626665. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5466123/. 
  9. ^ 神社本庁『神社有職故実』1951年7月15日発行全129頁中24頁






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