ボケ (写真) 機材

ボケ (写真)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/08 03:42 UTC 版)

機材

レンズによるボケの違い (ボケ味)

反射式レンズによるリング状のボケ

ボケ表現を用いた場合の背景 (および前景) のボケの風合いは、撮影時の設定が同じであっても、使用されるレンズによって異なってくる。

ぼけた像が具体的にどのようになるかは、(背景にある)被写体の、ピントから外れた場所におけるある点像が、フィルムまたは撮像素子上にどのような広がりをもって写し出されるかによる。平面から平面に移るピントの合った像とは異なり、ボケの像はレンズの設計によって千差万別であり、レンズの個性ともとらえられる。個々のレンズのボケの風合いのことをボケ味と称する(ボケ足と言われることもあるが、これは「味」を「足」と聞き間違えたことによる誤用と思われる。ただし、ボケの深さを足の長さと言う意味合いから捉え、積極的にボケ足と言う言葉を用いることもある)。

点像が、なだらかな広がりをもった像に移らないと、棒状の物体が2本に分かれたり(二線ボケ)、甚だしくは具合の違う複数のボケがゴースト状に重なって写りこむ。このような現象は、ある程度高解像度の映像を、拡大表示しなければ意識的に捉えられることはない。しかし、なんとなく「ガチャガチャとした感じ」になることから、特に芸術写真の場合には、かなり低解像度な状態でプリントした場合でも確実に閲覧者に心理的影響を与える。このようなレンズはボケ味が悪いと表現される。

一般にズームレンズなどでは良いボケ味を得るのが難しく、前述のような現象を嫌って単焦点レンズにこだわる人もいる。また、二線ボケなどの現象が発生していない状態をボケ味がなめらかであると称する。

レンズによっては、背景に同心円状の歪みが生じることがある。主にレンズ焦点距離位置を最短距離側あるいはF値開放で撮影するとこの現象は起き易くなる。この現象は、渦巻き収差(非点収差)と呼ばれる。

特異なボケが得られる例に、反射光学系がある。点像が反射鏡の形状を反映し明確なリング状になるため、リング状のボケが得られる。

デジタルカメラとボケ

光学的理由から、撮影フォーマット(判型)とボケの大きさには相関がある。同じ画角・同じ明るさで撮影しようとしたとき、判型が小さいほど被写界深度が深いため、ボケは小さくなる。

デジタルカメラであってもコンパクトカメラなどレンズ一体型のカメラは、一般にライカ判よりもずっと小さなサイズの撮影素子を採用していることが多く、そのようなカメラで得られるボケは相対的に少なくなる。また、レンズ交換式カメラでは、同一のマウントであっても撮像素子のサイズが異なる場合があり(フルサイズ=ライカ判とAPS-C等)、同じレンズを使用してもレンズのボケの表現は撮影素子の大小により違ってくる。

デジタルカメラではライブビューモニタがあるため、フィルムカメラと異なり撮影したその場でボケの効果を比較的容易に確認でき、よりボケ量を調節した撮影が容易になった(一般に、一眼レフの光学ファインダーではボケ具合はうまく確認しにくく、フィルムコンパクトカメラのファインダーではボケ量の判断は不可能である。)。

特殊機材

滑らかなボケ像のために特殊な設計がされたスムース・トランスファー・フォーカスレンズがある。またボケ像のためにミノルタTC-1等、完全に円形の絞りが採用されたレンズやカメラがある。







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