ペットボトルロケット 安全対策

ペットボトルロケット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/05 12:59 UTC 版)

安全対策

ペットボトルロケットは手軽で軽量ではあるものの、万一人の顔面や眼などに当たれば取り返しのつかないことにもなる可能性がある。また当たらなくても周囲に人がいれば危険を感じさせ大きなストレスを与えるものであるため、人のいない広い広場で打ち上げる必要がある。JAXAが公開している教材においては、炭酸飲料用1.5L入りペットボトルを使用する場合、目安として幅約50m、奥行き約100mを確保するよう記載されている[4]

ロケットの先端はコーン状つまり「とんがり帽子」状にとがった形状を採用する方法も一応ありはするが、万にひとつ、落下時に人の顔面に当たる場合を考慮するならば、ゴムまりのようなまるい形状で柔らかい素材を選択するほうがよい。タカギのペットボトルロケットのセットも、ゴムまりのような薄いゴムの柔らかい素材の部品が同梱されている。

万にひとつ、人に当たる場合を想定して、羽(多くがプラスチック板)の断面はそのまま「むき出し」にするのではなく、ビニールテープなどで覆うことで当たっても人の皮膚が切れないようにしておくほうが良い。

打ち上げはペットボトル内部に高い圧力をかけて行うので、ペットボトルは必ず炭酸飲料のものを使用する緑茶飲料ミネラルウォーターなど非炭酸系飲料のものは構造や厚みが高圧に弱いものが多いので、原則的に使うべきではない。

普通の自転車用空気入れでは破裂するほどの空気圧を与えることは難しいのであまり気にする必要はない。

ただし特殊な空気入れや高圧用の空気入れや電動モータ式エアポンプを使うような人は、ついつい高圧をかけすぎる可能性があるので、簡易式でも良いので圧力計がついてるものを使って圧力を具体的な数値で確認すると良い。インターネット上にどの程度の圧力まで挙げたらペットボトルが破裂した、などという情報が公開されているので、そういう高圧にならないように気をつけるとよい。

発泡入浴剤を中に入れると紹介している本もあり[5] 、この方法でやりすぎるとペットボトルが結構簡単に破裂(わずかな小傷から裂け、破裂)する可能性もあるので、入浴剤の量は、他の人が実際に使って破裂しなかった量のデータも調べて、量を慎重にコントロールするとよい。

航空法がらみ

日本国内の航空法ではペットボトルロケットに関する規定は無い。ペットボトルロケットはいわゆる「飛翔体」と分類される。

飛翔体は、日本の航空法により空港の周辺では打ち上げは禁止されている。そのほか、もしも航空路の直下の土地で高度150mを超えて打ち上げる場合は飛行通報書の提出が必要になる。

それ以外は、もしも高度250mを超える打ち上げをするような極端な場合だけ書類の提出が必要になるが、普通の小・中学生が市販のキットを使って500mlや1.5L程度のペットボトルで普通にロケットを作る場合は到達高度は一般的に数十メートル程度(稀によく飛ぶ例でもせいぜい高度100メートル前後)であり、問題になる高度(250m以上)には全然到達しないので書類を提出する必要は全然ない。

大学の研究者や学生が特殊な工夫をして、仮の話として250メートル以上の高度に到達するような水ロケットを作れたとして、それを打ち上げる場合は、事前に国土交通大臣への届出が必要な場合があるかも知れないと慎重に判断して関係省庁に問い合わせるのが望ましい。


  1. ^ a b NASA,
  2. ^ [1]
  3. ^ 配電部「第13回全社配電技術オリンピック「新技術紹介」」(PDF)『技術開発ニュース』第88号、中部電力、2001年1月、28頁。  - 同工法の紹介記事が掲載されている。
  4. ^ -基本型水ロケット-” (pdf). edu.jaxa.jp. JAXA 宇宙教育センター. pp. 1-5 (2009年). 2023年12月5日閲覧。
  5. ^ 岩藤英司『大人のワクワク実験 アウトドア編』小学館、2011年。 





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ペットボトルロケット」の関連用語

ペットボトルロケットのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ペットボトルロケットのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのペットボトルロケット (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS