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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/18 04:54 UTC 版)

現在の状況

ブリタニカ第15版
左上から
プロペディア1巻(緑)
マイクロペディア12巻(赤)
マクロペディア16巻(黒)
2002年度年鑑1巻(黒)
総合索引2巻(シアン)

印刷版

1985年以降、ブリタニカは4つの部分で構成されている。マイクロペディア、マクロペディア、プロペディアと2巻の総合索引である。記事はマクロペディア、マイクロペディアに存在し、それぞれ12巻、17巻構成である。1巻あたりのページ数は約1,000ページである。2007年度版のマクロペディアには細部まで書かれた699の記事がある。記事の長さは2ページから310ページに渡り、参照文献と寄稿者の名前がある。これとは対照的に2007年度版マイクロペディアでは約65,000もの記事があり、大多数(約97%)は750語以下で書かれている。参照文献も寄稿者の名前も存在しない[26]。マイクロペディアの記事は簡単な調べ物やマクロペディアでより知識を得るための手助けとしての役割を担っている。マクロペディアの記事は、主題に関する権威ある優れた記述であるとともに、他では取り扱っていない情報の収集場所の意味合いもある[12]。最長の記事(310ページ)はアメリカ合衆国に関する記事で元々は別記事だった州の記事が統合された結果である。

マイクロペディアとマクロペディア内にはクロスリファレンスがあり、これを利用して更なる情報を見つけることができるが、平均して1ページに1つの割合でしか存在しない[25]。したがって、読者は代わりにアルファベット順の索引や項目ごとに内容が整理されているプロペディアを調べることを要求される[48]

プロペディアの本質は、全人類の英知を理論的に体系化する「知識の概要( Outline of Knowledge )」である[7]。それゆえ編集者はマイクロペディアに含めるべきかマクロペディアに含めるべきか決定する際にこの概要を参照している[7]。概要はこの他、学習の指針となり、主題を適切な視点から眺めることにも使え、主題についてより深く知りたい者へ一連の記事を案内するもの、としても役立つ[7]。しかし図書館ではめったに利用されず、評論家は無くすべきだと主張している[38]。さらにプロペディアには、人体の解剖学に関するカラーフィルムと、製作者やアドバイザー、寄稿者の一覧がある。

マイクロペディアとマクロペディアには合わせて4000万の単語と24,000枚の画像がある[48]。2巻の総合索引は2,350ページあり、228,274の項目と474,675の小項目が一覧となっている[25]。ほとんどの場合、ブリタニカではアメリカ式のスペルよりもイギリス式のものを使う[25]。例えば color ではなく colourcenter ではなく centre、そして encyclopedia ではなく encyclopaedia を用いる。しかし例外もあり、defensedefence よりも使われている[49]。よくあるつづり違いに関しては "Color: see Colour." といった形でクロスリファレンスが存在する。

1936年以降、改訂は規則的なスケジュールで行われている。ブリタニカの記事は少なくとも10%は毎年改訂されている[4][25]。あるブリタニカのウェブサイトによれば46%がここ3年間で改訂されている[50]。しかし他のブリタニカのウェブサイトでは35%が改訂されたとなっている[51]

マイクロペディアとマクロペディアの掲載順序には厳密なルールが存在する[52]。アルファベット順であるが、ダイアクリティカルマークや英語で使われない文字[注釈 4]は無視され、数字については文字で表記したものを用いる(例:「1812年の戦争」(1812, War of )の場合は Eighteen-twelve, War of となる)。同名の記事は人物、場所、事柄の順に並んでいる。同名の君主については、国名順、年代順で並んでいる。したがって、フランス( France )のシャルル3世( Charles III )はチャールズ1世( Charles I )の前に記載される、チャールズ1世はグレートブリテンとアイルランド( Great Britain and Ireland )の王とされているためである(彼らを記事の並び順に従った表記にすると Charles, France, 3Charles, Great Britain and Ireland, 1 となる)。同様に同姓同名な人物も国やもっと小さな行政単位を元に記載順が決まる。

2012年3月、ブリタニカ社は2010年度版を最後の印刷版とすることを発表した。これは会社が時代に適応するため、および将来的なデジタル版使用に注力するための動きとされた[53]。最盛期の1990年では、印刷された百科事典は120,000セット販売されたが、1996年には40,000セットに落ち込んでいた[54]。2010年度版は12,000セットが印刷され、2012年の時点では8,000セットが販売された[55]。2012年4月の後半にブリタニカのオンラインストアで2010年度版は完売した。

関連印刷物

「ブリタニカ・ジュニア( Britannica Junior )」は1934年に12巻で販売開始した。1947年には15巻に増え、1963年には「ブリタニカ・ジュニア百科事典( Britannica Junior Encyclopædia )」と名称が変更された[56]。1984年を最後に市場から姿を消した。

Children's Britannica

ジョン・アーミテージが編集した「子供のためのブリタニカ( Children's Britannica )」は1960年にロンドンで発刊された[57]。その内容は主にイギリスのイレブンプラス英語版試験を元に決定された[58]。「子供のためのブリタニカ」は1988年に米国市場に導入された、対象年齢は7歳から14歳だった。

1961年、16巻の「小さなお子様のための百科事典( Young Children's Encyclopaedia )」が発刊された。これはちょうど読むことを覚え始めた子供用に作られた[58]

「私の初めてのブリタニカ( My First Britannica )」は6歳から12歳を対象とし、「ブリタニカ・ディスカバリー・ライブラリ( Britannica Discovery Library )」(1974から1991年まで発刊)は3歳から6歳を対象としている[59]

これらはブリタニカを要約したものだった。全1巻の「ブリタニカ・コンサイス百科事典」には28,000の短い記事があり、32巻もあるブリタニカを凝縮したものである[60]。「Compton's by Britannica,」は2007年に初めて出版され、先行する「コンプトン百科事典」を組み入れたものであり、対象年齢は10歳から17歳、26巻11,000ページで構成されている[61]

1938年からブリタニカ社はその前年の出来事について記載された「年鑑」を毎年発行している。またブリタニカ社は専門的な参考資料も作成している、例として「Shakespeare: The Essential Guide to the Life and Works of the Bard」( John Wiley & Sons Inc, 2006年)がある。

光学ディスク版、オンライン版、モバイル版

Britannica Ultimate Reference Suite 2012 DVD は100,000以上の記事[62]が掲載され、通常のブリタニカ、Britannica Student EncyclopædiaBritannica Elementary Encyclopædia から収録されている。さらにこのパッケージには地図、動画、音楽、アニメ、ウェブリンクが含まれている。学習用途または辞書としても使え、メリアム=ウェブスター社提供のシソーラスに関する内容も含まれる。

インターネット上のブリタニカ・オンラインは120,000以上の記事があり定期的に更新されている[63]。日々の情報もあり、ニューヨーク・タイムズBBCのニュース報道と連動している。2009年の時点では、ブリタニカ社の収入のおよそ60%がネット関係によるものであり、そのうち約15%はオンライン版の購読料であった[64]。2006年の時点では購読は年単位、月単位、そして週単位で可能だった[65]。現在では年単位での購入のみ可能である。学校、大学、図書館向けの特別な料金プランが存在する。記事へのアクセスは無料でも行えるがその場合は先頭の数行が表示されるのみとなる。2007年初頭には、自由に外部サイトから記事にリンクできるようにしている[66]

2007年2月20日、ブリタニカ社は、携帯電話向け検索サイトを運営するAskMeNowとモバイル版百科事典を共同で行うことを発表した[67]。ユーザーはテキストメッセージを使って質問を送り、それを受けたAskMeNowがブリタニカのコンサイス百科事典を利用して質問に答える。日々の出来事に関する情報をユーザーの携帯電話に直接届けることも計画されている。

2008年6月3日、ブリタニカ・オンラインのコンテンツに対する学術的な投稿を、専門家とアマチュア両方がネットを通じて容易にできるよう(ウィキの精神)にしていく、と発表された[68][69]。ただし、内容についてはブリタニカのスタッフに監督される。投稿内容が承認されるとその名前はクレジットされるが[70]、その利用権、編集権などは自動的にブリタニカ社に永久的に取り消し不能な形で譲渡されることになる[71]。2009年1月22日、ブリタニカ社社長のジョージ・コーズは、誰もが編集したり追記したりできるようにすると発表した。ブリタニカの編集を望む者は、事前に本名と住所を登録する必要がある[72][73]。ただしユーザーが行った変更は公表された百科事典には影響を与えず、専門家の記事とは別物として扱われる[74][75]。公式の記事には Britannica Checked の印がつけられ、ユーザーが作成したものと区別するようになっている[76]

2010年9月14日、ブリタニカ社は携帯電話用アプリの開発会社Concentric SkyとK-12向けのiPhone製品を共同制作すると発表した[77][78]。2011年7月20日、ブリタニカ社は Britannica Kids Apps シリーズを Intel AppUp用に開発していると発表した[79]


  1. ^ 「第4版、第5版と第6版への追補版。科学史の予備論文が含まれています。」
  2. ^ 第7版から第14版までは総合索引は別巻となっている。
  3. ^ 第9版は当時の著名な人物、例えば電磁気学におけるマクスウェルや熱力学のウィリアム・トムソンなどの記事を目玉にしていた。
  4. ^ 第10版は地図専用のものが1巻存在し、第9版と第10版の累積した索引がある。第10版「新刊は既存の第9版と組み合わせて成り立ちます、しかし第10版も、新しい特色があり、最近の出来事や世界の発展について参考となる独立した図書です。」とある。
  5. ^ 「30巻から32巻の新刊は29巻からなる第11版と組み合わせて、第12版を構成します。」
  6. ^ この追補版は以前の追補版を置き換える。「3巻の新しい追補版は最後の通常版と組み合わされ、 第13版を構成します。」
  7. ^ a b この版から最新の状態を保つよう継続的な(大抵は毎年)改訂が行われるようになった。
  8. ^ 第15版(ブリタニカ3として世に出た) は3つの部分からなる、10巻のマイクロペディア、19巻のマクロペディアにプロペディア1巻が加わる。1985年に再構成され、マイクロペディアは12巻、マクロペディアは17巻となった。
  9. ^ 1985年、2巻の独立した索引が追加された。また、マクロペディア内の記事は統合され、さらに少数かつ大きくなった(例えば、以前は50の独立した記事だったアメリカの各州はアメリカ合衆国の記事に統合された)。中程度の長さの記事は、マイクロペディアに移動するものもあった。 最初のCD-ROM版は1994年に発行された。当時オンライン版はやはり有料であった。1999年にオンライン版が無料化され、改訂された印刷版は登場しなかった。2001年に無料化の試みは終了し、新しい印刷版が発行された。

注釈

  1. ^ 通常、百科事典は新しい版が出ると売り上げを伸ばし、内容が時代遅れになるとともに売り上げが落ちる。新版の作業が開始されるころというものは、旧版の売上が落ちるころであり、編纂、執筆依頼といった必要な経費が最も多いときである。かつての社長エルカン・ハリソン・パウエルは、安定しない収入を百科事典編纂の不安要素と認識し、継続的な改訂で乗り切ろうとした。なお、この記事では一部を除き、大元の百科事典について説明していく。
  2. ^ クロース版175円、総革版280円など。
  3. ^ ブリタニカ百科事典編集委員の1949年の創設時からのメンバー。1974年からは委員長を務め、1965年から第15版の編集企画の責任者。
  4. ^ 「いわゆるアルファベット」以外の文字、英語で使われないアルファベットについてはアルファベットおよびラテン文字を参照。

出典

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  108. ^ ロバート・カーの Memoirs of William Smellie の中でスメリは10,000だと語っている。アーチボルド・コンスタブルは5,000部から始まって最終的には13,000部だったと語っている。これらの情報はブリタニカ第14版の第8巻 Encyclopedia 記事の374ページに記載されている。
  109. ^ ブリタニカ第9版第8巻 Encyclopedia 記事中に言及あり。
  110. ^ ブリタニカ第14版の第8巻 Encyclopedia 記事の376ページには、ブリタニカ社は10,000部売り、加えてScribner's Sonsが45,000部の公認されたアメリカ版を販売した。そして「何十万部もの台無しにされた贋物の第9版が売られた…」、多くの情報源では非公認版は500,000部とする、とある。





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