フアン・ポンセ・デ・レオン 新世界への到達

フアン・ポンセ・デ・レオン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/06 10:19 UTC 版)

新世界への到達

ポンセ・デ・レオンは、タークス・カイコス諸島グランドターク島コックバーンタウンがある場所へ最初に上陸し、そののちすぐにイスパニョーラ島へ住み着いたと考えられている。彼はタイノ族によるイスパニョーラ島東部の征服を援助し、報酬としてそこで形成されたイグエイという地域で長官の地位を与えられた。ここに留まっている間、彼はボリンケン(現プエルトリコ)にある富裕な財産の話を聞きつけ、そこへ行く許可を得た。

1508年、ポンセ・デ・レオンは、サン・フアン港の近隣カパラに最初の入植地を築いた。スペイン人を神と信じるタイノ族の酋長(カシク)、アゲイバナ(Agüeybaná)は、ポンセ・デ・レオンを心から歓迎した。ポンセ・デ・レオンはすぐに島の統制を敷くことが可能となり、結果的に1509年、彼はプエルトリコの統治者に指名された。ポンセ・デ・レオンと他のコンキスタドール達は、要塞の建設や鉱山でタイノ族を働かせたが、免疫を持っていなかったためにスペイン人達が持ち込んだ病に侵され、大多数のタイノ族が亡くなった。しかし、ポンセ・デ・レオンは、統治期間中に裕福になっていた。彼はレオノールという名のスペイン人女性と結婚し、2人の娘と1人の息子をもうけている。

プエルトリコ統治権の剥奪

1506年、大陸の発見以来生涯を通じて軍の司令官に地位に就いていたクリストファー・コロンブスの死後、スペインの権威は彼の息子ディエゴ・コロンブスに、父親と同等の特権を与えることを拒んだ。その当時のスペイン君主は、プエルトリコを植民地化し、統治する人物にポンセ・デ・レオンを選任した。その間、ディエゴ・コロンブスはマドリードにある裁判所で特権に関する主張が認められていた。ポンセ・デ・レオンは1511年に、プエルトリコ統治の公職から退いている。その名に傷がつき、ディエゴが職を継ぐことを望んでいなかったポンセ・デ・レオンは、その後キューバの北部を探索できる権利を獲得した。

若返りの泉

一般の伝承によれば、ポンセ・デ・レオンは若返りの泉を探している間に、フロリダを発見したのだという。若さを取り戻すとされるその泉の物語は、大西洋を隔てたアメリカヨーロッパの大陸においてもポンセ・デ・レオン以前から存在していたが、彼と泉を探す物語が結びつけて考えられたのは、彼が逝去した後のことだった。1535年の作品「Historia General y Natural de las Indias(インディアス全史)」でゴンサロ・フェルナンデス・デ・オビエドは、ポンセ・デ・レオンが自身の精力減退を治癒するために、泉を探したのだと書いている。同様の記述が、フランシスコ・ロペス・デ・ゴマラが著した方の「インディアス全史」にある。また1575年、少年の頃に乗っていた船が座礁し、インディアンの捕虜として、17年間フロリダで過ごした経験を持つエルナンド・デ・エスカランテ・フォンタネダは、memoir(回想録)を出版した。この中でフォンタネダは泉がフロリダにあると書き、そこでレオンがその水を探したと書いた。フォンタネダは自身が書いたこの回想録の内容にやや懐疑的であったが、この記述は後にスペインの歴史家アントニオ・デ・エレラ・イ・トルデシージャスが、新世界におけるスペインの歴史について記した、作品「Historia general de los hechos de los Castellanos en las islas y tierra firme del Mar Oceano」にも含まれている。








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