ハリー・ポッターシリーズの地理 夜の闇横丁(ノクターン横丁)

ハリー・ポッターシリーズの地理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/22 04:21 UTC 版)

夜の闇横丁(ノクターン横丁)

ダイアゴン横丁に隣接する町で、怪しげな店が多い。

ボージン・アンド・バークス
ボージンカラクタカス・バークの二人が創設した店で、輝きの手姿をくらますキャビネット棚の片方など、怪しげな魔法の品が多い。また、売るだけではなく買い取ることもしばしばある。
若き日のトム・マールヴォロ・リドルもホグワーツを卒業した後、一時期この店で働いていて、上得意客のヘプジバ・スミスに、彼女の所有するゴブリンの鍛えた甲冑の買い取りの交渉を行っていた。

ホグズミード村

ユニバーサル・オーランド・リゾートウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッターにおけるホグズミード村

イギリスで唯一、住民が魔法族のみという村。ホグワーツの生徒は3年生になると、保護者から許可証にサインをもらうことで、定められた日にこの村を訪れることが可能になる。6年生以上は姿現しの試験・練習場所としても使用する。

ハリーは、第3巻でダーズリー夫妻から許可証にサインをもらえず、3年生のときは正式に村を訪れることができない。しかし同巻終盤でハリーの後見人であるシリウス・ブラックが許可証にサインし、第4巻以降は正式に行けるようになる。

ホッグズ・ヘッド外観
ハニーデュークス外観
ゾンコ外観
映画シリーズでホグズミード駅として撮影に使用されたゴースランド駅英語版
三本の箒
マダム・ロスメルタが店主を務める、明るく賑やかなパブ。ホグワーツの生徒や教職員もよく出入りしている。名物はバタービール
ホッグズ・ヘッド
「三本の箒」に比べると陰気な印象のパブで、店頭にはイノシシの頭が飾られている。前科者やミイラ男、吸血鬼などが多数出入りしている。バーテンはアルバス・ダンブルドアの弟のアバーフォースである。店内には、アバーフォースの妹アリアナの肖像画が飾られている。第5巻では、ダンブルドア軍団の結成の際に密会場所として用いられる。
ゾンコ
魔法の悪戯道具の専門店。フレッドとジョージはウィーズリー・ウィザード・ウィーズへの吸収合併を狙う。
ハニーデュークス
菓子店。マグルも知っている菓子から、百味ビーンズなど魔法界独自の菓子までが揃っている。ホグワーツ城4階の「隻眼の魔女」の像に隠された抜け道が、この店の倉庫に通じている。
マダム・パディフットの店
喫茶店。ピンクを基調とした店で、フリルでところ狭しと飾っている。カップルの溜まり場で、チョウ・チャンが気に入っている場所。
ダービッシュ・アンド・バングズ魔法用具店
魔法の機械などを扱う店。
スクリベンシャフト羽根ペン専門店
ショーウィンドーに、雉羽根のペンがスマートに並べられている。ここでハーマイオニーが新しい羽根ペンを購入する。
グラドラグス魔法ファッション店
魔法の洋服の買える店。金と銀の星が点滅する靴下や、あまり臭くなると大声で叫ぶ靴下もある。ロンドン店、パリ店も存在する。
ホグズミード郵便局
二百羽ほどのふくろうが、みな棚にとまっている。郵便の配達速度によって、ふくろうが色分けしてある。
ホグズミード駅
ホグワーツ特急の発着場。
叫びの屋敷
人の気配がまったくないのに、満月の晩に不気味な叫び声が聞こえてくるという古びた屋敷。ホグワーツ城の「暴れ柳」の地下から通じている。
じつは、狼人間であるリーマス・ルーピンの入学に際して、変身したときにほかの生徒に危害を加えないよう用意された隔離施設。暴れ柳も、叫びの屋敷との行き来を防ぐために、彼の入学と同時に植えられたものである。
第3巻の終盤で、シリウス・ブラックが引き起こしたと言われている事件の真相が明かされる場所である。第7巻終盤でのホグワーツ最終決戦ではヴォルデモートが滞在し、セブルス・スネイプが最期を遂げる場所でもある(映画版ではボートハウスに変更されている)。

イギリス魔法省本庁

映画『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』で魔法省の外来者用入口である電話ボックスの付近として撮影に使用されたロンドンウェストミンスターのスコットランド・プレイス
映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』で魔法省への入口となる公衆トイレ付近として撮影に使用されたロンドン・ウェストミンスターのホース・ガーズ・アベニュー英語版

ロンドンの地下に存在する機関「魔法省」の本庁。魔法でマグル(非魔法族)が侵入することは絶対にないようにしている。略称は「M.O.M」。作中ではイギリスのみならず、それぞれの国・地域[注 7]の魔法政府機関があるとされている。英国魔法省は魔法使い評議会(The Wizards' Council)を前身とする公的機関で、司法外交・運輸などマグルの官公庁同様の仕事のほか、魔法族および魔法生物の存在をマグルから秘匿すること、闇魔術から魔法界の秩序と安全を守ることを目的としている。

現実におけるイギリス首相官邸内部

イギリス魔法界の最高権力者は魔法大臣で、マグルの首相[注 8]と同格である。マグルの首相の執務室の肖像画または暖炉を通じ、直接連絡を取ることが可能だが、平時には互いの就任時に挨拶を交わすのみである。議会はなく、裁判所も省の一機関であるなど権力分立はされておらず、恣意的な法令・判決が出ることもある。また賄賂や縁故の横行といった、1990年代には腐敗している様子も描写されている。

本庁は地下ではあるが、魔法によって自在に景色・天候を変えられる窓が存在する。在勤者は、煙突飛行ネットワークで通勤するため、地下8階のアトリウムの壁際に暖炉が多数設置されている。第7巻では煙突飛行ネットワークが高官のみに制限され、一般職員は公衆トイレの個室で自分自身を流すことでアトリウムに着くようになった。外来者用の入口は赤い電話ボックスになっており、6・2・4・4・2のダイヤルを通すと釣り銭口から出てくる銀色のバッジを付けると、ボックスの床部分から抜け落ちて魔法省のアトリウムに着く。異なる部署同士の連絡には昔はふくろうを使っていたが、建物が糞だらけになるため、魔法のかかった連絡用紙飛行機を使っている。

魔法大臣室
魔法大臣および補佐官が出入りしている。
魔法法執行部
魔法法の執行を担当する。
魔法警察部隊 / 魔法警察パトロール
いわゆる「警察[注 9]に相当。通常の犯罪者の調査・逮捕が主要な任務。凶悪犯には特殊部隊が対応する。
闇祓い本部 / 闇祓い局
闇の魔法使いの捜査・逮捕、および公的施設や重要人物(マグルの要人を含む)の護衛を主とする対テロ組織。本部での厳しい適性検査、採用後3年の訓練課程を経て、闇祓いとなる資格が得られる。在学中には闇の魔術に対する防衛術の他に変身術、呪文学、魔法薬学の成績が重視される。きわめて優秀な人材しか採用されず、合格者が出ない年もある。これらの厳しい採用基準から狭き門と言われる。階級のようなものも存在している。闇の魔法使いとの戦闘機会が多いゆえに職務中の殉職、後遺症の残る重傷を負う者も少なくないが、総じて戦闘能力は高く、騎士団と同様、死喰い人に警戒されている。
ヴォルデモートが台頭した1970年代には、当時の魔法法執行部部長バーテミウス・クラウチ・シニアによって、闇の魔法使いに対し「許されざる呪い」使用も許可され、犯人殺傷の権限が追加された。この当時は死喰い人と戦うことが主任務であったが、ヴォルデモートが復活したあとはコーネリウス・ファッジが復活を信じなかったために死喰い人との戦闘機会はほとんどなく、スクリムジョールの死亡によって魔法省が掌握された後は、ハリーの保護にも関与できなくなる。そのため、ヴォルデモートの手に落ちた魔法省の命令に従う者とアルバス・ダンブルドアの呼びかけにこたえ、不死鳥の騎士団として協力する者に二分される。
魔法不適正使用取締局
不適正な魔法の使用を取り締まる。第2巻でハリーはこの局から公式警告状を受け取る。
マグル製品不正使用取締局
魔法のかかったマグル製品を取り締まる。局員は2人だけだが、第6巻で局長が昇進し、その後この局がどうなるかは描かれていない。魔法界とは関連性が薄い部署であることから、立場は低く、給料も高くないようである。
偽の防衛呪文ならびに保護器具の発見ならびに没収局
ヴォルデモート死喰い人への恐怖につけ込んで売られている怪しげな物品の没収、および売人の逮捕を行なう。スクリムジョールが1996年7月に新設。局員を11人ほど抱える。
ウィゼンガモット最高裁事務局
魔法界の裁判所の事務全般を管轄。
魔法事故惨事部
魔法界・マグルの世界にまたがる事故を管轄する。
忘却術士本部
マグルに、都合の悪い情報を忘れさせる。
魔法事故リセット部隊/魔法事故巻き戻し局
魔法事故の現状を復帰し、関係者の記憶を消去する。
誤報室 / 誤報局
魔法界の事故が顕著すぎる場合、マグルの首相に連絡を取ってマグルに対して納得のいく説明を作り上げる。著名な例では、ネス湖ケルピーネッシー)が捏造であるとして、マグルの世論を納得させた。
魔法生物規制管理部
魔法生物の管理・保護を管轄。学術的な調査研究も行なっており、危険度・稀少度別に生物を5段階に分類している。一部の魔法生物(クラップフウーパーニーズル)の飼育には、規制管理部の認可が必要である。
国際魔法協力部
英国国外の魔法界との国際親善・外交を管轄。
神秘部
時・死後の世界・愛などの研究、逆転時計と予言の管理を行なう。魔法省職員でさえ、この部署が何をやっているか詳細を知らない。内部には死のアーチ、予言の間(予言の保管)、時の間(逆転時計の保管)、脳みその水槽がある間、開かずの間(アルバス・ダンブルドアによると、この部屋には「愛」が入っている)などがある。
魔法ビル管理部
魔法省のビルの管理を行なう。魔法省のビルの窓の景色を変えるなどの作業も担当する。
魔法試験局
O.W.L試験N.E.W.T試験を実施・監督する。
マグル生まれ登録委員会
1997年夏に新設された委員会。マグル生まれの魔法族に対し、「魔力を盗んだ」として出頭を要請する。該当者はアズカバンに収監されるが、逃亡者は殺害される。

注釈

  1. ^ 裏を返せば謎さえ解ければ他寮の者も立ち入り可能であり、第7巻ではミネルバ・マクゴナガルが謎を解いて寮へ入室する。
  2. ^ ワーナーブラザース スタジオツアーロンドン-メイキング・オブ・ハリー・ポッターにて展示。
  3. ^ 第1巻のハーマイオニーの発言。
  4. ^ 第2巻では「レモン・キャンデー」、第4巻では「ゴキブリゴソゴソ豆板」、第5巻では「フィフィ・フィズビー」、第6巻では「ペロペロ酸飴」や「タフィー エクレア」など。第7巻ではスネイプが「ダンブルドア」を合言葉にするが、ハリーは一発で当てる。
  5. ^ 第1巻におけるドラコ・マルフォイの発言。
  6. ^ 第2巻で一度、ビンズの話を真剣に聞くときがあるが、ハーマイオニーが質問した「秘密の部屋」に関してであり、その話が終わると、もとの状態に戻る。ビンズ教授の授業で生前も死後も含めて挙手し質問するのはハーマイオニーだけである。
  7. ^ トランシルヴァニアチベットなど、現実世界(マグル界)では独立国家・地域として扱われていない地域も、「国」同様の扱いを受けている。
  8. ^ 第6巻冒頭、1996年夏時点の英国首相はジョン・メージャーであり、「前首相」とはマーガレット・サッチャーである。
  9. ^ 魔法族は「警察」の語を用いることができず「慶察」と呼ぶ(第4巻第11章)ため、直訳すれば「魔法法執行(警備)部隊」となる。

出典

  1. ^ "About the Books: transcript of J.K. Rowling's live interview on Scholastic.com," Scholastic.com, 16 October 2000
  2. ^ 8 burning questions we still have about Hogwarts”. Wizarding World. 2020年8月2日閲覧。
  3. ^ ホグワーツ魔法魔術学校”. 魔法ワールド. ワーナー ブラザース ジャパン. 2020年8月2日閲覧。
  4. ^ 河野真太郎 (2019年2月15日). “『ハリー・ポッター』は「ルールなき闘争の時代」の教養小説である”. 現代新書. 講談社. 2020年8月2日閲覧。
  5. ^ Writing by J.K.Rowling "Pure-Blood" -Wizarding World https://www.wizardingworld.com/writing-by-jk-rowling/pure-blood]
  6. ^ YOU’RE A Hufflepuff”. Wizarding World. 2021年2月6日閲覧。
  7. ^ 7 ways Hufflepuff are way better than you realise”. Wizarding World (2016年1月28日). 2021年2月6日閲覧。
  8. ^ J.K.ローリング・ライブ・チャット - ポッターマニア
  9. ^ J.K. ROWLING ARCHIVE "The Hogwarts Express" - Wizarding World
  10. ^ 『ポッターモア』「9と3/4番線」。
  11. ^ AFPBB News 「ホグワーツ特急の窓ガラス割られる 被害額は1000万円超 - 英国」 2007年3月24日掲載。
  12. ^ https://www.pottermore.com/writing-by-jk-rowling/ilvermorny-jp
  13. ^ 【動画】J・K・ローリング、新作「アメリカ合衆国魔法議会 (マクーザ)」を公開!”. ポッターマニア. 2020年12月20日閲覧。
  14. ^ The Magical Congress of the United States of America (MACUSA)”. Wizarding World. 2020年12月20日閲覧。
  15. ^ https://www.pottermore.com/collection-episodic/history-of-magic-in-north-america-jp





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