ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/30 14:49 UTC 版)
あらすじ
夏休み、ダーズリー家に意地悪な親戚のマージョリー・ダーズリー(マージ)がやって来る。ホグワーツ魔法魔術学校から帰省していたハリーは、マージの嫌がらせに耐え切れなくなり、マージに魔法を使ってダーズリー家を飛び出す。その直後、ハリーは暗闇の中に大きな黒い犬を目撃する。
どこにも行くあてのないハリーは、偶然現れた「夜の騎士バス」に乗り込み、ダイアゴン横丁へ向かう。そしてパブ「漏れ鍋」に到着したハリーの前に、魔法大臣コーネリウス・ファッジが姿を現す。未成年の魔法使いは、休暇中の魔法の使用を禁じられているため、退学を覚悟したハリーだったが、ファッジはその件には触れず、新学期が始まるまで「漏れ鍋」に泊まること、外出はダイアゴン横丁のみにすることをハリーに約束させる。
夏休み最終日、ハリーはロンをはじめとしたウィーズリー一家やハーマイオニー・グレンジャーと再会する。その夜、「漏れ鍋」でウィーズリー夫妻の会話を聞いたハリーは、アズカバンを脱獄したシリウス・ブラックが、自分の命を狙っていることを知る。シリウスはヴォルデモートの部下で、ハリーの両親を裏切ってその居場所を主君に教え、ふたりを死に追いやったとされる人物である。
新学期が始まり、「闇の魔術に対する防衛術」教授にリーマス・ルーピン、「魔法生物飼育学」教授にルビウス・ハグリッドが就任する。ハグリッドは誇り高いヒッポグリフのバックビークに触れさせる授業を行なうが、ドラコ・マルフォイがバックビークを侮辱して傷を負わされる。一方、ルーピンの授業は生徒のあいだで人気となる。またハリーは新しく「占い学」を受講するが、授業を担当するシビル・トレローニーに不吉な予言をたびたびされ、辟易する。
クィディッチのシーカーとして3シーズン目を迎えたハリーは、今年度で卒業するキャプテン、オリバー・ウッドのために今年こそ優勝すると誓う。しかし初戦の対ハッフルパフ戦で、ハリーは吸魂鬼(ディメンター)の影響で箒(ほうき)から落ち、愛用していたニンバス2000も壊れる。そこでハリーは吸魂鬼と戦うため、ルーピンから「守護霊の呪文」を教わる。のちに謎の人物からハリーに贈られた最高級のクィディッチ用箒、ファイアボルトの力もあり、グリフィンドールは残る2試合に勝利し、優勝を果たす。
生徒たちは3年生になるとホグズミード村へ行くことが許されるが、保護者にあたるダーズリー夫妻から許可証をもらいそこねたハリーは村へ行けなかった。そこへロンの兄であるフレッドとジョージが現れ、ハリーに「忍びの地図」を贈る。この地図はホグワーツ城の詳細な地図で、村へ通じる秘密の抜け道も記されていた。
「忍びの地図」を利用して村を訪れたハリーは、ロンやハーマイオニーとともにパブ「三本の箒」へ入る。そこで、シリウスと自分の父ジェームズが親友であること、シリウスがハリーの名付け親であること、そしてシリウスが両親を裏切って死に追いやったという話を聞き、怒りを抱く。その後、ふたたび村へ外出したハリーは、セブルス・スネイプに無断外出を疑われて詰問されるが、ルーピンの助けもあって処罰を免れる。しかし「忍びの地図」はルーピンに没収される。
一方、バックビークがドラコを傷つけた一件に関する裁判が行なわれ、バックビークの処刑が決定される。刑執行の直前、ハリー、ロン、ハーマイオニーの3人はひそかにハグリッドの小屋を訪ねるが、そこにはハーマイオニーの飼い猫クルックシャンクスに食べられたと思われていた、ロンの飼いネズミであるスキャバーズがいた。
3人はハグリッドと一緒にいようとするが、ハグリッドはそれを拒み、処刑人たちが来るまえに3人を小屋から出す。3人はスキャバーズを連れて城へ帰ろうとするが、そこに突然黒い犬が現れ、スキャバーズとロンが連れ去られる。ハリーとハーマイオニーはロンを追い、叫びの屋敷に到着するが、そこで黒い犬の正体がシリウスであることを知る。
ハリーたちはシリウスと乱闘になるが、「忍びの地図」を見て3人を追って来たルーピンの登場により中断される。この後、ルーピンやシリウスの話を聞かされたハリーたちは、ハリーの両親の居場所をヴォルデモートに教えた裏切り者はシリウスではなくピーター・ペティグリューであること、そしてスキャバーズはペティグリューが変身した姿であり、シリウスに殺されたことにして今まで生き長らえてきたことを知る。
このあと、ペティグリューを真犯人として魔法省に引き渡そうということになるが、この日が満月だったため、狼人間であったルーピンが狼に変身し、その混乱に乗じてペティグリューは逃亡する。シリウスは犬に変身してルーピンを抑え込もうとするが、今度は無数の吸魂鬼が現れ、襲いかかる。ハリーは「守護霊の呪文」を使うが歯が立たず、倒れる。しかし力尽きる直前、別の方向から動物が現れて一度にたくさんの吸魂鬼を追い払う。ハリーはその動物を迎える人影を見て父だと思うが、直後に気を失ったため真相は分からなくなる。
ハリーとハーマイオニーが目を覚ましたとき、シリウスは監禁され、死刑より酷い「吸魂鬼の接吻」を施される危機にあった。校長のアルバス・ダンブルドアからその事実を聞かされたふたりは、逆転時計を使って時間を遡り、まずバックビークを救出し、そしてシリウスをバックビークに乗せて逃亡させる。その過程でハリーは、シリウスたちに襲いかかった吸魂鬼に守護霊を出して追い払う。ハリーが見た「父親のような人影」とはハリー自身だった。
ペティグリューを逃がしたためシリウスの無実を証明できず、加えてルーピンも狼人間であることをスネイプに暴露されて辞職し、暗い気持ちのハリーだったが、ホグワーツ特急でシリウスからの手紙を受け取り、ファイアボルトを贈ったのはシリウスであることを知る。そしてペットがいなくなったロンには、シリウスから新たなふくろうが贈られる。
- ^ “A Potter timeline for muggles”. Toronto Star. (2004年7月14日). オリジナルの2008年12月20日時点におけるアーカイブ。 2011年3月21日閲覧。
- ^ “About the Book”. The Remembrall. 2013年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月20日閲覧。
- ^ “Barnes & Noble chat transcript”. Accio Quote! (1999年9月8日). 2017年4月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年11月7日閲覧。
- ^ Puig, Claudia (2004年4月27日). “New 'Potter' movie sneaks in spoilers from upcoming books”. USA Today. オリジナルの2004年7月1日時点におけるアーカイブ。 2010年10月17日閲覧。
- ^ Maguire, Gregory (1999年9月5日). “Lord of the Golden Snitch”. The New York Times. オリジナルの2012年11月11日時点におけるアーカイブ。 2010年10月13日閲覧。
- ^ Macpherson, Karen (1999年10月1日). “Rowling has magic touch with 'Prisoner'”. The New York Times. 2013年7月20日閲覧。
- ^ Maughan, Shannon. “Kidsreads.com — Harry Potter — The Prisoner of Azkaban”. KidsReads. 2010年10月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年11月7日閲覧。
- ^ “Harry Potter and the Prisoner of Azkaban review”. Kirkus Reviews (1999年9月15日). 2011年5月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年1月17日閲覧。
- ^ Parravano, Martha V. (1999年11月). “Harry Potter reviews”. The Horn Book Magazine. 2012年5月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月26日閲覧。
- ^ “Children's Review: Harry Potter and the Prisoner of Azkaban by J. K. Rowling”. Publishers Weekly (1999年10月1日). 2016年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月26日閲覧。
- ^ Holden, Anthony (2000年6月25日). “Why Harry Potter doesn't cast a spell over me”. The Observer (UK). オリジナルの2013年8月24日時点におけるアーカイブ。 2011年2月10日閲覧。
- ^ “Booklist Editors' Choice: Books for Youth, 1999 | Booklist Online”. Booklist Online. 2017年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年1月5日閲覧。
- ^ “Bram Stoker Awards 1999”. Horror Writers Association. 2008年1月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月18日閲覧。
- ^ “Awards for the Harry Potter Books”. Bloomsbury. 2013年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年1月5日閲覧。
- ^ “Whitbread Prize 1999”. The Guardian (London). オリジナルの2010年12月29日時点におけるアーカイブ。 2011年3月18日閲覧。
- ^ “2000 Locus Awards”. Locus (2000年7月2日). 2012年10月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月18日閲覧。
- ^ “2000 Hugo Awards”. World Science Fiction Society. 2011年5月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月18日閲覧。
- ^ “Indian Paintbrush Book Awards By Year 1986–2011”. Indian Paintbrush Awards (2004年). 2012年3月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月23日閲覧。
- ^ “Previous Winners | Colorado Blue Spruce Award”. Colorado Blue Spruce Award. Blue Spruce Award Committee. 2011年12月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年1月5日閲覧。
- ^ “ALA Notable Children's Books All Ages”. Scholastic (2007年11月6日). 2011年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月23日閲覧。
- ^ “Best Books for Young Adults”. American Library Association (2000年). 2011年12月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月23日閲覧。
- ^ “New York Times Best Seller Number Ones Listing”. Hawes Publications. 2011年8月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年1月5日閲覧。
- ^ “Awards for the Harry Potter Books”. Bloomsbury. 2013年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月27日閲覧。
- ^ “Bestseller Math”. Houghton Mifflin Harbourt. 2013年5月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年1月5日閲覧。
- ^ “The Big Read”. BBC (2003年4月). 2012年10月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年12月12日閲覧。
- ^ “Longing for the clock to strike 12”. The Telegraph (London). (2003年5月2日). オリジナルの2016年2月29日時点におけるアーカイブ。 2013年7月20日閲覧。
- ^ Rogers, Simon (2012年8月9日). “The top 100 bestselling books of all time: how does Fifty Shades of Grey compare?”. The Guardian (London). オリジナルの2017年4月7日時点におけるアーカイブ。 2013年7月19日閲覧。
- ^ a b c Elisco, Lester. “Publishers Info: The Phenomenon of Harry Potter”. Tomfolio.com. 2009年4月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月10日閲覧。
- ^ Harry Potter and the Prisoner of Azkaban (Book 3) paperback. Amazon.com. (1999). ISBN 0747546290
- ^ “Harry Potter and the Prisoner of Azkaban (Book 3) Paperback”. BargainBookStores.com. 2011年7月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月3日閲覧。
- ^ Rowling, J. K. (2004). Harry Potter and the Prisoner of Azkaban (Book 3): Adult Edition (Paperback). ISBN 0747574499
- ^ “Harry Potter and the Prisoner of Azkaban: Adult Edition”. Bloomsbury.com. 2011年6月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月3日閲覧。
- ^ “Harry Potter and the Prisoner of Azkaban Celebratory edition”. Bloomsbury. 2011年6月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月3日閲覧。
- ^ Rowling, J. K. (2010). Harry Potter and the Prisoner of Azkaban Signature edition. ISBN 978-1408810569
- ^ "Scholastic and Award-Winning Illustrator Kazu Kibuishi Unveil New Cover for Harry Potter and the Deathly Hallows in Celebration of Harry Potter 15th Anniversary" (Press release). Scholastic. 31 July 2013. 2013年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月31日閲覧。
- ^ Desta, Yohana (2013年6月28日). “Book Buzz: 'Harry Potter' gets a cover makeover”. USA Today. オリジナルの2013年7月9日時点におけるアーカイブ。 2013年7月20日閲覧。
固有名詞の分類
映画作品 |
劇場版NARUTO−ナルト−大激突! 幻の地底遺跡だってばよ 黒い拍車 ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 鉄壁突破 青春の旋風 |
プレイステーション2用ソフト |
SSX3 ウィザードリィ エンパイアIII 覇王の系譜 ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 スーパーロボット大戦MX ブラックマトリクス |
ゲームボーイアドバンス用ソフト |
マリオテニスアドバンス ゴエモン 新世代襲名! ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 ブラックマトリクス スーパードンキーコング3 |
ゲームキューブ用ソフト |
激闘プロ野球 水島新司オールスターズVSプロ野球 SSX3 ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 THE BASEBALL 2003 バトルボールパーク宣言 パーフェクトプレープロ野球 RUNE II 〜コルテンの鍵の秘密〜 |
- ハリー・ポッターとアズカバンの囚人のページへのリンク