ニーア オートマタ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/20 05:14 UTC 版)
ストーリー
今作も前作と同様にマルチエンディング方式が採用されており、周回を重ねることで見られる物語が変化する。 エンディングはAからZまでの全26種類が存在し、AからEが周回ごとの正規エンディング[注釈 3]、FからZは特定の行動を行うと発生するバッドエンディングとなっている。
ここでは『NieR:Automata Strategy Guide ニーア オートマタ 攻略設定資料集 ≪第243次降下作戦指令書≫』での表記に準拠し、1周目と2周目をそれぞれAルート、Bルート、3周目以降をC/Dルートと呼称する。
プロローグ
- 西暦5012年。突如として地球にエイリアンが襲来し、侵略を開始。人類はエイリアンと彼らが繰り出す兵器「機械生命体」の手によって地上を追われ、月への退避を余儀なくされる。
- 生き延びた人類は奪われた地球を取り戻す為、アンドロイド兵士による抵抗軍を結成。衛星軌道上に設置した基地群から反抗を開始するが、十数回に渡る大規模降下作戦を経てもなお決定的打撃を与えることができず、戦況は数千年に渡り膠着していた。
- この状況を打破するため、人類は決戦兵器として新型アンドロイド兵士「ヨルハ機体」を開発。それらから成る「YoRHa(ヨルハ)部隊」が編成され、戦線へと投入されることとなる。
Aルート
- 西暦11945年。ヨルハ部隊の隊員「2B」と「9S」は、第243次降下作戦を経て共同で地上の情報収集任務にあたることとなり、その中でこれまでの機械生命体とは全く異なる、アンドロイドに酷似した人型の機械生命体や、「美」の意識を持ち自身を飾ろうとする狂った機械生命体「ボーヴォワール」、そして戦う意思を持たない平和主義の機械生命体「パスカル」などと出会う。
- 人型の機械生命体は後に自ら「アダム」と「イヴ」と名乗るようになり、アダムは自身がもつ人間への強い興味と「死」の概念を理解したいという思いを満たすため、9Sを人質にとって2Bに戦いを挑む。2Bは一騎打ちの末にアダムを撃破して9Sを奪還し、アダムは機械生命体が味わうはずのない「死」を体感して満足げに事切れる。一方弟のイヴは兄を失ったことにより激しい怒りと悲しみを覚え、暴走を始める。
- 2Bと9Sは死闘の末に暴走するイヴの撃破に成功するが、その際に9Sがデータ汚染を受けてしまう。バックアップを取らずに死ねば現在の記憶は失われてしまうが、汚染されたデータをバンカーにアップロードするわけにもいかず、記憶を失うことを覚悟の上で9Sは2Bに介錯を頼む。9Sをその手にかけた2Bが悲嘆に暮れていると、突如機能を停止していたはずの機械生命体たちの残骸が共鳴を始める。動き出した機械生命体へ刃を向ける2Bだったが、その機体は9Sの声で彼女を制止した。彼のパーソナルデータはハッキングを行った際に機械生命体のネットワーク上に残っており、そこで自我も再形成されていたのだ。
- Aエンディング
- 戦いが終わり、安堵の表情を浮かべる2B。その胸には、「共に意志と感情をもつに至った、自分たちアンドロイドと機械生命体の違いは何なのだろうか?」という小さな疑問が残った。
Bルート
- 9Sの視点で見たAルートの物語となる。
- 自身の特技であるハッキングを駆使して2Bを援護する様子や、離脱していた際にどのような行動をとっていたか。そして「ヨルハ部隊」と「ヨルハ計画」の真実へと近づいてしまう様子が描かれる。
- Bエンディング
- イヴ撃破後、無事に記憶を保持したまま復活を遂げた9S。2Bと9Sは次なる作戦への準備を進め、新たな戦いへと臨む。
C/Dルート
- 機械生命体のネットワークの中心を担っていた「アダム」と「イヴ」を撃破したことにより、機械生命体の指示系統は混乱。ヨルハ部隊はこの機を逃さず、大規模侵攻作戦を開始する。作戦はヨルハ部隊優勢で進んでいたが、敵のEMP攻撃をきっかけにして隊員が次々と論理ウィルスに感染し、データのバックアップを保留していたことで感染を免れていた2Bと9Sに襲いかかる。
- やむを得ず応戦していた2人は、その最中に司令部との通信が途絶えていることに気づく。その原因はジャミングではなく司令部自体にあるとポッドから伝えられた2人は、ブラックボックス反応による自爆を利用してバンカー内へと帰還する。しかし既にバンカーもウィルスに汚染されており、基地内のオペレーター、そして司令官も感染してしまっていた。ここでも襲われることとなった2人は、飛行ユニットによる地上への帰還を余儀なくされる。
- 地球へと脱出したあともヨルハ部隊員の追撃は続き、2Bは身を挺して9Sを逃がすものの、自身はウィルスに感染してしまう。汚染を広めないためにと人気のない廃屋へ向かった2Bは、そこで脱走兵として指名手配されているヨルハ機体「A2」と出会い、A2に自身の記憶と9Sのことを託して介錯を受ける。一方ブラックボックス信号を頼りに2Bを探していた9Sは折り悪く2Bが介錯を受ける瞬間を目の当たりにしてしまい、A2への激しい怒りと殺意を覚える。A2を殺そうとする9Sだったが、地中から突如として謎の「塔」が出現。A2共々崩落に巻き込まれてしまう。
- 数週間後、別々の場所で目覚めたA2と9S。A2は2Bが遺したポッド042と共に機械生命体の殲滅を、9Sは2Bの仇討ちを遂げるべく、それぞれ活動を開始する。
- 9Sは出現した「塔」が機械生命体に関係した施設であるとして調査を進め、「塔」に掛けられているロックを解除するために各地に同時出現した3基の「資源回収ユニット」から「認証キー」を回収すべく行動する。各資源回収ユニット内部では度重なる戦闘と情報の開示が行われ、それらが原因で9Sは肉体、精神共にダメージを負い疲弊していく。
- 全ての認証キーを手に入れた9Sは「塔」のロック解除へと向かい、駆けつけてくれた「デボル」と「ポポル」の決死の援護もあって「塔」内部へと侵入する。遅れてA2も「塔」へ侵入し、二人はそこで「赤い少女」に出会い、「塔」の目的、そして「ヨルハ部隊」と「ヨルハ計画」の真実を知る。
- 襲い来る機械生命体を退けながら、「塔」最上部へ向かう2人。辿り着いたそこで、A2と9Sは再び対峙する。
- Cエンディング
- A2は互いが戦うことの無意味さを9Sに説くが、聞き入れられず戦闘になってしまう。戦いに勝利したA2は9Sにハッキングを仕掛け、自身を犠牲にして彼のウィルス除去を行う。そしてポッドに9Sを託すと、「塔」を破壊。「仲間の元へ逝ける」という想いを胸に、崩れ落ちる「塔」と共に消えていった。
- Dエンディング
- 9SはA2を倒して復讐を果たすが、同時に自身も刺し貫かれてしまう。薄れゆく意識の中で2Bへの想いを振り返る9Sの元に、赤い少女とアダムとイヴが現れる。赤い少女はこれから遠い未来に向けて自分たち機械生命体のデータを載せた「方舟」を射出すると語り、アダムは「お前もそれに付いてくるか?」と問う。9Sがその問いに答えると、「塔」は方舟を射出。「塔」は9Sたちもろとも崩れていった。
- Eエンディング
- このエンディングはC・D両方のエンディングを見た後、エンドロール中に現れる特定の選択肢を選ぶ必要がある。
- ヨルハ計画が最終段階に入り、計画に関わる全てのデータが削除されようとする。しかしそれに異を唱えたポッド042が、2B・9S・A2らのパーソナルデータのサルベージを開始。サルベージに成功したそのデータにはそれぞれ、かつてと同じ素体が与えられた。ポッド153は「同一の個体として蘇れば、また同じ結末を招くのではないか」と問うが、ポッド042は「違う未来に至る可能性もある」と答える。こうして2Bたちは同一の個体としての復活を遂げることとなった。
- このエンディングを見ると全てのセーブデータが削除され、次回プレイする際は完全に最初からとなる。
- ^ 最初は完全なオープンワールドではなく、ストーリー進行に合わせて行動できる範囲が広がっていく[11]。
- ^ 前述したファストトラベル機能もこのアクセスポイントを使用して行う。
- ^ 主題歌「Weight of the World」が流れるのはこれらのエンディングのみである。
- ^ パッケージ版封入の「人類防衛新聞」には「ヨルハ部隊ホワイト司令官」と記載されている。また、バンカー崩壊後にジャッカスに話しかけると、彼女が「ホワイト」の名を口にする。
- ^ 『小説 NieR:Automata 長イ話』では、「自分たちを生み出しただけで、導くことはしてくれなかった創造主」に対しての憎悪であると書かれている[25]
- ^ 川渕は2BとA2のモーションアクターも兼任している[27]。
- ^ 『PAX East 2017』にて、ディレクターのヨコオが「欧米版と日本版では、あるキャラクターの名前が著作権に抵触したために異なっている」と述べている[29]。
- ^ ゲーム内アーカイブ「機械生命体研究報告書」では「N2」、エンドロールでは「Terminal α / Terminal β」と書かれている。
- ^ ゲーム内に収録されている個体データ「赤い少女」より。
- ^ 『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』に登場したデボルとポポル。
- ^ 2Bを例に取ると、全高(ヒール含む)168cm に対し、体重は148.8kgとなっている[32]。
- ^ 『NieR:Automata Strategy Guide ニーア オートマタ 攻略設定資料集 ≪第243次降下作戦指令書≫』記載の年表にて「西暦11306年に絶滅」と明言された[34]。
- ^ 「オリジナル・ゲシュタルト」のこと。詳細は『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』の記事を参照。
- ^ EDクレジットでは「Masato Shindo」と表記されている。「進藤雅人」の名前は本作の公式ブログにおける2016年06月27日の記事で確認できるが[58]、同記事がプラチナゲームズの公式ブログに転載された際、「進藤美咲」の名前に訂正されている[59]。
- ^ 2019年2月時点では配信が終了している。
- ニーア オートマタのページへのリンク