ナグパ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 09:38 UTC 版)
社会
ナグパは呪いの影響で富や人間的欲求に対する耐え難き渇望と、決してそれが満たされることがない苦しみに支配されている。彼らは食べることも寝ることも笑うことも、その他人間らしい楽しみを味わうことができない[1]。第4版『モンスターマニュアルⅢ』に登場する“ナグパの腐肉王”という個体は、贅沢なご馳走をいくら食べても不味くしか感ぜず、醜く肥えている[2]。
第5版でのナグパはレイヴン・クイーンによって新しい知識や魔法を学ぶことを禁じられている。唯一、滅びた文明の遺跡からなら学習することができるので、彼らは文明を破壊することに執着する。彼らは他者、とりわけ悪の属性を持つ者を隷属させる魔法を用い、彼らを操って影から陰謀を企てる[3]。
ナグパは砂漠や遺跡などに豪華な棲み家を作り、手下の盗賊や怪物を使って美術品や財宝、書物などを集めて豪華な生活をしようとする。ナグパの収集品への執着はすさまじく、戦闘中であろうとも収集品が破損しようものなら大いに狼狽する[4]。
欲望に忠実な彼らの属性は“混沌にして中立”だが、第4版では“悪”である[1][2]。第5版では“中立にして悪”となった[3]。
また、ナグパは“カリワ”(kariwa)と呼ばれる瞑想をして過去の記憶を思い出す儀式を定期的に行わなくてはならない。カリワの儀式を怠ると徐々に情緒不安定になり、やがて閉所恐怖症、暗闇への恐怖、パラノイアなどの狂気に冒される[5]。
D&D世界でのナグパ
ミスタラでのナグパ
『ドラゴン』157号(1990年5月)に掲載された、ミスタラ世界のデザイナーの1人ブルース・ハワードによる連作コラム『The Voyage of the Princess Ark』において、ダヴァニア大陸の“禿鷹半島”(Vulcanian Peninsula)を故郷とするナグパの一族が記載されている[6]。
コンピュータゲームでのナグパ
D&Dを元にしたアーケードゲーム、『ダンジョンズ&ドラゴンズ シャドーオーバーミスタラ』に邪悪な魔術師シンの側近的な存在としてナグパが登場する。このナグパは最終ステージの前ステージでブラックドラゴンやマンティコアを引き連れて戦いを挑んでくる。
また、D&D以外でも、スターフィッシュが発売した『ウィザードリィ エンパイア』シリーズや後継作といえる『エルミナージュ』シリーズでも敵モンスターとしてナグパが登場する。
- ^ a b c d e ジョン・ネフュー、ジョン・テラ、スキップ・ウィリアムズ、チューワイン・ウッドラフ『Mystara Monstrous Compendium Appendix』TSR (1994)
- ^ a b c マイク・ミアルズ、グレッグ・ブリスランド、ロバート・J・シャワルブ『ダンジョンズ&ドラゴンズ モンスターマニュアルⅢ』ホビージャパン (2010) ISBN 978-4-7986-0144-1
- ^ a b c Wizards RPG Team『Mordenkainen's Tome of Foes』Wizards of the Coast (2018) ISBN 978-0-7869-6624-0
- ^ 「自分のコレクション内のアイテムが初めて破壊された時、このナグパは次の自分のターン終了時まで幻惑状態になる。…」『ダンジョンズ&ドラゴンズ モンスターマニュアルⅢ』ホビージャパン 160頁
- ^ Carl Sargent『Top Ballista』TSR (1989)
- ^ ブルース・ハワード “The Voyage of the Princess Ark”『Dragon』#157(TSR 1990)
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