デミウルゴス グノーシス主義

デミウルゴス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/11 00:53 UTC 版)

グノーシス主義

ヤルダバオート

グノーシス主義では、『旧約聖書』に登場するヤハウェと名乗っているデミウルゴスを、固有名で「ヤルダバオート」と呼んでいた。『旧約聖書』において愚劣な行為を行い、悪しき行いや傲慢を誇示しているのは、「偽の神」「下級神」たるヤルダバオートであるとした。

ヤルダバオートはデミウルゴスであり、また「第一のアルコーン」である。愚劣な下級神はアルコーンと呼ばれるが、ヤルダバオート以外にも多数存在し、それはデミウルゴスが生み出した者で、地上の支配者である。アルコーンはしかし、愚かで傲慢な下級の神であるが、人間にとっては恐るべき存在でもある。

デミウルゴスや諸アルコーンが愚劣な「下級の神」というのは、あくまで完全なるアイオーンプレーローマの至高者に比較しての話である。人間の悲惨さの原因である「肉体」や「心魂」はデミウルゴスの創造したものなれば、人間はこれらの部分ではアルコーンの支配下にある。

人間がデミウルゴスや諸アルコーンに優越するのは、ただその内部にある「」(cf. en:Pneumatic (Gnosticism))においてのみである。そしてこの内なる「霊」こそは「救済」の根拠である。

ポイマンドレース

グノーシス主義の神話では、デミウルゴスが水に映った「至高なる者」(ソピアーの像またはアイオーンの像)を自己の映像と錯覚して人間を創造するということになっている。

これと同じ筋書きの神話が『ヘルメス文書』のなかの『ポイマンドレース英語版』に記されている。これもおそらくプラトンを起源にしていると考えられるが、『ポイマンドレース』が述べている内容は、グノーシス主義の創造神話に他ならない。




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