ジョン・ブラック ジョン・ブラックの概要

ジョン・ブラック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/31 15:05 UTC 版)

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ジョン・ブラックは1895年2月10日にジョン・ジョージ・ブラックとエレン・スミスの子としてキングストン・アポン・テムズで生まれた。ロンドン大学で法学を専攻。第一次世界大戦中は海軍義勇予備隊王立戦車連隊英語版に従軍し、大尉となっている。

戦後、ヒルマンの販売担当部長となる。1921年にウィリアム・ヒルマンの娘のひとりデイジーと結婚。その後すぐに同じくヒルマンの娘と結婚したスペンサー・ウィルクスと共に共同社長を務める。1928年、ヒルマン社がハンバー社に買収されると、ハンバーとコマー英語版社の役員となる。

1929年、ハンバー(およびハンバー傘下のヒルマン、コマー)はルーツ・グループに買収される。ジョンはスタンダード自動車に移り、1933年に社長となる。戦争の気配が濃厚となるとジョンはイギリス政府のシャドウ・ファクトリー構想を熱心に後押しし、軍需品製造契約を獲得し、2工場を運営した。

第二次世界大戦中、ジョン・ブラックは航空エンジン委員会の議長を勤め、1943年にナイトを授与されている。戦争後期、トライアンフを買収し、1953年スタンダード=トライアンフの会長となり、アリック・S・ディックが日常業務を引き継いだ。1953年末、スワロー・ドレッティ英語版のデモンストレーション中に事故に遭う。これが元で経営に支障をきたすようになり1954年1月に経営から手を引く。実際は辞めさせられたのだが、当時は健康の為の引退と発表された。

1954年12月にブラックはエンフィールド・ケーブルの副社長に就任した[1]

引退後は田舎に引っ込み農業を手がけたが、1965年12月24日にチードルのチードル・ホスピタルで突然死去した[1]。70歳であった。ブラックの死の直後、アリックはブラックのことを「やや物議を醸す人格で、外交的でエキサイティング」と回顧している[2]。ブラックの元で導入された車種、トライアンフ・TR2のような車に対してディックは「ボディよりもシャシーの性能が強調されていた。典型的なのは実際レッグルームが非常に少なく、ヘッドルームは大きかったのは、彼の身長は6フィートで脚が短かったからだ。」と率直に述べている[2]

結婚は2度している。最初は、ヒルマン・デイジーと1939年まで、その後アリソン・ジョアン・ペアズ[3]・リントン[4]と結婚し、ヒューゴ(Hugo)、スチュアート(Stuart)、ニコラス(Nicholas)の三男を儲けた[3]


  1. ^ a b “News and views”. Autocar Used Car Test 1966 124 (nbr 3647): Page 31. (7 January 1966). 
  2. ^ a b “The men who mattered”. Autocar: Page 56. (28 October 1971). 
  3. ^ a b Morewood, Steven (2004), “Black, Sir John Paul (1895–1965)”, Oxford Dictionary of National Biography (online ed.), Oxford University Press, http://www.oxforddnb.com/view/article/40622 2011年3月15日閲覧。  (要購読、またはイギリス公立図書館への会員加入)
  4. ^ King 1989, p. 118


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