サラマンダー (映画)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/01 17:25 UTC 版)
製作
監督のロブ・ボウマンは「恐怖に支配されるな」をテーマとして掲げており、サラマンダーは人間の人生を脅かす漠然とした恐怖や計り知れない悪を象徴していると述べている[3]。また、『インデペンデンス・デイ』のようなスケールの大きい特殊効果を描くことよりも人間ドラマに主眼をおいている[3]。
サラマンダーのデザインは、ボウマンが2年を費やして手がけた[4]。胴体はヘビをモデルにしており、翼で滑空することが意識されている[5]。生体はCGで描かれているが、死体はリアリティを追求した実物大の造形物が作られた[6]。
撮影は「撮影後は綺麗に掃除する」「景観を損なわない」という条件で、アイルランド・ウィックロー山地で行われた。しかし、この時期はヨーロッパで口蹄疫が発生していたため、その影響から予定していたシーンの多くが撮影できなかった。廃墟化したロンドンのオープンセットは、ロンドン大空襲や広島原爆の被害の様子を参考にしている[6]。
評価
Rotten Tomatoesには154件のレビューが寄せられ、支持率40%の評価となり「頭を使わずに観れば楽しいB級映画」と批評されている[7]。Metacriticでは30件のレビューに基づき、39/100点の評価となっている[8]。
バラエティ誌のジョー・ライドンは、「珍しくエキサイティングで充実したポスト終末論のポップコーン・フリックで、ロブ・ボウマンは中世ファンタジーとハイテク・ミリタリー・アクション、そしてマッドマックススタイルの厄災を巧みに組み合わせている」と評価した[9]。ニューヨーク・タイムズのエルヴィス・ミッチェルは、「この映画は自らの可能性を最大限に引き出したならば、マイナーなクラシック映画になったかもしれない。しかし、映画が終わるまでの間は、まるでスロットマシンのように楽しめます。運が悪くても、ポケットのお金を失うだけで済みます」と批評している[10]。ロジャー・イーバートは本作を酷評し、四つ星満点中一ツ星を与えている[11]。
受賞・ノミネート
映画賞 | 部門 | 結果 |
---|---|---|
サターン賞 | ファンタジー映画賞 | ノミネート |
シッチェス・カタロニア国際映画祭 | 視覚効果賞 | 受賞 |
最優秀作品賞 | ノミネート |
注釈
出典
- ^ a b “Reign of Fire (2010)” (英語). Box Office Mojo. 2010年10月18日閲覧。
- ^ 宇宙船106 2003, p. 40.
- ^ a b 宇宙船106 2003, p. 41, 「監督ロブ・ボウマンインタビュー」
- ^ 宇宙船106 2003, pp. 41、96.
- ^ 宇宙船106 2003, p. 96, 「サラマンダー怪物デザイン案」.
- ^ a b 宇宙船106 2003, p. 42, 「MAKING of サラマンダー」
- ^ “Reign of Fire”. Rotten Tomatoes. Flixster. 2017年9月30日閲覧。
- ^ “Reign of Fire”. Metacritic. 2017年9月30日閲覧。
- ^ “Reign of Fire”. Variety (2002年7月12日). 2017年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月30日閲覧。
- ^ Mitchell, Elvis (2002年7月12日). “FILM REVIEW; Fire-Breathing Dragons Make It Hot for Humans” (英語). The New York Times. オリジナルの2017年9月28日時点におけるアーカイブ。 2017年9月28日閲覧。
- ^ “Reign Of Fire Movie Review & Film Summary (2002) | Roger Ebert” (英語). www.rogerebert.com (2002年7月12日). 2017年9月30日閲覧。
- ^ Frederick Blichert, 2017, Without ‘Reign of Fire’ CGI Dragons Would Probably Suck, VICE
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