イースVIII ストーリー

イースVIII

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/09 13:15 UTC 版)

ストーリー

本作は、「イースV 砂の都ケフィン」のその後に行われた、21歳になった主人公アドルの冒険日誌の一冊「ゲーテ海案内記」に記されている冒険譚である。

プロローグ
世界中を旅する冒険家アドル・クリスティンは、相棒のドギと共に大型客船ロンバルディア号で船旅を送っていた。しかし、船が謎の巨大な海洋生物に襲われて沈没し、呪われた島と呼ばれる無人島『セイレン島』に漂着してしまう。
そこは、太古に滅びたはずの巨大で狂暴な獣『古代種』が徘徊する危険地帯だった。古代種たちは、いわゆる恐竜の姿をしており、通常の武器では全くダメージを与えることができない圧倒的な力を持つ、このセイレン島の頂点に位置する生物であった。
他の漂着者を見つけて島から脱出するため、アドルは同じく島へ流れ着いていた面々、生真面目で潔癖症な貴族の娘・ラクシャ、がさつな大男の漁師・サハドらと共にパーティーを組んで、当面の生活の場となる『漂流村』を設立し、そこを拠点として島の調査を行うことになる。
序盤
島に漂着して以来、アドルは眠りにつく度に「奇妙な夢」を見るようになる。その内容は、ダーナという名の女性が『エタニア王国』の巫女となり、やがて人々を導いていく……というものだった。
セイレン島に流れ着いた多くの漂流者たちを助けていく中で、仲間たちは力を合わせてそれぞれの特技を活かして、工芸屋・診療所・交易所・工房・農場…などの施設を作っていき、着実に漂流村は発展していく。
しかし、ロムン帝国で「名無しの切り裂き魔」と恐れられていた容疑者がこの島に潜伏しており、村人たちを襲う事件が発生する。やがて、それまで信頼していた医師キルゴールこそが、その犯人であることが判明し、カーラン卿は小舟で海に逃げたところを海生古代種に襲われて行方不明となり、バルバロス船長がキルゴールの凶刃にかかり命を落とす。
悲しみを乗り越えて更なる冒険を続ける中で、物品の輸送を請け負っている運び屋の一族で「銃使い」のヒュンメル、セイレン島で暮らしているという天真爛漫な少女・リコッタをパーティーに加えた一行は、古代種に対抗できるという幻の金属『ヒイロカネ』を使った武器を入手する。
中盤
アドルが見る夢は次第に鮮明になり、やがてアドルとダーナは意識と記憶を共有できるようになり、これがただの夢ではない事を理解する。エタニア王国が将来滅びることを知ったダーナは、『ヒモロギの苗木』を植えて大樹にすることで、行く手を遮られているアドルの道を切り開いていき、王国滅亡の手がかりを探ろうとする。
やがて、島の調査のため中央の山を越えて反対側へと移り、そこでアドルたちが見たものは、悠久の時を経て廃墟となった『王都アイギアス』と、奉られていた大樹の根本で夢と変わらぬ若さのまま眠り続けていた「ダーナ」その人だった。アドルの呼び掛けで目覚めるも、彼女は王国が滅びる頃から今までのことを一切覚えていなかった。
アドルたちはダーナを漂流村に迎え入れるが、それと同時期から古代種の活動が活発になり、漂流村にまで襲いかかってくるようになる。島からの脱出を目指すアドルたちは、エタニア遺跡の調査と並行して船の建造を進めつつ、島からの脱出を遮っている海洋性古代種オケアノスの討伐に成功する。活発化する古代種たちに抵抗しつつ遺跡の調査を行う中で、次第にダーナの記憶が蘇っていく。
終盤
過去において、王都に流星が落下する予知を見たダーナは、女王サライたちと対策を行うが、飛来した無数の流星群は障壁を突き破って王都を半壊させる。さらに流星による衝撃により地殻変動を誘発し、火山の噴火や津波が頻繁に起こり、これまで見たことのない古代種が出現するようになる。そんな中、怪しいローブ姿の不審者が現れて、ダーナに「王家の谷」へ行くよう告げる。
王家の谷に向かったアドル達は、そこでかつてエタニア王国で起こった真実が明らかとなる。「はじまりの大樹」は一定期間ごとに天変地異を起こして、弱い種を淘汰して強い種だけを選別することで「世界の進化」を促すシステムの装置だったのだ。そして、その選別の日は「涙の日(ラクリモサ)」と呼ばれ、エタニア王国が滅びることは必然だという。
その後、はじまりの大樹は不思議な霧に包まれて繭のようになり、より凶暴さを増した「エタニア紀以前の古代種」が現れるようになる。そして、ローブ姿のウーラを始めとする《進化の護り人》たちが霧の中から姿を現し、「古代世界への回帰」によって人間が淘汰されることを告げる。さらに、古代種を単独で倒したアドルは、種が滅んだ後に永久に世界を見届けていく《進化の護り人》に選ばれてしまう。
そして、失われていたダーナの記憶がすべて明らかになる。過去のダーナは孤軍奮闘したものの、エタニア人たちは天変地異により全て死に絶えてしまっていた。護り人となり不老不死となったダーナは、アドルたち人類を救うため、更にはウーラの正体である「女王サライ」ら護り人たちをも救うために、自らの意識を封印することでアドル達のいる未来へと時間移動していたのだ。
ラスト
唯一「はじまりの大樹」のラクリモサに対抗できるという「想念の樹」は、まだ成長しきっていなかったことから、アドル達は想念の樹を育てるべく、過去に滅ぼされた4種族たちの想念を解放していく。
すべての想念を解放して、大樹へと成長した「想念の樹」から力を受け取り、想剣ミストルティンを入手したアドル達は、「はじまりの大樹」の力の根源であるテオス・デ・エンドログラムを打ち倒す。しかし、駆け付けたウーラによると、「ラクリモサによる淘汰を止めることが出来たものの、このままではこの世界自体が消失してしまう」と告げられ、世界が白くフェードアウトしていく……。
エピローグ
アドルが目を覚ますと、そこは漂流村のベッドの上だった。想剣ミストルティンは力を失って普通の剣になっており、アドルの身体からは「護り人の刻印」が消え去っていた。漂流村の仲間たちは島からの脱出の準備をしていたが、仲間たちからは古代種やヒイロカネの記憶、そしてダーナがいた記憶もなくなっていた。
エタニア王国や寺院、「はじまりの大樹」も消え去っており、はじまりの大樹を創造した女神・大地神マイアが現れて、仲間たちの失っていた記憶を元に戻す。これまでに起こったあらゆる事象、すべての種の営みやラクリモサは、眠っていた大地神マイアの「夢そのもの」であると言う。アドル達は世界を亡ぼし、女神マイアによって再構成された世界にいたのだ[11]
マイアは、ダーナを探すための手助けのため「はじまりの深淵」への扉を開き、アドル達はそこで原始生物「はじまりのいのち」に触れることで、概念化していたダーナを認識することが出来るようになる。ダーナは今後、マイアの眷属『進化の女神』として、護り人たちと共にラクリモサを管理することになり、アドル達と別れを告げる。
その後、皆が乗り込んだ船で大海原へと漕ぎ出し、物語は終わりを告げる。

  1. ^ a b Nintendo Switch™版 イースVIII -Lacrimosa of DANA-”. 日本一ソフトウェア. 2018年6月28日閲覧。
  2. ^ 【週間ソフト販売ランキング TOP50】PS4『イース8』が3.3万本で1位(5月22日~28日)”. 電撃オンライン. KADOKAWA (2017年6月1日). 2018年6月28日閲覧。
  3. ^ 週刊ファミ通』2018年2月1・8日合併号、KADOKAWA、2018年、6頁。
  4. ^ 【週間ソフト販売ランキング TOP50】Switch『太鼓の達人』が7.1万本で1位(7月16日~22日)”. 電撃オンライン. KADOKAWA (2018年7月26日). 2019年2月17日閲覧。
  5. ^ 『イース8』公式サイトがオープン。プロローグやキャラクタープロフィールなどが公開 電撃オンライン 2016年1月18日
  6. ^ PC Release Delay Announcement - Steam総合掲示板(2017/09/13 10:25 開発者より投稿)
  7. ^ 日本ファルコム - Twitter 2017年6月23日
  8. ^ PS4版『イースVIII』ダーナの新たな能力“スタイルチェンジ”に関する情報が公開”. ファミ通.com (2017年2月2日). 2022年1月18日閲覧。
  9. ^ “PS Awards 2017”受賞タイトルが発表。PS Storeでは最大77%オフの記念キャンペーンが12月1日から開催”. 電撃オンライン. KADOKAWA (2017年11月30日). 2018年6月28日閲覧。
  10. ^ 「Ys」(イース)シリーズ作品人気ランキングTOP13! 第1位は「イースVIII」に決定!【2022年最新投票結果】 https://nlab.itmedia.co.jp/research/articles/749244/
  11. ^ ダーナは最後の予知によって「世界が夢であること」に気付いており、大地神マイアを目覚めさせることでラクリモサを阻止したのだ。ダーナは自身を身代わりに差し出し、その代償として「自身の存在」を失い、理力と想念の2つの力により「新たな進化の概念」へと昇華し、そのおかげでマイアは世界を再構成することが出来たのだという。





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