ありがとうサービス. 夢スタジアム 建設の経緯

ありがとうサービス. 夢スタジアム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/05 04:40 UTC 版)

建設の経緯

都市再生機構が中心となり、JR予讃線今治駅から南西に約3-4km、西瀬戸自動車道今治ICに近接する丘陵地にて、住宅地や商業施設等を整備する開発事業・今治新都市開発の一環として、今治市がこの第一地区内にスポーツパークを整備することが決まっていた。2011年8月、中村時広愛媛県知事がこの地に、15,000人収容の屋根付きサッカースタジアムを建設し、現在ニンジニアスタジアムを本拠地としているJリーグ愛媛FCの活動拠点として整備することを提案した。

その後、検討が進められたが、(愛媛FCのホームタウンである)松山市など広域の支援体制が整っていないこと、建設費が80億と巨額かつ維持管理費だけで年間約1億円が必要と見込まれ、財政上の問題があること、Jリーグや愛媛FCがホームタウン移転や建設に消極的であることを理由に、2013年5月の今治市議会新都市開発整備特別委員会にて、菅良二市長がこの構想を断念する意向を表明[4]。規模を縮小し、市民向けのスポーツ施設としてサッカー場併設の陸上競技場(3,000人程度収容)、天然芝1面と人工芝1面のサッカー場、人工芝のフットサルコート3面を2018年以降に整備する方針とした[5]

一方、今治市を拠点に活動するFC今治は、2015年に元日本代表監督の岡田武史がオーナーに就任。「2025年にはJ1で常時優勝争いをするチームとなり、ACLで優勝を目指す」クラブメソッドの一環として、2023年には2万人規模の複合型スマートスタジアムを作るという構想を掲げた[6]。岡田は県の関係者から、スタジアム整備に合併特例債などを活用する提案を受けたことも披露している[7]

J3リーグに参入するには、Jリーグクラブライセンス制度の施設基準に基づき「5000人程度収容の天然芝のホームスタジアム」が必要となるため、FC今治は2016年の方針発表会の席上、今治新都市のスポーツパーク(高橋ふれあいの丘)の一角、イオンモール今治新都市建設予定地に隣接する土地[8]に、5,000人程度を収容できるスタジアムの整備を発表した[9]。土地は、FC今治の運営会社である「今治.夢スポーツ」が、今治市から未整備の土地2haの無償貸与を受けた[10]

2016年5月24日、スタジアムの起工式が行われた。「今治.夢スポーツ」の株主である、ありがとうサービスが施主となって総工費3億円で建設。2017年8月に完成した。なお、契約額は非公開ながら、FC今治が20年間有償で賃借するとしている[2]

2017年1月、正式名称を「ありがとうサービス.夢スタジアム」(通称「夢スタ」)とすることが発表された[11]

2017年9月10日、JFL後期第7節・FC今治vsヴェルスパ大分戦でこけら落としとなった。観客数は定員を超える5,241人を記録した[12]


  1. ^ a b c d e f g “FC今治 岡田武史がCMOとしてより現場へ関わることに 5,000人収容の今治スタジアム建設計画発表〜白濱亜嵐氏がデザインしたユニフォームのお披露目〜” (プレスリリース), FC今治, (2016年2月19日), http://www.fcimabari.com/news/2016/000088.html 2016年12月12日閲覧。 
  2. ^ a b c 愛媛新聞 (2016年5月24日). “来夏完成 FC今治、新スタジアム起工式”. http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20160524/news20160524869.html 2016年5月29日閲覧。 
  3. ^ https://www.asahi.com/articles/ASM3D4RCKM3DPFIB00P.html
  4. ^ “今治市、サッカー場構想見送り 維持費年間1億円ネック”. 読売新聞. (2013年5月31日) 
  5. ^ “今治にサッカー場新構想 市民向け・18年度以降整備”. 愛媛新聞. (2014年12月16日). http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20141216/news20141216412.html 2016年3月6日閲覧。 
  6. ^ ビジョン”. FC今治. 2016年3月6日閲覧。
  7. ^ 宇都宮徹壱 (2015年6月8日). “「人生最後の賭け」となる今治での挑戦 岡田武史オーナーインタビュー<後編>”. スポーツナビ. Yahoo! JAPAN. 2016年3月6日閲覧。
  8. ^ a b 宇都宮徹壱 (2016年2月23日). “岡田オーナー、新シーズンは“現場復帰” 興味深いFC今治「方針発表会」の内容”. スポーツナビ. Yahoo! JAPAN. 2016年3月6日閲覧。
  9. ^ “FC今治、市内に5000人収容スタジアム建設へ”. 日刊スポーツ. (2016年2月20日). https://www.nikkansports.com/soccer/news/1606747.html 2016年3月6日閲覧。 
  10. ^ “FC今治、新スタジアム JFL昇格へ市がアシスト 土地を無償貸与 市長「精いっぱい協力」/愛媛”. 毎日新聞. (2015年11月28日). http://mainichi.jp/articles/20151128/ddl/k38/050/397000c 2016年3月6日閲覧。 
  11. ^ “2017年シーズン 新体制発表会を開催しました。” (プレスリリース), FC今治, (2017年1月27日), http://www.fcimabari.com/news/2017/000529.html 2017年1月27日閲覧。 
  12. ^ “大成功に終わった「夢スタ」こけら落とし 今治にのしかかる集客のプレッシャー” (プレスリリース), Sports navi, (2017年9月11日), https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201709100007-spnavi 2017年9月29日閲覧。 
  13. ^ 【会社情報】新スタジアムの名称決定について”. FC今治公式サイト (2023年1月20日). 2023年1月21日閲覧。
  14. ^ 木下淳「【今治】岡田武史氏が夢見た「心の豊かさに包まれた」新スタジアム 完成元年に昇格果たせるか」『日刊スポーツ』、2023年1月29日。2023年1月30日閲覧。


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