残機
残機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/08/26 17:21 UTC 版)
概要
残機はゲームオーバーになるまでに試行できる回数を意味する[1]。ジャンルやタイトルに固有な初期残機が割り当てられ、ミスなどの条件を満たすと残機が 1 減少し、0 になるとゲームオーバーとなる。残機が 1 で固定の場合は残機システムでなく即ゲームオーバー方式である。ロールプレイングゲームやアドベンチャーゲームでは通常[要出典] この方式で、代わりにセーブデータをロードしてやり直すことができる[3][4]。
残機システムはアクションゲームで 一般的である[要出典] 。チェックポイントやパワーアップといった仕組みにより残機の管理はより戦略的な要素へと進化する。残機の存在は、初心者にとってはゲームの仕組みを学ぶための挑戦回数を増やすことになり、上級者にとってはよりリスクの高いプレイに挑戦することを可能にしている(⇒ #役割)。
残機システムは他のシステムと組み合わせて採用される場合が多い。体力と組み合わせた場合、体力が 0 になると残機を 1 失う。これにより段階的なペナルティや回復の機会を表現できる。また 1UP システムともよく組み合わされる。これによりプレイヤーが感じる残機の重みが変化し、ゲームのカジュアルさなどに影響をもたらす(⇒ #システムの組み合わせ)。
役割
段階的なペナルティ
残機システムは段階的なペナルティの役割を持つ。
残機システムを採用する場合、残機ロストはゲームオーバーと別扱いになる[5][6][7]。例えば『スーパーマリオブラザーズ』では残機ロストはチェックポイントへの巻き戻し、ゲームオーバーは最初からやり直しになる。このように別扱いにすることで、偶然のミスかもしれない 1 回の残機ロストには小さいペナルティを、連続したミスによる全残機のロストにはゲームオーバーという大きいペナルティを与えられる。
死の緩和と挑戦の促進
残機システムはキャラクターの死亡が必ずしも即座にゲーム終了を意味しないという状況を作り出す。これにより、プレイヤーは普段なら避けるようなリスクを冒したり、有効な攻略法を見つけるために様々な戦略を試したりすることが可能になる。また、複数の残機があることで、初心者はゲームオーバーになる前にゲームの操作方法や仕組みを学ぶ機会を得られる。
表示形式
残機の表示方法はゲームによって異なる。
ピンボールでは「ボール1」「ボール2」「ボール3」のようにカウントが増えていく形式が多い。
カウントダウン形式
多くのゲームでは、残りの残機が表示される。表示に関する特有のバリエーションとして、表示されている数値に、現在操作している残機が含まれているかどうかが挙げられる。これによって、カウンターが「0」になった瞬間に即ゲームオーバーになるか、あるいはまだ最後の1回のチャンスが残されているかが変わってくる。
残機を失うことで「終わり」を連想しやすい「0」へ徐々に近づいていくため、ゲームオーバーとの近さを直感的に感じやすい。
歴史
残機という概念は、ピンボールにおけるボールの数が限られているという仕組みに由来している 可能性がある[要出典] 。アーケードゲームにおいて、残機( 一般的には3つ[要出典] )は 共通の要素となった[要出典] 。通常、残機は画面上に表示されるが、アーケードゲームにおいては、現在操作しているキャラクター自体も「残機の1つ」としてカウントされる。ピンボールと同様に、プレイヤーの目的は通常、限られた残機の中でできるだけ多くの得点(スコア)を稼ぐことであった[1][8]。タイトーの古典的アーケードゲーム『スペースインベーダー』(1978年)は、コンピューターゲームに複数の残機を導入した最初の作品と一般的に見なされている[9][10]。これらのゲームにおいて残機が重要だったのは、プレイヤーキャラクターの完全な死(ゲームオーバー)を避けたいという心理がプレイヤーにさらなる硬貨の投入を促し、店舗側に最大の利益をもたらしたからである[11]。残機という表現は、1979年のナムコの『ギャラクシアン』において業者向けのカタログの裏面に「残機数」と表現されていたのが最初だとされている[10]。
その後、体力や防御力といった属性(ステータス)の洗練、およびパワーアップアイテムの登場により、プレイヤーキャラクターの残機管理はより戦略的な要素へと進化し、体力の減少が初期のアーケードゲームほど致命的な不利益にはならなくなった[8]。やがて、すでにゲーム機やソフトを購入して遊んでいる家庭用ゲームのプレイヤーにとって、残機やゲームオーバー画面はアーケードゲーム時代の 時代遅れの不要な概念や遺物として見なされるようになっていった[要出典] 。また、これらのシステムはプレイヤーが正当にゲームをプレイする意欲を削ぐ原因にもなった。例えば『DOOM』のようなゲームでは、残機が尽きた状態からチェックポイントで再開するのを避け、残機を維持するためにセーブスカミング(こまめなセーブとロードの繰り返し)に頼るプレイヤーが現れた。さらに、ゲームオーバーになることが原因で、プレイヤーがそのステージに再挑戦するのをやめ、ゲーム自体から離れるケースも多発した。そのため、現代のゲームでは残機という概念自体が完全に廃止されている作品 も多い[要出典] 。その代わりに、キャラクターが死亡した場合は単に最も近いチェックポイントから再開される仕様が 主流となった[要出典] 。他にも、『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』のように安全な状態までプレイを巻き戻せる仕組みや、『バットマン アーカム・アサイラム』のようにクイックタイムイベント(QTE)の成功によって死亡を回避できる仕組みなどが採用されている[11]。
システムの組み合わせ
残機システムは他のシステムと組み合わせて採用される事が多い。
体力
体力と組み合わせた場合、体力が 0 になると残機を 1 失う。これにより更に段階的なペナルティや、回復の機会を表現できる。
1UP
残機システムは1UPとしばしば組み合わせられる。
1UP(追加の残機)は残機を1つ増やすアイテム・システムである[12]。その定義より、1UP があれば残機が必ずある(例:『スーパーマリオブラザーズ』)。逆に残機があっても 1UP がない場合もある(例:『モンスターハンター ポータブル』)。1UP は残機の重みを変えるため、採用するか・どう位置付けるかがプレイフィールに影響する。
位置づけや形式は作品ごとに異なるが、一般的には希少アイテム(出現率が低い or 獲得が高難度)として設定される。稀に「無限1UP」がバグあるいは隠れ仕様として設定される[注 1]。公式の 1UP チートコード・ジョークコードが用意される場合もある(例:『魂斗羅』コナミコマンド[14])。1UP はしばしばプレイヤーへの報酬として機能する[1]。
Pay-to-win なゲームでは 1UP へ課金可能にすることがある。これによりゲームオーバーを現実の金銭で回避できる。あるいは無料の経時 1UP を提供したうえで、即時 1UP を課金として提供する。例は『キャンディークラッシュ』であり、ステージの攻略に失敗すると残機を1つ失うが、すべての残機が尽きても、完全な失敗や最初からのやり直しを意味する従来のゲームオーバーにはならない。その代わり、一定の時間プレイが制限され、数分から数時間の経過とともに残機が自動で回復する。プレイヤーは残機の回復を待つか、オンライン上の友人に残機を融通してもらうなどの代替手段をとるか、あるいは残機を即座に全回復・一定時間無限化するアイテムを購入しすぐにプレイを再開する[要出典] 。このシステムは、他のF2Pゲームにおける「エネルギー」ゲージと似た働きをするが、エネルギーとは異なり、ステージをクリアできた場合には残機が消費されないという特徴がある。
チェックポイント
残機システムはチェックポイントとしばしば組み合わせられる[7]。
この組み合わせにより段階的なペナルティが可能になる。残機ロストでチェックポイントへ、ゲームオーバーでスタート地点へ戻すことで「偶然のミスは進捗を少し戻すだけだが、連続したミスは最初からやり直し」といった段階的なペナルティ設計が可能になる[7]。
一方、この組み合わせではある箇所で詰まって試行錯誤を繰り返すとスタートまで戻されるため、パズル的なリトライとの相性の悪さがしばしば指摘される(参考: パズルゲーム#即時のリセットと再挑戦、リプレイ性)[15][16][17]。
脚注
注釈
出典
- 1 2 3 4 Rouse III, Richard (2010-03-08). Game Design: Theory and Practice, Second Edition. Jones & Bartlett Learning. p. 60. ISBN 978-1449633455 2014年12月19日閲覧。
- ↑ “The Next Generation 1996 Lexicon A to Z: Chance”. Next Generation (Imagine Media) (15): 31. (March 1996).
- ↑ Ernest, Adams (2010-04-07). Fundamentals of Game Design. New Riders. pp. 161, 168. ISBN 978-0132104753 2014年12月19日閲覧。
- ↑ Fullerton, Tracy (2008-02-08). Game Design Workshop: A Playcentric Approach to Creating Innovative Games. CRC Press. pp. 72, 73. ISBN 978-0240809748 2014年12月19日閲覧。
- ↑
もし撃墜されても残機があれば再出撃可能。残機がなくなってもコンティニューは可能 ... アンドルフに負けてコンティニューするとスターウルフ戦からリトライしなくてはならない
西川くん (2026-06-24). “【Switch2新作】『Star Fox』は『スターフォックス64』を丁寧にフルリメイクし、よりドラマティックになった。爽快な戦闘機バトルやマルチでドッグファイトも楽しめる”. ファミ通.com. - ↑
残機がある限りは,パーティ全滅後も復活ができるが,ゼロになると完全にゲームオーバーとなる。
ばしょう (2025-01-21). “残機と中毒率を管理して,ボスを倒す「Dungeon Overdose」,デモ版をSteamで配信。ランダム生成のダンジョンに挑もう”. 4Gamer.net. - 1 2 3
落とし穴に落ちるとミスとなり、残機が1つ減ってステージの最初またはチェックポイントから再開となる。残機がゼロのときにミスをするとゲームオーバー
芹澤 正芳 (2011-04-08). “多彩な棒術アクションが楽しい横スクロールアクションゲーム「EdiFighter」”. 窓の杜. - 1 2 Lecky-Thompson, Guy W. (2008-01-01). “life”. Video Game Design Revealed. Cengage Learning. p. 49. ISBN 978-1584506072 2014年12月19日閲覧。
- ↑ Records, Guinness World (6 November 2014). Guinness World Records Gamer's Edition 2015 Ebook. Guinness World Records. p. 68. ISBN 978-1-908843-71-5
- 1 2 久田晴 (2022年11月30日). “「持ち機」?「残り数」? 『チェンソーマン』エンディングの曲名にもなった「残機」が定着するまでの複雑な道のりを徹底的に調べてみた!”. 電ファミニコゲーマー. 2026年5月31日閲覧。
- 1 2 Rogers, Scott (2014-04-11). Level Up! The Guide to Great Video Game Design. John Wiley & Sons. pp. 299–301. ISBN 978-1118877210 2014年12月19日閲覧。
- ↑ Schwartz, Steven A.; Schwartz, Janet (December 1993). The Parent's Guide to Video Games - Steven A. Schwartz, Janet Schwartz. Prima Pub.. ISBN 9781559584746 2011年10月7日閲覧。
- ↑ “The Next Generation 1996 Lexicon A to Z: One-up Loop”. Next Generation (Imagine Media) (15): 38. (March 1996).
- ↑ (英語) NES Cheats - Contra Wiki Guide - IGN, (7 March 2017) 2021年6月1日閲覧。
- ↑
「1画面1課題」と言えるほど短期間で次々に課題を提供し続けるスタイル、即ち「ショートステージ方式」... 目の前の課題をクリアすれば次の課題へ、そして次の課題の開始時にはチェックポイントが置かれているか、チェックが走る。ミスをしても過去の課題に戻されることはない。今取り掛かっている課題にすぐに着手できる。
ゲームデザイン星人ヌヌヌ (2025-10-19). “『ホロウナイト:シルクソング』の“遠すぎるチェックポイント”は誰のため?何のため?チェックポイント事例から見る「ゲームの隠し味」”. AUTOMATON. - ↑
再開は迅速に。... 「やられた!」「ダメだった!」と思った瞬間のあと、落ち着いてから次にゲームで操作できるまで。この時間はプレイヤーが急速に冷める時間です。冷める前に操作のバトンをプレイヤーに手渡すことができれば、とりあえず操作を始めてくれます。そして少し進めれば次のやる気も出てくることでしょう。... プレイヤーが操作できるようになるというのがポイント。
桜井政博「リトライは迅速に 【ゲーム性】」『YouTube』、該当時間: 0:45-1:332023年6月12日。 - ↑
難しいコントロールを求められる場面、パズル的な解き方が必要な場面 ... リトライがスピーディーでストレスが溜まらないんです。死んだ瞬間に復帰するのでプレイのリズムが途切れることなく挑み続けられます。
山村智美 (2018-05-16). “海外での高評価のとおり素晴らしいゲームだった「Celeste」の話”. GAME Watch.
参考文献
関連項目
残機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/25 09:25 UTC 版)
「東方緋想天 〜 Scarlet Weather Rhapsody.」の記事における「残機」の解説
体力が0になると減少し、残機が無い状態で体力が0になるとゲームオーバーとなる。ストーリーモードのみ。
※この「残機」の解説は、「東方緋想天 〜 Scarlet Weather Rhapsody.」の解説の一部です。
「残機」を含む「東方緋想天 〜 Scarlet Weather Rhapsody.」の記事については、「東方緋想天 〜 Scarlet Weather Rhapsody.」の概要を参照ください。
- >> 「残機」を含む用語の索引
- 残機のページへのリンク