cutting sheetとは? わかりやすく解説

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カッティングシート

(cutting sheet から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/03/24 10:57 UTC 版)

カッティングシート(cutting sheet)とは、屋外看板、車両マーキング、工業表示、インテリア装飾など幅広い用途に使用される、塩化ビニル(PVC)を基材とした粘着フィルムの総称である。主に単色のフィルムを文字や図形に切り抜いて使用するほか、伸縮性を利用して対象物を覆う「ラッピング(被覆)」にも用いられる。何かに貼りつけるシートを作る場合は、「マーキングフィルム」「装飾用シート」「カッティングシート[注釈 1]」などと呼ばれる、ビニールシートの裏に粘着剤および裏紙がついたものを用いる。

概要

カッティングシートは、ロゴやデザイン表現に使用する場合、カッティングプロッタによる自動切削加工と、カッターを用いた手作業の加工(手切り)に対応する。屋外広告業界を中心に普及し、自動車オートバイの車体装飾、建築内装、表示ラベル、店舗のウィンドウサインなどに用いられる。フィルムは用途に応じて様々な色、耐候性、再剥離性、伸縮性、光沢のほか、メタリック、木目、カーボン調など多様な意匠のものが販売されている。シワがつかないようにロール状で流通、保管、販売されており、24インチ、36インチ、48インチの幅のロールが主流である。

種類

屋外用塩ビフィルム

主に看板・店舗外装・車両マーキングに用いられる高耐候フィルム。アクリル系粘着剤を用いることが多く、耐水・耐熱に優れる。住友3Mスコッチカルフィルム、ORAFOL(オラフォル)などが知られる。

屋内装飾用フィルム

インテリア用途に用いられ、木目調、金属調、石目調、レザー調など装飾バリエーションが広い。家具・壁面のリメイク用途に使用される。

再帰性反射シート

交通標識、警告表示、車両の反射材に使用される。マイクロプリズム型とガラスビーズ型があり、視認性の確保を目的とする。

ラッピングフィルム(伸縮タイプ)

自動車・バイクの外装や小物類を覆うためのフィルム。高い伸縮性を持ち、ヒートガンで加熱することで複雑な三次曲面に追従させられる。マット、サテン、クローム、カーボン柄などの特殊意匠が多い。

サテン(半つや)に関して呼称の転用と乖離。

加工方法

手切り(ハンドカット)

手切りは、カッターナイフ、デザインナイフ、スピンカッター、金属定規、カッティングマットを用い、フィルムを手作業で切り抜く方法である。文房具レベルの道具で完結する。

手切りの特徴

  • アナログ看板制作の主流であった歴史を持つ。
  • 極小文字・細線・フチ取り装飾など、プロッターでは刃圧が安定しにくい部分に向く。
  • 台紙(ライナー)ごと切り抜く「アートナイフ方式」と、表層フィルムだけを切る「表面切り」がある。
  • 曲線はスピンカッター(円切りカッター)で対応可能。
  • 施工者の技量差が大きく、均質化が難しい。生産性は高くない。

手切りの一般的手順

  1. 原稿(ロゴ・文字)を原寸で印刷する。
  2. フィルムの上に原稿をペーパーボンドやスプレーのり、テープ等で固定する。
  3. 原稿に沿って、原稿からフィルム部までを直線部は金属定規を当て、曲線部はナイフの回転、手先を利用して切る。※下記は「表面切り」式。
  4. 不要部分を除去する(カス取り)。
  5. 転写シート(アプリケーションシート)を貼り、貼り付け準備とする。

プロッター(カッティングマシン)

デジタルデータ(Illustrator、CorelDRAW、SVG等)を元に機械に取り付けられたカッターをX軸、Y軸(ロールの送り込み)で駆動し切り抜く。大量生産・精密ロゴ・大型サイン制作に適する。初期投資、PC環境が必要。

ラッピング

ロゴの切り抜きは無く、対象物自体を覆う施工技法。塗装に代わる手段となり、飽きたら剥がせば元に戻る。プリント済の場合と単色の場合がある。 ヒートガン、フェルトスキージー、マグネットホルダーなどを用い、バンパー・ミラーなどの複雑曲面を一枚のフィルムで施工する。エッジ処理やシーム(継ぎ目)処理が品質に影響する。

貼り付け方法

ドライ貼り

位置調整が困難。気泡が残りやすい。小さめのロゴ・文字貼付に用いる。

  1. 貼り面を中性洗剤またはIPAで脱脂。
  2. カス取り後、転写シートを貼った状態で位置合わせ。
  3. スキージーで圧着し、転写シートを剥がす。

ウェット貼り

位置調整が容易。ロゴ・文字貼付、大判・透明フィルムに用いられる。作業手順は上記と同様だが、水+中性洗剤の希釈液を用意し、シール粘着面、貼り付け箇所に霧吹きにて塗布する。貼り付け位置に貼り付け、位置微調整。希釈液をスキージーで中心から外に押し出す。

ラッピングの施工手順

  1. 対象物の清掃・脱脂
  2. フィルムを大きめに裁断
  3. ヒートガン、ドライヤー等で温めながら伸ばし、縮め等の技術を駆使し、曲面に追従させる
  4. エア抜き・エッジ処理
  5. 余剰部分をカット

歴史

1970年代後半〜1980年代にかけて、アメリカの3M、ヨーロッパのオラフォル、国産住友3Mなどが高耐候性PVCフィルムを市場に供給し、看板業界で普及した。1990年代以降はプロッターの低価格化とデジタルサイン業界の発達により、車両マーキングや店舗サインの制作方式として定着した。

主なメーカー

  • 3M(スコッチカル、2080シリーズ)
  • ORAFOL(ORACAL、ORAJET)
  • Avery Dennison
  • 住友3M
  • ジェットグラフ、中川ケミカル など

主な用途

  • 店舗看板・ウィンドウサイン
  • 車両マーキング(企業ロゴ、レース車両、痛車)
  • バイク・ヘルメットなどの部分ラッピング
  • 室内装飾、家具のリメイク
  • 工業用銘板、保安表示
  • 小物装飾や趣味用途

脚注

注釈

  1. ^ 「マーキングフィルム」は普通名称だが「カッティングシート」は、一応(株)中川ケミカルによって登録商標として登録されている。ではあるが、この名称に関してはかなり以前から広く"商標の普通名称化" が起きており(中川ケミカルのサイトの説明ページ)、日本中の現場で、他社の類似製品も「カッティングシート」と広く呼ばれて、すでに定着している。

出典

関連項目




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