VMware vSAN
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/09/07 03:40 UTC 版)
| 開発元 | VMware (2023年11月以降はブロードコムのグループ会社) |
|---|---|
| 初版 | 2014年3月11日(バージョン5.5)[1] |
| 最新版 | |
| 対応OS | VMware ESXi(ハイパーバイザに組み込み) |
| 種別 | ソフトウェア定義ストレージ・ハイパーコンバージドインフラストラクチャ |
| ライセンス | プロプライエタリ(サブスクリプション) |
| 公式サイト | www |
VMware vSAN(ヴイエムウェア・ブイサン)は、VMwareが開発した、複数のサーバに内蔵されたディスクをネットワーク越しに束ねて、1つの共有ストレージとして使えるようにするソフトウェアである[3][4]。仮想マシンを別のサーバへ移したり、サーバの故障時に別のサーバで動かし直したりするには、どのサーバからも同じデータを読み書きできる共有ストレージが必要になる[4]。従来はそのために専用のストレージ装置を用意していたが、vSANを使えば、サーバに内蔵されたディスクだけで共有ストレージを作れる[5][4]。たとえば、ディスクを内蔵したサーバが3台あれば、vSANはそれらのディスクを、どのサーバからも読み書きできる1つの共有ディスクのように見せる。このように汎用のサーバだけでコンピューティングとストレージの両方を担う構成をハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)と呼ぶ[6]。
vSANは単体で動くアプリケーションではなく、1台のサーバの上で複数の仮想マシンを動かすソフトウェアESXiの一部として動く[4]。利用者は、複数のESXiサーバ(ホスト)をまとめた「クラスタ」の単位でvSANを有効にし、管理サーバのvCenter Serverから操作する[7][8]。2013年8月に「VMware Virtual SAN」の名称で発表され、2014年3月に最初の版(バージョン5.5)が提供された[9][3]。2016年に名称が「vSAN」に変わった[10]。版番号は6.7以降、ESXiを含む製品群vSphereと揃えられている[1]。
2023年11月、ブロードコムがVMwareを買収した[11]。以後、vSANは「VMware Cloud Foundation」(VCF)と「VMware vSphere Foundation」(VVF)の一部として提供されている[12][13]。VCFは、サーバ仮想化のvSphere、ネットワーク仮想化のNSX、ストレージ仮想化のvSANをまとめたプライベートクラウド基盤で、VVFはその中小規模環境向けの製品である[14][12]。2026年9月時点の最新版は、8系が8.0 Update 3i(2026年2月24日)、9系がVCF 9.1とVVF 9.1に含まれる9.1(2026年5月12日)である[1][2]。
名称
発表時の名称は「VMware Virtual SAN」で、「VSAN」と略されることもあった[3][15]。名称は、2016年10月から11月にかけて発表されたバージョン6.5の世代で「VMware vSAN」に変わった。同年11月16日の提供開始の発表では「VMware vSAN(旧称VMware Virtual SAN)」と記されている[10][16]。本記事では、発表当時の名称に言及する場合を除き、「vSAN」と表記する。
名称の「SAN」はストレージエリアネットワーク(Storage Area Network)の略で、サーバとストレージ装置を専用のネットワークで結ぶ従来型の共有ストレージの構成を指す。vSANは、この共有ストレージを専用の装置ではなくソフトウェアで仮想的に作り出す[3]。VMwareは2014年の提供開始時に、vSANを同社初のソフトウェア定義ストレージ(Software-Defined Storage)製品と説明した[17]。
概要
vSANは、ESXiをインストールした複数のサーバ(ホスト)の内蔵ディスクを集めて、クラスタ全体で共有する1つのストレージ領域「vSANデータストア」を作る[4]。仮想マシンのデータは複数のホストに複製して置かれるため、ホストが1台故障しても仮想マシンは読み書きを続けられる[18]。
従来の仮想化基盤では、複数のサーバから同じデータを読み書きするために、SANやNASと呼ばれる専用のストレージ装置を用意していた[6]。vSANでは、この専用装置の代わりに各サーバの内蔵ディスクを使う[4]。サーバや内蔵ディスクを追加すれば容量を増やせる[3][19]。このように、サーバに内蔵されたディスクをソフトウェアで束ねて仮想化基盤を作る構成がHCIである[6]。
vSANはESXiの一部として動くため、ストレージ用に別のサーバや仮想マシンを立てる必要がない[4]。利用者は、ホストのクラスタを新しく作るとき、または既存のクラスタに対してvSANを有効にする[19]。操作はvCenter Serverから行う[8]。vSANは、共有ストレージを前提とするvSphereの機能と組み合わせて使える。稼働中の仮想マシンを別のホストへ移すvMotion、ホストが停止したときに仮想マシンを別のホストで再起動するvSphere HA、負荷に応じて仮想マシンの配置を調整するDRSがその例である[4]。
仕組み
vSANは、各ホストの内蔵ディスクをまとめてクラスタ全体で1つのvSANデータストアにする。データをどの程度まで守るかは、仮想マシンごとに「ストレージポリシー」で決める[20]。
2つのアーキテクチャ
vSANには、初版から続く「Original Storage Architecture」(OSA)と、8.0で加わった「Express Storage Architecture」(ESA)の2つの方式がある[21][22]。OSAは、各ホストの中でフラッシュメモリ(SSD)を読み書きを速くするキャッシュの役、ハードディスクまたはSSDをデータを保存する役と分けて使う[21][19]。ESAは、この役割分担をなくし、各ホストのSSDすべてがキャッシュと保存の両方を担う[21][23]。VMwareは、ESAを高速な接続規格NVMeでつないだSSDと高速なネットワークの能力を引き出すために設計したと説明している[22][21]。両者の違いは次の表のとおりである。
| 項目 | OSA(Original Storage Architecture) | ESA(Express Storage Architecture) |
|---|---|---|
| 導入時期 | 初版(2014年)から | 8.0(2022年)から[22] |
| 想定するデバイス | SSDとハードディスク(ハイブリッド)、またはSSDのみ(オールフラッシュ)[21][19] | NVMe接続のSSD[21] |
| ディスクの構成 | ディスクグループ(キャッシュ用1台+保存用1台以上)[21] | ストレージプール(ホストごとに1つ、各SSDがキャッシュと保存を兼ねる)[21] |
| 設計の狙い | 幅広い種類のデバイスに対応[21] | 高性能なデバイスとネットワークの能力を引き出す[22] |
オブジェクトとストレージポリシー
vSANは、仮想マシンの仮想ディスクなどを「オブジェクト」として保存する。オブジェクトは複数の「コンポーネント」に分かれ、ストレージポリシーの内容に応じて別々のホストに配置される[18]。ストレージポリシーでは、性能や可用性に関する要件を仮想マシン単位で定義する[18]。中心となる設定は、ホストやディスクの故障を何台分まで許容するかを決める「許容される障害の数」(Failures to tolerate、FTT)である[20]。
保存の方式には、同じデータを複製するミラーリング(RAID-1)と、データを分割して復元用の符号とともに保存するイレイジャーコーディング(RAID-5/RAID-6)がある。ミラーリングは容量を多く使うが性能が高く、イレイジャーコーディングは容量を節約できるが性能は下がる[20]。たとえば、故障1台分を許容する設定でミラーリングを選ぶと、100GBの仮想ディスクは2台のホストに複製されて置かれ、200GBの容量を使う[20][18]。「ウィットネス」は、実際のデータを持たず管理情報だけを持つコンポーネントで、ホスト間でデータの不一致が起きたときの多数決の決め手となる[18]。
配置の形
標準のクラスタは、容量を提供するホスト3台以上で作る[7]。このほかに2つの形がある。「2ノード構成」は、同じ場所にある2台のホスト(ノード)だけで作り、ウィットネスは離れた場所(多くは本社側)の第3のホストに置く。支社などの小規模拠点向けの構成である[24]。「ストレッチクラスタ」は、ホストを2つの拠点に均等に配置し、第3の拠点にウィットネスを置く。拠点の1つが全体として止まっても仮想マシンを動かし続けられる[24]。
さらに、コンピューティングとストレージを別のクラスタに分ける形もある。ストレージ専用のvSANクラスタを「vSANストレージクラスタ」(旧称vSAN Max)と呼び、複数のコンピューティング用クラスタからその容量を共有して使う[8]。
主な機能
vSANの機能は、容量を節約する機能、データを守る機能、使い方を広げる機能の3つに大別できる。代表的なものを挙げる。
- 重複排除と圧縮
- 同じ内容のデータを1つにまとめる重複排除と、データを圧縮して保存する機能である。6.2でオールフラッシュ構成向けに加わり、キャッシュから保存用のSSDへ書き出す際に処理する[25][26]。VCF 9.0では、複数のホストにまたがって重複を除く「グローバル重複排除」が加わり、VCF 9.1で正式提供となった[27][28]。
- 暗号化
- vSANは6.6から、暗号化に対応した特別なディスクを使わずに、データストア全体を暗号化できる[29][5]。7.0 Update 1では、ホスト間でやりとりするデータの暗号化(転送中暗号化)が加わった[30]。
- ファイル共有とiSCSI
- vSANはもともと、仮想マシンのディスクを置くための領域(ブロックストレージ)であった。7.0の「vSAN File Services」で、ネットワーク越しにファイルを共有する規格NFSによるファイル共有が加わり、8.0 Update 2でESAでも使えるようになった[31][32]。6.5の「iSCSIターゲットサービス」を使うと、クラスタの外にある物理サーバからもvSANデータストアを利用できる[16][33]。
- クラスタ間のストレージ共有
- 7.0 Update 1の「HCI Mesh」では、あるvSANクラスタのデータストアを別のクラスタの仮想マシンから使えるようになった[30]。2023年に発表されたvSAN Max(2024年以降の呼称はvSANストレージクラスタ)は、この考え方をストレージ専用のクラスタに広げたものである[34][35][8]。
- 状態の監視
- 「Skyline Health」は、ハードウェアの互換性やネットワークの設定、動作状況を、あらかじめ用意された点検項目に沿って確認する機能である[36][33]。7.0では、vSphereとvSANの監視機能をSkylineの名称に統合した[31]。
歴史
vSANの歴史は大きく3つの時期に分けられる。第1は、「Virtual SAN」の名称で発表され、ハイブリッド構成からオールフラッシュ構成や重複排除へ広がった時期(2013年 - 2016年)である。第2は、「vSAN」へ改称し、暗号化やファイル共有などの機能を積み重ねた時期(2016年 - 2021年)である。第3は、新しい方式ESAが登場し、ブロードコムによる買収後にVCFの構成要素となった時期(2022年 - )である。
Virtual SANの時代(2013年 - 2016年)
VMwareは2013年8月26日(米国時間)、年次イベントVMworld 2013でVirtual SANを発表し、無償の公開ベータ版を同年第3四半期に提供すると告知した[37][9]。製品版のVirtual SAN 5.5は、2014年3月11日にvSphere 5.5 Update 1とともに提供が始まった[1][38]。当時の構成は、各サーバにSSDとハードディスクの両方を搭載するハイブリッド構成であった[3][19]。
2015年3月の6.0でオールフラッシュ構成に対応した[1][39]。同年9月の6.1では、ストレッチクラスタと2ノード構成が加わった[1][40]。2016年3月の6.2では、重複排除と圧縮、イレイジャーコーディング、仮想マシンごとに性能の上限を決めるQoSが加わった[1][26][25]。Publickeyはこの版の発表を、VMwareがHCI市場へソフトウェアで取り組む動きとして報じた。同誌によれば、VMwareはvSphere、vCenter Server、Virtual SANの組み合わせをHCIを実現するソフトウェアとして位置づけた[26]。
vSANへの改称と機能の拡充(2016年 - 2021年)
2016年10月にVMworld 2016 Europeで発表された6.5[41]の世代で名称が「vSAN」になり、同年11月の提供開始の発表で「旧称VMware Virtual SAN」と明示された[10][16]。6.5では、iSCSIターゲット機能と、2ノード構成の2台をネットワークケーブルで直結する構成が加わった[1][42][16]。2017年4月の6.6では、保存するデータを暗号化する機能が加わった[1][5][29]。6.1から6.6までの版番号は、対応するvSphereの版(6.0 Update 1、6.0 Update 2、6.5)とは別に付けられていたが、2018年4月の6.7からvSphereと揃えられた[1]。
2020年4月の7.0では、ファイルを共有できる「vSAN File Services」が加わった[1][31][43]。同年10月の7.0 Update 1では、HCI Meshと転送中暗号化が加わった[1][30]。
ESAとブロードコム買収後(2022年 - )
2022年8月30日に発表されたvSAN 8では、新しい方式ESAが導入された[44][22]。ESAは、NVMe接続のSSDの性能を引き出すために設計をやり直した方式である(前述)[22]。従来の方式はOSAと呼ばれ、利用者はどちらかを選んで使う[45]。2023年8月22日には、コンピューティングとは切り離してストレージだけを増やせる「vSAN Max」が発表され、同年12月13日に提供が始まった[46][47][35]。
2023年11月22日(米国時間)、ブロードコムによるVMwareの買収が完了した[11]。同年12月にはライセンス体系が改められ、vSANはVCFまたはVVFの一部として提供されるようになった(後述)[48]。2025年6月17日に提供が始まったVCF 9.0では、vSANはVCFとVVFの構成要素となり、単体製品としての提供を終えた[49][13]。2026年5月12日にはVCF 9.1が提供された[2]。
年表
| 年月日 | 版 | 主な出来事 |
|---|---|---|
| 2013年8月26日[37] | - | VMworld 2013でVirtual SANを発表[9] |
| 2014年3月11日[1] | 5.5 | 提供開始(vSphere 5.5 Update 1の一部)[38] |
| 2015年3月12日[1] | 6.0 | オールフラッシュ構成[39] |
| 2015年9月10日[1] | 6.1 | ストレッチクラスタ、2ノード構成[40] |
| 2016年3月16日[1] | 6.2 | 重複排除と圧縮、イレイジャーコーディング、QoS[25] |
| 2016年11月15日[1] | 6.5 | 名称を「vSAN」に、iSCSIターゲット[10][16] |
| 2017年4月18日[1] | 6.6 | 保存データの暗号化[29] |
| 2020年4月2日[1] | 7.0 | vSAN File Services、Skyline Health[31] |
| 2020年10月6日[1] | 7.0 Update 1 | HCI Mesh、転送中暗号化[30] |
| 2022年10月11日[1] | 8.0 | Express Storage Architecture(ESA)[23] |
| 2023年8月22日[47] | - | VMware Explore 2023でvSAN Maxを発表(提供開始は同年12月13日)[46][35] |
| 2023年9月21日[1] | 8.0 Update 2 | ESAでのvSAN File Services[32] |
| 2023年11月22日[11] | - | ブロードコムによるVMwareの買収が完了 |
| 2023年12月11日[48] | - | 製品体系をVCFとVVFに整理、永続ライセンスの新規販売を終了[12] |
| 2025年6月17日[49] | 9.0 | VCFとVVFの構成要素に、単体提供の終了[13] |
| 2026年5月12日[2] | 9.1 | VCF 9.1の構成要素、グローバル重複排除の正式提供[28] |
提供形態とライセンス
vSANはソフトウェアとして提供され、利用者は認定を受けたサーバに導入するか、サーバメーカーがvSANを組み込んで出荷するHCI製品を購入する。ライセンスの体系は、2023年12月のブロードコムによる製品体系の再編を境に大きく変わった。
2023年12月まで
初版の5.5は、vSphereとは別に販売される単体製品で、専用のライセンスキーが必要であった[38]。7.0の時点では、Standard、Advanced、Enterprise、Enterprise Plusの4つのエディションがあり、いずれもvSphereには含まれない単体ライセンスであった[50]。課金の単位は原則としてCPU(ソケット)で、用途によって同時利用ユーザー数や仮想マシン数で数えるライセンスもあった[50]。
2023年12月以降
2023年12月11日、ブロードコムはVMware製品の提供体系を、大規模環境向けのVCFと中小規模環境向けのVVFの2つを中心に整理すると発表した[48][12]。永続ライセンス(買い切り型の利用権)の新規販売は同日で終わり、サブスクリプション(期間契約)に一本化された[12]。ブロードコムはこの再編の理由を、製品体系と販売方法が複雑すぎるという顧客とパートナーからの長年の意見に応えたものだと説明している[48]。
新しい体系では、VCFとVVFのライセンスにvSANの機能と一定量の容量が含まれ、足りない容量だけをアドオン(追加ライセンス)で買う[48][51][52]。同梱される容量はCPUコア数に応じて決まり、2025年6月時点でVCFはコア当たり1TiB(テビバイト。テラバイトにほぼ等しい容量の単位)である[27]。VVFに含まれる容量はこれより少なく、契約時期によって異なる[51][53]。追加の容量はTiB単位で購入する[52]。2025年6月のVCF 9.0以降、vSANは単体製品としては提供されず、VCFまたはVVFの一部としてだけ利用できる[13]。VCF 9.0ではライセンスキーが、コア数で数える「VMware Cloud Foundation」と容量で数える「VMware vSAN」の2種類に整理された[54]。
| 時期 | 提供の形 | 課金の単位 |
|---|---|---|
| 2014年 - 2023年12月 | vSphereとは別売の単体製品(4エディション)[50] | 原則CPU(ソケット)単位。用途別にユーザー数・仮想マシン数単位も[50] |
| 2023年12月 - | VCFまたはVVFに同梱(コア当たり一定量)、追加容量はアドオン[48][51][52] | 同梱分はコア数、追加分はTiB |
| 2025年6月(9.0) - | VCFまたはVVFの構成要素のみ(単体製品としての提供を終了)[13] | コア数(VCF)とTiB(vSAN)の2種類のキー[54] |
導入の形
vSANはどのサーバでも動くわけではなく、認定を受けたハードウェアの組み合わせが求められる。「vSAN ReadyNode」は、ブロードコムとサーバメーカーが、vSphereとvSANの各版であらかじめ動作を検証して認定したサーバ構成である[21][55]。デル、HPE、富士通、シスコシステムズなどがReadyNodeを提供している[21]。サーバメーカーがvSANを組み込んだHCI製品もある。デルの「VxRail」は、VMwareとEMC(当時)が共同開発したvSANベースのHCI製品である[56][57]。
パブリッククラウド上でvSANを使うサービスもある。「VMware Cloud on AWS」は、Amazon Web Servicesが貸し出す物理サーバ(ベアメタルサーバ)の上でvSphere、vSAN、NSXを動かすサービスで、2017年8月に提供が始まった[58][59]。Microsoft Azure、Google Cloud、Oracle Cloudにも、VCFを基盤としたVMwareの環境を提供するサービスがある[60][61][62]。AWS自身が提供する「Amazon Elastic VMware Service」は2025年8月に一般提供が始まった[63]。
市場と競合
vSANはHCIソフトウェアの1つとして、他社のHCI製品と比較される。HCIの市場には、Nutanix(ニュータニックス)のほか、サーバメーカー各社やマイクロソフト、レッドハットなどが製品を持つ[64]。
調査会社IDCの集計によれば、2021年第3四半期の世界のHCI市場では、vSANを基盤とするHCIが41.5%、Nutanixが24.6%を占めた[65]。調査会社ガートナーがHCIソフトウェアを対象に発表した2019年版と2021年版の「マジック・クアドラント」では、いずれもNutanixとVMwareの2社が「リーダー」に位置づけられた[64][66]。
vSANと同じように、サーバの内蔵ディスクをソフトウェアで束ねる製品は他社にもある。Nutanixのストレージ機能[67]、マイクロソフトの「Azure Local」[68]、レッドハットの「Red Hat OpenShift Data Foundation」[69]がその例である。
日本での展開
日本では、日本法人のヴイエムウェアが各版の発表を国内向けに行い、国内のサーバメーカーがvSANを組み込んだHCI製品を販売している。ヴイエムウェアは2014年3月13日にVirtual SANの正式提供開始を国内で発表した[15]。
サーバメーカーでは、EMCジャパン(当時)が2016年3月にVxRailの国内提供を始めた[70]。2026年9月時点では、エフサステクノロジーズ(旧富士通のサーバ事業)が「PRIMEFLEX for VMware vSAN」を提供している[71]。日立製作所はサーバ「HA8000V」にvSANを組み合わせたHCI製品を[72]、NECはサーバ「Express5800」を使ったvSANのHCIを[73]、レノボは「ThinkAgile VX」を[74]それぞれ提供している。IDC Japanは2025年7月、国内のHCI市場の支出額が2029年に約731億円になると予測している[75]。
関連項目
脚注
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 “Build numbers and versions of VMware vSAN” (英語). Broadcom. 2026年9月7日閲覧。
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