S&W M59
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/10 02:31 UTC 版)
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S&W M59
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概要 | |
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種類 | 自動拳銃 |
製造国 | ![]() |
設計・製造 | スミス&ウェッソン社 |
性能 | |
口径 | 9mm[1] |
銃身長 | 104.7 mm[1] |
ライフリング | 5条右回り[1] |
使用弾薬 | 9x19mmパラベラム弾[1] |
装弾数 | 14+1発[1] |
作動方式 | シングル / ダブルアクション[1] ショートリコイル[1] |
全長 | 193 mm[1] |
重量 | 872 g[1] |
S&W M59は、アメリカの銃器メーカーであるスミス&ウェッソン社が1971年に発売した自動拳銃[1]。1954年に発売されたS&W M39を基に、弾倉を複列化して装弾数を14発に増加したモデルである[1]。生産は1982年に終了しており、アメリカではすでに広く見かける銃ではなくなっているが、M39と共にアメリカの銃器史において特筆すべき銃と評されている[2]。231,841丁余りが生産された[1]。
なお、正式な名称は「Model 59」であり、S&W社では本銃に限らずモデル名を「M」と略した例はほとんどないが、日本では一部専門誌を除き一般的な表記である[1]。「No.59」と表記する資料もある[3]。
開発
S&W社は、ベトナム戦争中にアメリカ海軍からの依頼で、M39にサプレッサーを装備したMk 22 mod0という特殊部隊向け拳銃を開発した[1][2]。その後1968年に軍からMk 22の装弾数を増加してほしいとの打診を受けて試作モデルを提出し、結局採用には至らなかったが、この試作モデルを原型として1971年に発売されたのがM59である[1]。
設計
基本設計はM39と同じだが、複列弾倉を挿入するためグリップが太くなった[1][4]。装弾数はM39の8発から14発に大きく増加したが、アルミニウム製フレームの採用により重量増加は230グラム程度に抑えられている[2]。スライドはM39と共用で、左側面にはデコッキングレバーを兼ねたマニュアルセフティが配置されている[1]。また、マガジンセフティが備えられており、弾倉を外した状態では撃発できない[1]。
運用
シングル/ダブルアクション・複列弾倉というスタイルは、いわゆるワンダーナインのはしりであり、発売当時としては心強いものであった[1][4]。ただし、トリガー機構が旧式であったため引いた際の感触が悪いとの評価がある[1]。比較的高価なモデルだったにもかかわらずシークレットサービスが採用したり、私費で購入する警察官がいるなど、商業的にはコンスタントな成功を収めた[1][4]。
脚注
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u Toshi「俺の青春DAオート Smith&Wesson Mod.59」『月刊GUN Professionals』、株式会社ホビージャパン、2025年3月、38-51頁。
- ^ a b c Kyle Mizokami (2020年12月6日). “Smith & Wesson’s Model 39/59: Why This Old Gun Remains an American Legend”. The National Interest. 2025年6月8日閲覧。
- ^ 小橋良夫『世界の名ピストル』ベストブック社、1977年4月、106頁。doi:10.11501/12653790。
- ^ a b c 岩堂憲人『万有ガイド・シリーズ23 銃:ハンドガン・サブマシンガン』小学館、1982年12月、65頁。doi:10.11501/12653794。
関連項目
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