レドリッヒ・クオンの状態方程式
レドリッヒ・クオンの状態方程式(レドリッヒ・クオンのじょうたいほうていしき、英: Redlich–Kwong equation of state)は、物理学や熱力学において、温度、圧力、気体の体積の関係を記述する経験的な代数方程式である。この方程式は、臨界温度以上の温度領域において、ファンデルワールスの状態方程式や理想気体の状態方程式よりも一般的に精度が高い。この方程式は1949年に、オットー・レドリッヒ(Otto Redlich)とジョーゼフ・ネン・シュン・クオン(Joseph Neng Shun Kwong)によって提案された[1][2]。この方程式は、2つのパラメータを持つ三次状態方程式が、多くの状況で現実を十分に反映できることを示した。当時使用されていたビーッティー・ブリッジマンモデル(Beattie–Bridgeman model)やベネディクト・ウェブ・ルビンの方程式(Benedict–Webb–Rubin equation)と並ぶものとなった。レドリッヒ・クオンの状態方程式は、もともと気体のために開発されたが、後に最も多く修正が加えられた状態方程式と考えられている。これらの修正は、元の方程式から得られる予測結果を一般化することを目的としている[3]。現在、この方程式自体は実用的な用途にはほとんど使われていないが[4]、この数学モデルから派生したソアべ・レドリッヒ・クオンの状態方程式(SRK式)や、ペン・ロビンソンの状態方程式(PR式)などの改良版は発展し、気液平衡のシミュレーションや研究で現在も使用されている[3][5]。
式
レドリッヒ・クオンの状態方程式は、以下のように定式化される[6][7]。
レドリッヒ・クオンのPr(Vr)およびZ(Pr)のグラフ(Trは一定)。 以下の縮約変数を用いると、状態方程式は縮約形で表せる。
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