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Integrated injection logic

(II-L から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/05 00:56 UTC 版)

Integrated injection logic (IIL, I2L, or I2L) は、マルチプル・コレクタ・バイポーラジャンクショントランジスタ (BJT)で作られたデジタル回路の一種である[1] 。 IILが登場したとき、TTLに匹敵する速度を持ち、CMOSに近い低消費電力性能であった[2]。そのため、VLSI(あるいはそれより大きいLSI)で使用するのに理想的であった。IILを使うと、CMOSよりも論理ゲートをさらに小型に作ることができる[2]。なぜなら、相補型トランジスタ(N型とP型のトランジスタを組み合わせたもの)が必要ないからである。 IILの電圧レベルは、非常に狭い(H: 0.7V 〜 L: 0.2V)けれども、IILは電圧の代わりに電流によって制御されるので、高い耐ノイズ性能を持つ。IILは、ジークフリート・K・ウィードマン英語版ホースト・H・バーガー英語版によって1971年に開発された。当初、彼らはそれを merged-transistor logic (MTL) と呼んでいた[3]。このロジック・ファミリ (IIL) の欠点は、CMOSと違ってスイッチングを行なっていないときに論理ゲートが電力を消費することであった。


  1. ^ Hart, K.; Slob, A. (Oct 1972). “Integrated Injection Logic: A New Approach to LSI”. IEEE Journal of Solid-State Circuits 7 (5): 346–351. Bibcode1972IJSSC...7..346H. doi:10.1109/jssc.1972.1052891. 
  2. ^ a b 「1. マイクロコンピュータの出現と放送へのインパクト」1977年31巻7号 p.584-585 (テレビジョン)
  3. ^ Siegfried K. Wiedmann, Horst H. Berger (1972). “Merged-transistor logic (MTL)-a low-cost bipolar logic concept”. IEEE Journal of Solid-State Circuits 7 (5): 340–346. Bibcode1972IJSSC...7..340B. doi:10.1109/JSSC.1972.1052890. 
  4. ^ Jarrett, Robert (1978). “A monolithic speed-control micro-system for automotive applications”. 1978 IEEE International Solid-State Circuits Conference. Digest of Technical Papers. IEEE. pp. 46–47. doi:10.1109/ISSCC.1978.1155757 
  5. ^ Clive Sinclair's 1982 Practical Computing Interview”. 2014年6月21日閲覧。
  6. ^ "HP memory project: Time, Frequency Standard & Counter"
  1. ^ a b 1968年にRCAからCMOSで作られた4000シリーズ 汎用ロジックICが発売されたが、初期の4000シリーズは低速だった。1980年代前半により高速なCMOS汎用ロジックIC 74HCシリーズが登場してからIILが廃れていったと思われる。
  2. ^ この図はNORということになっているが、NANDではないのか?詳しい人による検討をお願いしたい。


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