Data Studio
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/06/20 22:29 UTC 版)
| 開発元 | |
|---|---|
| 初版 | 2016年3月15日 |
| 種別 | ウェブ解析,データ・ビジュアライゼーション |
| 公式サイト | datastudio |
Data Studio[1](データ スタジオ、旧称:Google Data Studio[2]、Looker Studio[3]、データポータル)は、データをカスタマイズ可能で有益なレポートやダッシュボードに変換するためのオンラインツールである[4]。Looker Studioは、2016年3月15日にGoogleからエンタープライズ向けのGoogle Analytics 360スイートの一部として発表され[5]、2016年5月には個人および小規模チーム向けの無料版が提供された[6]。
ブランド変更
2019年6月、Googleはデータ分析企業Lookerを26億ドルで買収し、「顧客が一貫した方法でデータを分析できるようにする」ことを目指した[7]。この買収は2020年2月に完了した[8]。最初の英語名は 「Google Data Studio」だった。
当初、Google Data StudioとLookerはGoogle内で別々の製品として運営されていた。Google Data Studioは、スプレッドシートなどのデータソースに接続してダッシュボードを作成するためのシンプルで低コストかつ簡単な方法を提供していた一方で[9]、LookerはLookMLという専用言語を用いたデータ変換や権限管理の強力なサポートを備えた、よりエンタープライズ向けのソリューションを提供していた[10]。
2018年11月、日本においてサービスが本格展開される際、国内での商標の兼ね合いから、日本国内向けの表記だけ 「Google データポータル」 に変更された。
しかし、2022年10月にGoogleはGoogle Data StudioをLooker Studioにブランド変更することを発表した[11]。この発表は、GoogleのバーチャルユーザーカンファレンスであるCloud Next 2022で行われた[11]。カンファレンスでGoogleは、LookerがすべてのGoogle Cloudビジネスインテリジェンス製品の名称になる予定であると述べた[11]。この名称変更に伴い、主要なセキュリティや管理サービス、Google スプレッドシートとの統合、さらに多くの視覚化ツールなどのアップデートも追加された[11]。このとき、日本国内の 「Google データポータル」という表記が廃止された。
また、Googleは企業チームのコラボレーションと管理機能を強化した新しい階層の「Looker Studio Pro(日本では「データポータル Pro」というプラン名)」も立ち上げた[2]。
2026年4月にGoogleはブランド変更を元に戻し、単に「Data Studio」と呼ぶようにした[1]。
プラン
Googleは現在もData Studioの無償・有償のプランを提供している。無償のプランは「データポータル」、有償のプランは「データポータル Pro」である[12]。Data Studioの有償プラン「データポータル Pro」では、Google Workspace との統合やチーム コンテンツ管理などの機能が提供される[2]。
基本操作
Data Studioでは、ゼロからレポートを作成するか、Data Studio Report Galleryのレポートテンプレートを使用するかを選択できる[2]。他のGoogleアプリケーションで利用できるテンプレートと同様に、これらのテンプレートはユーザーがレポートを簡単に作成できるように作られており、同時にデザイン要素やその他の変更をカスタマイズできるようになっている[2]。レポートを作成すると、ユーザーはレポートにデータコネクタを追加するように促される[4]。これらのコネクタはデータと接続し、レポートを作成するためにデータのエクスポートをアップロードする必要がなくなり、Data Studioが自動的にデータを取得できるようになる[13]。Data Studioは、ユーザーが選択できる600以上のパートナーコネクタを提供している[13]。Google アナリティクスやGoogle 広告などのGoogleプラットフォーム用のコネクタは無料で使用できるが、他のプラットフォーム用のコネクタは外部プラットフォームのサブスクリプションが必要である[13]。また、ユーザーは「インターネットからアクセス可能なあらゆるデータソース」に対する独自のコネクタを作成することもできる。個人は、Google Codelabsのこのステップバイステップのチュートリアルを通じてその方法を学ぶことができる[14]。
カスタマイズと対話性
Data Studioは、ユーザーに多くのテンプレートオプションを提供するだけでなく、カスタマイズコントロールも備えている。たとえば、ダッシュボードのレイアウト、色、フォント、キャンバスサイズを編集して、データをより効果的に表示し、企業のブランディングに合わせることができる[15]。
さらに、Data Studioのレポートは、作成者だけでなく、レポートを共有されたすべての人にとっても対話型である[要出典] 。つまり、レポートの設定を更新しなくても、日付範囲や並べ替えオプションなどの動的コントロール機能に変更を加える権限が全員に与えられる[15]。
グラフと表
データを視覚化する方法を決定する際、ユーザーは36種類のグラフの種類やバリエーションから選択できる[16]。これらのグラフは、表、ピボットテーブル、スコアカード、ゲージ、時系列、折れ線、面、散布図、棒、円、Google マップ、地域分布図、ブレット、ツリーマップのカテゴリに分類されている[16]。視覚化の方法を選択した後、生成するグラフや表のディメンションと指標を定義する[16]。Googleはディメンションを「データをグループ化できる非集計値のセット」と説明している[17]。データソース内のディメンションは緑色で表示される[17]。一方、指標は「値のセットに適用できる特定の集計」である[17]。指標は青色のフィールドで識別できる[17]。
表グラフ
Data Studioの表は、行と列を使用して指標を整理する[13]。表は「詳細なデータ、多数のフィールド、または1つ以上のディメンションフィールドに対して集計された、単位とスケールが大きく異なる複数の指標」を表示するために使用される[16]。Lookerで表やピボットテーブルのグラフを利用する方法は3つある。数値、バー、またはヒートマップを使用してデータを表示できる[16]。その後、これらの表内のデータを2つのフィールドで並べ替えて、特定の順序でデータを表示できる[16]。データの並べ替えに加えて、SETUPタブのさまざまな条件ステートメントを使用してデータをフィルタリングすることもできる[16]。
スコアカードとゲージグラフ
主要な目標や高レベルの数値を報告する場合、スコアカードグラフは注意を引く方法でデータを表示できる[13]。これらのスコアカードグラフは、レポート上の単一の指標をテキストとして表示する[18]。また、スコアカードは比較指標を使用して、指標が時間の経過とともにどのように変化したかを伝えることもできる[16]。その後、スコアカードはこの変化を表示された指標の下にパーセンテージとして表示する[16]。ユーザーが特定の指標に注意を引くもう1つの方法は、ゲージグラフを使用することである。この種のグラフは、目標に対する単一の指標のパフォーマンスを監視し、車のダッシュボードディスプレイと同様に進行状況を表示する[16]。
折れ線、時系列、面、散布図
折れ線グラフはデータの傾向を示し、順序軸に沿って指標を比較するのに役立つ[16]。ユーザーはグラフに複数の指標を追加して、時間の経過に伴う値を線、棒、またはその両方の組み合わせとして表示できる[18]。
指標が時間の経過とともにどのように変化するかを示すもう1つの方法は、時系列グラフを使用することである[13]。時系列グラフは、X軸に日付または時間のディメンションを表示し、Y軸に選択した指標を表示する[16]。また、Data Studioの時系列グラフに3種類のトレンドラインを追加することもできる[16]。これらのトレンドラインは、線形、指数、または多項式にすることができる[16]。さらに、スパークラインと呼ばれる線のないバージョンの時系列グラフをスコアカードグラフに表示できる[16]。
面グラフは、グラフのX軸に日付または時間のみを設定できるため、時系列グラフに似ている[16]。ただし、面グラフには線の下に影付きの領域があり、線間の値の違いを強調する[16]。さらに、折れ線グラフ、時系列グラフ、面グラフでは、Data StudioのSTYLEタブの下にあるCumulativeオプションを使用して、X軸に累積合計値を表示することもできる[16]。
折れ線グラフや時系列グラフとは異なり、散布図は2つの指標の関係をグラフ上の個別のデータポイントとして表示する[16]。ただし、Data Studio内にトレンドラインを追加して、これらのデータポイントが持つ関係の種類(線形、指数、多項式など)を示すことができる[16]。
棒グラフ
棒グラフは「1つまたは2つのディメンションに対するいくつかの指標」を表示するために使用される[16]。具体的には、「グラフの1つの軸は比較される特定のカテゴリ(ディメンション)を示し、もう1つの軸は離散値(指標)を表す」[18]。Data Studioの他の表やグラフのオプションと同様に、横棒、縦棒、クラスター化された棒、積み上げ棒、100%積み上げ棒のいずれかの方法で棒グラフを構成できる[16]。
円グラフ
Data Studioでデータを表示するもう1つの方法は、円グラフ(またはドーナツグラフ)を使用することである[18]。これらのグラフはデータを全体の一部として示し、Data Studioでは単一の円グラフで最大20個のスライスを許可している[16]。これらのスライスはユーザーが定義したディメンションを示し、定義された指標に従って降順に並べ替えられる[16]。
Google マップ
Data Studio内のGoogleマップグラフは、Googleマップアプリケーション内のグラフと同様に機能し、ユーザーがグラフと対話して拡大縮小したりマップ内を移動したりできるようにする[16]。Googleマップグラフで提供されるバリエーションは、バブルマップ、塗りつぶしマップ、ラインマップ、ヒートマップである[18]。
地域分布図
Googleマップグラフと同様に、ユーザーはData Studio内の地域分布図を使用して「地理的領域全体で測定値がどのように変化するか」を視覚化できる[18]。また、地域分布図のズーム領域プロパティを使用すると、描画される地理的領域のレベルを世界から地域まで変更できる[16]。地域分布図は、Data Studioによって選択された最大5,000個のデータポイントを表示するために使用できる[16]。
ブレットグラフ
スコアカードグラフやゲージグラフの比較オプションと同様に、ブレットグラフは重要業績評価指標(KPI)を表すために広く使用されている[16]。これらのグラフは、目標値に対してベンチマークされた単一の指標を表示するだけでなく、さまざまなしきい値も表示するため、指標が目標からどれだけ進んでいるか、または遅れているかを簡単に確認できる[16]。
ツリーマップ
定義されたディメンションに基づいて階層でデータを表示するために、Data Studioではツリーマップも提供されている[18]。この種のグラフでは、各分岐がディメンションの値を表し、そのサイズはグラフ全体の定義された指標に基づいている[16]。このグラフを使用すると、サブトピックとレベル内のディメンションを分類できる[16]。
Lookerとの違い
Googleは同様のBIツールとして「Looker」を提供している。Lookerは独自の言語であるLookMLを用いて全社でデータ定義を統一し、厳格なデータガバナンスと高度な分析を求めるデータチーム向けの有料ツールである。Google以外のクラウドサービスにホストすることも可能である[19]。一方、Data Studioは、現場のビジネスユーザーがGoogleCloud上で無料で直感的な操作ができ、手軽に利用できるツールという点で棲み分けがされている[19]。
脚注
- 1 2 “Looker Studio is now called Data Studio”. Google. 2026年4月23日閲覧。 “In April 2026, the Looker Studio product name returned to its original name: Data Studio”
- 1 2 3 4 5 “データポータル Pro について | Data Studio”. Google Cloud Documentation. 2026年6月17日閲覧。
- ↑ Lardinois, Frederic (2022年10月11日). “Google unifies its BI services under the Looker brand” (英語). TechCrunch. 2022年10月13日閲覧。
- 1 2 Bonelli, Sherry (2022年10月15日). “What is Google's Looker Studio and how you can use it” (英語). Search Engine Land. 2023年10月19日閲覧。
- ↑ “Introducing the Google Analytics 360 suite” (英語). Google (2016年3月15日). 2026年6月17日閲覧。
- ↑ “Announcing Data Studio: our free, new, Data Visualization Product” (英語). Google Analytics Solutions. 2026年6月17日閲覧。
- ↑ Novet, Lauren Feiner,Jordan (2019年6月6日). “Google cloud boss Thomas Kurian makes his first big move — buys Looker for $2.6 billion” (英語). CNBC. 2023年12月10日閲覧。
- ↑ Ingals, Elaine (2020年2月14日). “Google completes $2.6 billion acquisition of Santa Cruz company Looker” (英語). The Mercury News 2023年7月24日閲覧。
- ↑ Meeks, Travis (2023年5月16日). “Why Data Enrichment Should Be Every Marketers New Best Friend” (英語). AnalyticsIQ. 2023年10月2日閲覧。
- ↑ Vivaldelli, Dan (2021年6月17日). “How Does Google Data Studio Compare to Looker?” (英語). InfoTrust. 2023年7月25日閲覧。
- 1 2 3 4 Frederick, Brian (2022年10月11日). “Google Cloud Rebrands Data Studio As "Looker Studio"” (英語). Search Engine Journal. 2023年12月10日閲覧。
- ↑ “Looker Studio: Pricing”. Google Cloud. 2023年7月25日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 “Getting started with Google Looker Studio” (英語). Digital Culture Network. 2023年10月19日閲覧。
- ↑ “Connect and visualize all your data in Looker Studio” (英語). Google Codelabs. 2023年10月19日閲覧。
- 1 2 “Leveraging Snapchat Ads: Types and Usage Guide | Seer Interactive Insights” (英語). www.seerinteractive.com. 2023年10月23日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 Pulipati, Sireesha; Kelly, Nicholas (2022) (英語). Data Storytelling with Google Looker Studio (1 ed.). Packt Publishing, Limited. ISBN 9781800561953
- 1 2 3 4 “Dimension and metric improvements - Looker Studio Help” (英語). support.google.com. 2023年10月19日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 “[Sample Data Studio Charts]” (英語). Looker Studio. 2023年10月24日閲覧。
- 1 2 “Looker”. Google Cloud Documentation. 2026年6月17日閲覧。
関連項目
外部リンク
- Data Studio - 公式サイト。「データポータルへようこそ」と表示されるが、Data Studioの公式サイトである。
- Data Studioのページへのリンク