Belle II 実験
(Belle II experiment から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/07 08:58 UTC 版)
![]() |
Belle II 実験(ベル・ツー・じっけん、英: Belle II experiment)とは、高エネルギー加速器研究機構のSuperKEKB加速器とBelle II測定器を用いて、B中間子におけるCP対称性の破れの精密測定と、人類のまだ知らない物理法則の探索を目指す国際共同実験である。世界23の国と地域から約700人が参加する日本最大級の素粒子実験プロジェクトである。
概要
前身のBelle実験に比べ、加速器の性能を40倍に高め、取得データ量は50倍を目指す。大量のデータ取得によりめったに起こらない稀な素粒子反応を測定するチャンスを向上させることで、新しい物理法則やそれに伴う新しい粒子の発見が期待される[1]。
有名な素粒子の実験としてCERNのLHCなどがよく挙げられるが、そちらはより高エネルギーの領域(エネルギーフロンティア)での実験であるのに対し、Belle II 実験はより高精度の領域(ルミノシティフロンティア)で実験を行うことにより、新物理の探索を行う。Belle II 実験から得られた観測データと富岳スパコンを利用した、標準模型の精密検証が計画されている。
2010年にデータ取得を終了した直後から、Belle II実験に向けた加速器および測定器の高度化に向けた改良作業が始まった。実験はPhase1、Phase2、Phase3と、段階的に計画されている。
2018年4月26日に、電子と陽電子の衝突が観測され、「ハドロン事象」及び「Bhabha散乱」が確認された。[2]
そして2019年3月11日よりBelle II 測定器を使った本格的な運用がスタートしている。[3]
2019年12月3日に瞬間ルミノシティが
- “SuperKEKBが動き始めました KEK”. 高エネルギー加速器研究機構 (2016年3月25日). 2017年4月18日閲覧。
- “SuperKEKBプロジェクトPhase1が終了しました KEK”. 高エネルギー加速器研究機構 (2016年7月22日). 2017年4月18日閲覧。
- “Belle II測定器の「ロールイン作業」を完了しました KEK”. 高エネルギー加速器研究機構 (2017年4月11日). 2017年4月18日閲覧。
関連項目
- Bファクトリー実験
外部リンク
- Belle II experimentのページへのリンク