Balatro (ゲーム)とは? わかりやすく解説

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Balatro (ゲーム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/01 09:25 UTC 版)

Balatro
ジャンル デッキ構築ローグライク
対応機種
開発元 LocalThunk
発売元 Playstack
人数 1人
発売日 2024年2月21日
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
ESRBE10+(10歳以上)
PEGI12
売上本数 500万本(2025年1月時点)[1]
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Balatro』(バラトロ)は、カナダのゲーム開発者LocalThunkが開発しPlaystackより発売された、ポーカーをテーマにしたローグライクデッキ構築ゲーム。2024年2月21日にMicrosoft WindowsPlayStation 4PlayStation 5Xbox OneXbox Series X/SNintendo Switch用ソフトとして発売された[2]

ゲームシステム

ゲームルールは、一般的なポーカーの種類であるクローズド・ポーカーに類似している。対戦相手は存在しない。

プレイヤーは、配られた8枚の手札の中から5枚を選択してハンド(手役)を作ることを目指す(ハンドの種類は「ポーカー・ハンドの一覧」を参照)。手札のうち5枚を入れ替える「ディスカード」は一定回数まで可能(初めに3回認められており、後述のジョーカーやバウチャーによって増減する)。ハンドの完成後、ハンドの種類に応じた得点倍率と使用カードの数字の大きさから計算されるチップを獲得する。制限回数以内に目標チップを達成すればステージクリアとなる[2]

ステージクリア後にはショップに移行し、カードを追加するカードパックや、ハンドの得点倍率を上げるプラネットカード、トランプの数字・マークの変更や削除などができるタロットカード、ユニークな効果を持った「ジョーカー」のカードなどを購入できる。これらをデッキに組み込むことで、大きなハンドを出しやすくなるイカサマが可能となり、プレイヤーはさらに高価な目標チップが課されたステージを攻略していく[2]。また、「バウチャー」と呼ばれるチケットが表示されており、それを購入することで以降その回のゲームに特殊効果を与える。

ステージを進めていくと「ボスブラインド」と呼ばれる特殊ステージが出現する。ここでは、手札減らしや強制ディスカード、特定の絵柄・数字を封じるなど、手札に制限が加えられた状態で進めることになる[2]

「ボスブラインド」をクリアすることで「アンティ」をクリアしたこととなり、アンティ1から始まりアンティ8をクリアすることで、その回のゲームに勝利したことになる(ゲーム自体はステージクリアするまでエンドレスモードとして進めることが可能)。ゲームに勝利すると、その時点で1つ上の「ステークス」がアンロックされる(初めは白。以降赤→緑→…→金と進んでいく)。ステークスが上がると、特殊ルールが追加され、あるステークスはそれより下位のステークスを全て含んでいるものとする(例えば緑のステークスでプレーする場合、緑の特殊ルールとそれより下位にある赤の特殊ルールでプレーすることになる。)。ステークスのアンロックは、各デッキ(後述)ごとに管理される。

ゲームを進めることでデッキがアンロックされる。デッキにはそれぞれ固有の能力が設定されており、ゲーム開始時にどれか1つのデッキを選んで進めることになる。

開発

『Balatro』を開発したLocalThunkはカナダに拠点を置く個人開発者であり、本作はその最初の作品である[3]。元々は「自分一人で楽しむゲーム」として開発が始まり、ストーリー要素を排してゲームメカニクスだけを追求したり、カード効果の文字数を極力抑えたりといったこだわりを反映させている[2]。LocalThunkは普段ポーカーをまったくプレイせず、ポーカーにはあまり興味がないという[4]。『Balatro』の基本システムは『Big Two』という中華圏で盛んな大貧民に類似したトランプゲームに基づいており、ポーカーの役を導入することでルールを理解しやすくしたりアートに統一感を持たせようとした[5]

影響を受けた作品として、LocalThunkは、ローグライクデッキ構築型のスロットゲーム『幸運の大家様英語版』とヘビを操作するローグライトゲーム『SNKRX』を挙げている[2]

発売

本作は2024年2月21日にMicrosoft WindowsSteam)、PlayStation 4PlayStation 5Xbox OneXbox Series X/SNintendo Switch向けに発売された[2][6]

2024年3月2日、レーティング団体IARCは、ギャンブル要素が含まれているという理由で本作の対象年齢をIARC:3+(3歳以上対象)からIARC:18+(18歳以上対象)に引き上げた[7][8]。このレーティング変更はパブリッシャーであるPlaystackに対する連絡がないまま突然行われた[7]。変更の措置により、ヨーロッパを中心に家庭用ゲーム機版が一時配信停止され、日本でもNintendo Switch版に続きPlayStation 5、PlayStation 4版が配信停止となった[9][10]。その後、日本では新たにCEROの審査を受け、CERO:A(全年齢対象)のゲームとして配信が再開された[10]。また、ヨーロッパのレーティング機関のPEGIは2025年2月24日、PEGI:18(18歳以上対象)としていたレーティングをPEGI:12(12歳以上対象)に引き下げることを発表した[11]

評価

評価
集計結果
媒体 結果
Metacritic PC: 90[12]

批評

Metacriticでは、批評家から絶賛されている[12]。また、2024年2月24日時点でのSteamのユーザーレビューでは5410件中98%が好評とする「圧倒的に好評」ステータスを獲得している[13]。レビューでは、ポーカーをベースにしながらローグライク要素を取り入れたわかりやすいゲームプレイや、ユニークな効果を持った「ジョーカー」のカードなどを用いた戦術の多さ、予想外の相乗効果が生まれる意外性が評価されている[13]

売上

発売から8時間で100万ドルを売り上げ[14]、販売本数は72時間で25万本に達した[13]。3月18日には100万本を超えた[15][16]。2025年1月22日に販売本数は500万本に達した[1]

脚注

  1. ^ a b Takenaka, Kosuke (2025年1月22日). “『Balatro』、累計500万本売上突破。アプデやコラボにアワード受賞、“中毒性”で一世を風靡し大台達成”. AUTOMATON. 2025年1月29日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g Kimura, Tamio (2024年2月21日). “ローグライク“役インフレ”ポーカー『Balatro』絶好調スタートで開発者驚く。中毒性高めなイカサマデッキ構築ポーカー”. AUTOMATON. 2024年2月24日閲覧。
  3. ^ "Playstack Goes All In on Developer LocalThunk’s “Balatro” in Latest Publishing Deal " - Games Press”. www.gamespress.com. 2024年2月24日閲覧。
  4. ^ published, Christopher Livingston (2024年2月27日). “'I don't play poker at all' says solo developer who made the poker roguelike I can't stop playing” (英語). PC Gamer. https://www.pcgamer.com/i-dont-play-poker-at-all-says-solo-developer-who-made-the-poker-roguelike-i-cant-stop-playing/ 2024年2月29日閲覧。 
  5. ^ Takenaka, Kosuke (2024年2月27日). “ヒット中ローグライトポーカー『Balatro』開発者、「ポーカーはほとんどやらない」と明かす。“わかりやすいから”ポーカーにしたと正直に告白”. AUTOMATON. 2024年2月29日閲覧。
  6. ^ ポーカーとローグライクが融合したカードゲーム『Balatro』Steamで海外注目集め好評スタート―トランプを強化しチップを稼ぎ、さらに手札を強化しよう【UPDATE】”. Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト (2024年2月22日). 2024年3月24日閲覧。
  7. ^ a b Fujiwara, Hideaki (2024年3月2日). “人気ローグライクポーカー『Balatro』、全年齢向けからいきなり「18歳以上対象」にIARCレーティングが引き上げられ一部で販売停止。急な変更に販売元は怒り”. AUTOMATON. 2024年3月24日閲覧。
  8. ^ 大好評のポーカーローグライク『Balatro』突然のレーティング変更で一部の海外ストアで販売停止に”. Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト (2024年3月2日). 2024年3月24日閲覧。
  9. ^ 人気のポーカーローグライク『Balatro』スイッチ版が日本でも販売停止…『アソビ大全』や『ドラクエ』にもポーカーはあるのに…”. Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト (2024年3月4日). 2024年3月24日閲覧。
  10. ^ a b Yamanaka, Taijiro (2024年7月10日). “人気ローグライクポーカー『Balatro』Nintendo Switch/PS5向けパッケージ版発表、10月24日発売へ。ダウンロード版の再配信も間近か”. AUTOMATON. 2024年7月11日閲覧。
  11. ^ SAYOKO NARITA (2025年2月25日). “『Balatro』などを「ギャンブルだから18歳以上対象」としていたPEGIが、レーティングを引き下げ。妙に厳しい“ギャンブル判定”基準を見直す”. AUTOMATON. 2025年4月1日閲覧。
  12. ^ a b Balatro for PC Reviews” (英語). www.metacritic.com. 2024年7月23日閲覧。
  13. ^ a b c Takenaka, Kosuke (2024年2月24日). ““圧倒的に好評”ローグライクポーカー『Balatro』、発売後3日で売上25万本達成。インフレさせまくりポーカー、口コミ広まりロケットスタート”. AUTOMATON. 2024年2月24日閲覧。
  14. ^ 予想外の売上に関係者一同驚愕!ローグライトポーカー『Balatro』8時間で100万ドル、3日で25万本を売り上げる”. Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト (2024年2月28日). 2024年2月29日閲覧。
  15. ^ Inc, Aetas. “中毒者続出のデッキ構築型ポーカー「Balatro」,累計販売本数が約1か月で100万本を突破”. 4Gamer.net. 2024年3月24日閲覧。
  16. ^ Yamanaka, Taijiro (2024年3月18日). “デッキ構築ポーカー『Balatro』売上100万本突破。“圧倒的に好評”を得て、発売から1か月ではやくも大台に到達”. AUTOMATON. 2025年1月29日閲覧。

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