高妍
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/26 13:52 UTC 版)
高妍(ガオ・イェン Gao Yan)は台湾出身の漫画家・イラストレーター。台湾の都市生活を描いた『緑の歌』などで知られ、現在は日本と台湾で活動する。
概要
1996年、台北市生まれ。台湾芸術大学視覚伝達デザイン学系卒業、沖縄県立芸術大学絵画専攻に短期留学[1]。在学中から同人誌などの製作を開始、自らの大学での経験を色濃く反映させた漫画作品『緑の歌』を描き始めた[2]。この作品は内向的な少女が主人公で、70年代の日本のバンド「はっぴいえんど」や岩井俊二の映画『リリイ・シュシュのすべて』、村上春樹の小説など日本の文化に触れたことがきっかけで、少女が自らの世界を広げてゆく様子をたどる[3][4]。この作品が細野晴臣らの目にとまったことがひとつのきっかけとなって[1]、2019年に村上春樹『猫を棄てる』の表紙絵・挿画を担当する[5][6]。同年、フランスのアングレーム国際漫画祭の台湾パビリオン担当に抜擢され参加。2020年から日本の漫画雑誌『コミックビーム』に上述の『緑の歌』を加筆修正して連載[7]。これが2022年には『緑の歌 ─ 収集群風 ─ 』が日本で刊行され、浅野いにおなど日本の漫画家からも広く注目を集めるようになった[8][9][10]。
2025年には『コミックビーム』での連載をもとにした[11]『隙間』1・2巻を刊行。このほか日本映画『ぼくのお日さま』海外版ポスターを手がけるなど[12]、台北と東京で活動を広げている[13]。
著書
- 『November Diary』2021[14]
- 『緑の歌 ─ 収集群風 ─ 』上下、KADOKAWA、2022 ISBN 978-4047370777
- 『隙間』1・2巻、KADOKAWA、2025 ISBN 978-4047381483
出典
- ^ a b “制作は「実行」ではなく「思考」 台湾のイラストレーター高妍さんインタビュー - illustration-mag”. illustration-mag.jp (2020年8月14日). 2025年3月12日閲覧。
- ^ “台湾の漫画家・高妍が語る、はっぴいえんどや細野晴臣らとの出会い - TOKION”. TOKION - カッティングエッジなカルチャー&ファッション情報 (2022年7月29日). 2025年3月12日閲覧。
- ^ Kuo, Leon (2025年2月26日). “【台漫 3.0】村上春樹、細野晴臣指名合作,旅日台灣漫畫家高妍如何讓第三波台漫在日本落地開花?” (中国語). GQ Taiwan. 2025年3月22日閲覧。
- ^ “她的插畫令村上春樹不可思議的懷念──專訪台灣漫畫家高妍 - 報導者 The Reporter” (中国語). www.twreporter.org. 2025年3月22日閲覧。
- ^ “高妍 | 著者プロフィール | 新潮社”. www.shinchosha.co.jp. 2025年3月12日閲覧。
- ^ “How Happy End and Haruomi Hosono’s Music Prompted Taiwanese Manga Artist Gao Yan’s Stories - TOKION” (英語). TOKION - Cutting edge culture and fashion information (2022年8月20日). 2025年3月12日閲覧。
- ^ Chen, JuJu (2023年7月31日). “專訪|插畫漫畫家「高妍」為愛勇敢的人生故事《綠之歌》赴日逐夢的魔幻征途” (中国語). Marie Claire 美麗佳人. 2025年3月22日閲覧。
- ^ “浅野いにおが台湾の新鋭・高妍を絶賛、いつか忘れゆく“大切なもの”が刻まれた恋と成長の物語「緑の歌 - 収集群風 -」 - コミックナタリー 特集・インタビュー”. コミックナタリー. 2025年3月12日閲覧。
- ^ “村上春樹・松本隆ら大御所に「台湾の20代女性漫画家」が信頼されるワケ”. ダイヤモンド・オンライン (2023年5月14日). 2025年3月12日閲覧。
- ^ “【漫画漫遊】「緑の歌-収集群風-」高妍著 KADOKAWA 「好き」は国境を越えて”. 産経新聞:産経ニュース (2022年6月20日). 2025年3月12日閲覧。
- ^ “台湾出身の漫画家・高妍 (ガオイェン) さんの新作『隙間』が、『月刊コミックビーム』にて連載開始。”. & Premium (アンド プレミアム). 2025年3月12日閲覧。
- ^ “『ぼくのお日さま』北米・台湾ほか世界15か国で公開 高妍によるイラストポスター到着”. cinemacafe.net (2024年8月31日). 2025年3月12日閲覧。
- ^ “是枝裕和、江口寿史を魅了する、俊英・高妍の最新作漫画『隙間』の凄さ キャラクターに命を吹き込む「間」の描き方”. Real Sound|リアルサウンド ブック (2025年2月22日). 2025年3月12日閲覧。
- ^ “November Diary ◇ 高妍” (中国語). Mangasick. 2025年3月22日閲覧。
外部リンク
関連項目
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