首無地蔵とは? わかりやすく解説

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首無地蔵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/24 18:57 UTC 版)

首無地蔵(くびなしじぞう)は、広島県府中市出口町にある地蔵1977年昭和52年)5月18日、首無しの地蔵が八尾山山麓の府中市出口町で掘り起こされた。祀られてからは霊験があるとの噂が広まり、近郷の者だけでなく県外からも参拝客が訪れるようになった。特に毎月十八日の月例祭りをはじめ、春秋の大祭には大勢の参拝客が訪れている。

発掘の経緯

1977年(昭和52年)5月18日未明のこと、市内在住の東寿男(当時68歳)の夢枕に地蔵菩薩が立ち、「今、畑の中に埋まっているから出してくれ。出してくれたら何でも願いを叶えてやる」と告げた。東氏はいつものように、朝早くに畑の耕作のために、単車で坂道を上っていった。畑の入り口かには不要になった石が積んであったが、単車がこの石に乗り上げ、一回転し倒れてしまった。「こんなところに石を積んでいるからじゃ」と、この石の近くの農道まで運び片付けたが、一番下にあった石をよく見ると、首のない石仏であることが分かった。その時、未明に見た夢が正夢であったと悟り愕然とした。粗末にしてはいけないと思い、近くの水路で丁寧に洗い、農道脇に横たえていた。やがて近所の人びとが集まってきて、お祀りすることになった。当初「にこにこ地蔵」と名付けられたが、翌月になって「首無地蔵」(くびなしじぞう)がよかろうということになった。

その頃から新聞、テレビでも注目を集めるようになり、多くの観光客が訪れるようになった。土産物屋は並ぶ門前町も形成され、観光資源に乏しい府中市で有名な観光地になった。

こうして首無地蔵はあらゆる病気に効き目があるとされ、何より自分流儀で祈願できるところが親しまれている[1]

形状

高さ35センチメートル (cm)、横幅20 cm、厚さ11 cmである。

拝み方

本尊の前では、地蔵経「おんかかかびさんまえいそわか」と2、3回唱える。

行事

  • 月例祭 - 毎月18日
  • 春の大祭 - 5月18日、護摩法要を行う。
  • 秋の大祭 - 11月18日、護摩法要を行う。

脚注

  1. ^ 図説福山・府中の歴史』郷土出版社、2001年https://ci.nii.ac.jp/ncid/BA50850077 

参考文献

  • 『備後の歴史散歩<上>』森本繁、山陽新聞社、1995年11月1日発行、ISBN 4881975560
  • 『備南の民俗・民話 ふるさとの歴史』村上正名、東洋書院、1992年12月9日発行
  • 『図説 福山・府中の歴史』郷土出版社、2001年3月4日発行



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