新しいきみへとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 新しいきみへの意味・解説 

新しいきみへ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/22 02:43 UTC 版)

新しいきみへ
ジャンル 恋愛[1]SF[1]サスペンス[1]
漫画
作者 三都慎司
出版社 集英社
掲載誌 ウルトラジャンプ
レーベル ヤングジャンプコミックス
発表号 2021年10月号 - 2023年11月号
発表期間 2021年9月18日[2] - 2023年10月19日[3]
巻数 全6巻
話数 全24話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

新しいきみへ』(あたらしいきみへ)は、三都慎司による日本漫画作品。集英社の青年向け漫画雑誌『ウルトラジャンプ』にて、2021年10月号から2023年11月号にかけて連載された[2][3]

あらすじ

中高一貫の文立女学院の教師・佐久間悟は、有給の日に同僚から頼まれ、生徒のトラブル処理のため歓楽街を訪れる。無事に解決を終えて帰る途中、彼は酒に酔った妻・亜希が見知らぬ男とホテルへ入る姿を目撃する。その光景に動揺した悟は電車に飛び乗り、仙台にたどり着く。翌日を仮病で休み、小さな頃からの夢だった日本一周の旅に出た悟は、1週間をかけて各地を巡ったのち、生まれ故郷の小田原に立ち寄る。そこで不思議な少女と出会った悟は、夢の中で見かけた黒髪の少女に似た面影に戸惑いながらも、共に町を歩き回り、やがて誘われるままホテルに入る。しかし最後の一線を越える直前に、妻との出会いを思い出し、そのまま帰路につく。帰宅後、妻の浮気が誤解だったと知った悟は安堵し、新たな気持ちで新学期を迎える。

新学期、悟が受け持つことになった新入生のクラスに、小田原で出会った少女・相生亜希が編入してきた。さらに、彼女が悟の結婚指輪を盗んでいたことが発覚する。ホテルの件が明るみに出ることを恐れた悟は指輪の返還を求めるが、相生は「愛した人は生まれ変わっても手放さない」と述べ、悟につきまとうようになる。そんな中、世界では人々が吐血し死に至る謎の奇病が拡大しつつあった。

登場人物

佐久間 悟(さくま さとる)
文立女学院に勤務する教師。寝癖のついた黒髪に無精ひげを生やした、さえない風貌の中年男性。生真面目で気弱な性格のため、周囲からいいように使われることが多い。妻の亜希に仕事を辞めるよう勧められているが、強い責任感から退職できずにいる。学生時代は研究者を志していたが、教職員となった。最近、夢の中に「きみはまた失敗した」と言う黒髪の少女が現れる。
相生 亜希(あいおい あき)
悟が受け持つクラスに編入してきた高校生。茶髪のショートヘアで、ミステリアスな雰囲気を漂わせている。悟が夢で見る黒髪の少女に面影が似ている。傷心旅行中の佐久間悟が故郷の小田原で出会った際、悟の結婚指輪を盗んだ。新学期に悟のクラスに転入し、彼に指輪の返還を拒否し、積極的なアプローチを続ける。自宅の電話番号が公共機関につながる偽物であるなど、その素性は謎に包まれている。
佐久間 亜希(さくま あき)
悟の妻で、神奈川県警の捜査一課に配属されている刑事。黒髪のミドルヘアで、勝ち気な毒舌家。職場では優秀な刑事として頼りにされている。悟を心配して職場を辞めるようアドバイスしている。
吉本 菜月(よしもと なづき)
悟が勤務する文立女学院の体育教師。スタイル抜群の能天気でおっとりした性格。悟に好意を抱いている。勘が鋭い一面もあり、言動が不自然な相生亜希の自宅の電話番号が偽物であることに気づく。
井上(いのうえ)
悟が勤務する文立女学院の教師。生真面目な悟を「つまらない人間」だと思っている。
小林(こばやし)
悟が勤務する文立女学院の教師。無断欠勤の翌日、吐血し血まみれとなった無残な死体でアパートの一室から発見される。

作風

ライターの遠藤政樹は本作の特徴として、ストーリー展開と伏線の巧妙さを挙げている[4]。遠藤は、第1話終盤に自然な形で流れていた新型ウイルスに関するニュース音声が、物語の進行とともに意味深な要素へと変化していく例を挙げ、恋愛ものというジャンルを隠れ蓑にして先の展開を読めなくさせる手腕を評価している[4]。また、物語の全貌をなかなか見せない構成は、絵柄やスピード感、洗練された謎の散りばめ方と相まって、読者の興味を引きつけ、心地よい吸引力を生み出しているという[4]。タイトルの『新しいきみへ』の意味も物語の途中で明かされ、そこに込められた意味がわかったときに生まれる感情が、作品に切なさや愛おしさといったスパイスを与えているという[4]。伏線の張り方と回収の仕方は健やかで爽やかな読み味があり、最初から最後までスピードを緩めることなく駆け抜ける展開は、最高のスタートダッシュからトップを守り抜き、素敵なゴールへとたどり着くような読後感をもたらすと遠藤は述べている[4]

書誌情報

脚注

  1. ^ a b c d コミックナタリー編集部「「新しいきみへ」最終6巻、新海誠が「最高の開幕と、万感の終幕」と帯にコメント」『コミックナタリー』株式会社ナターシャ、2023年12月19日。2025年9月21日閲覧。
  2. ^ a b コミックナタリー編集部「女子校教師が傷心の旅で出会った少女と…三都慎司がウルジャンで禁断の恋を描く」『コミックナタリー』株式会社ナターシャ、2021年9月18日。2025年9月21日閲覧。
  3. ^ a b コミックナタリー編集部「隣に引っ越してきたのは魔法少女?悪と正義がお隣さんになるドタバタコメディ」『コミックナタリー』株式会社ナターシャ、2023年10月19日。2025年9月21日閲覧。
  4. ^ a b c d e 遠藤政樹 (2024年1月23日). “『新しいきみへ』――物語の開幕から終幕まで期待と興味をかき立て続けてくれる変幻自在な吸引力を持つ秀作【一気読みのすすめ】”. LOMIKO. 株式会社コンテクスト. 2025年9月22日閲覧。
  5. ^ コミックナタリー編集部「少女との出会いで日常が瓦解する、三都慎司が禁断の恋愛を描く「新しいきみへ」1巻」『コミックナタリー』株式会社ナターシャ、2022年2月18日。2025年9月21日閲覧。
  6. ^ コミックナタリー編集部「【8月19日付】本日発売の単行本リスト」『コミックナタリー』株式会社ナターシャ、2022年8月19日。2025年9月21日閲覧。
  7. ^ コミックナタリー編集部「【11月17日付】本日発売の単行本リスト」『コミックナタリー』株式会社ナターシャ、2022年11月17日。2025年9月21日閲覧。
  8. ^ コミックナタリー編集部「【4月18日付】本日発売の単行本リスト」『コミックナタリー』株式会社ナターシャ、2023年4月18日。2025年9月21日閲覧。
  9. ^ コミックナタリー編集部「【8月18日付】本日発売の単行本リスト」『コミックナタリー』株式会社ナターシャ、2023年8月18日。2025年9月21日閲覧。



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  新しいきみへのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「新しいきみへ」の関連用語

新しいきみへのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



新しいきみへのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの新しいきみへ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS