宮崎次郎
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人物
出生地は埼玉県浦和市(現・さいたま市)。中学時代、渡辺武夫に絵の手解きを受け画家になる決意を固める。日本大学芸術学部美術学科に入学し、中根寛・荻太郎に指導を受ける[1]。1995年第30回昭和会展昭和会賞を受賞し、1997年~1999年文化庁派遣芸術家在外研修員(現・新進芸術家の海外研修)として渡仏。
画風
フランスから帰国後はシュールな絵画を発表。次第に郷愁や哀愁を意味するポルトガル語「サウダード(Saudade)」をテーマにした油彩画を発表するようになる。主なモチーフは、サーカス、夕暮れの情景、玩具、バー、カードをする詐欺師など[2]。
経歴
- 1961年 埼玉県浦和市に生まれる。 中学時代、洋画家・渡邉武夫(日本藝術院会員)に絵の手解きを受ける
- 1987年 洋画家・中根寛に師事
- 1990年 日本大学芸術学部美術学科卒業
- 1993年 響林展に出品(彩林堂画廊/東京)
- 1993年~2001年 眼展(青木画廊/東京)
- 1993年~1997年 リリシズムの画家展(ギャラリー椿/東京)
- 1994年 荻太郎に指導を受ける
- 1995年 第30回昭和会展・昭和会賞受賞/木陰のプロムナード展に出品(軽井沢日動画廊)
- 1995年 Incontro delle Nude展(イタリア・スペッロ市美術館)
- 1996年 文芸誌「新潮」(新潮社)目次挿画(~1997年)/日動展に出品/太陽展に出品/昭和会受賞作家展に出品/現代洋画展に出品(福岡・西日本新聞会館、福岡日動画廊)
- 1997年 個展-「新潮」の挿画とイメージの展開-(ギャラリー椿/東京)/夢々展(麻樹画廊/東京)
- 1997年~1999年 文化庁派遣芸術家在外研修員として渡仏
- 1999年 個展-昭和会賞受賞記念展-(日動画廊/東京、福岡)
- 2000年~2003年 新たなる視覚展(福岡日動画廊)/林滋コレクションと親しき作家達(ギャラリー椿)
- 2001年 個展(日動画廊/東京.名古屋)/現代洋画の潮流展(日本橋三越本店.札幌.名古屋)
- 2002年 千態万様 馬画展(日本橋三越本店)/俊英作家洋画展(銀座三越)・個展(日本橋三越本店)
- 2003年 日本大学芸術学部で特別講義を行う
- 2004年 『月刊美術』4月号より、宮崎次郎の「巴里の街角で」連載開始(全12回)
- 2004年 『宮崎次郎画集 Saudade(サォダ-ド)』が求龍堂から刊行
- 2004年 個展 -宮崎次郎画集出版記念展-(ごらくギャラリー/東京)。会場にて詩人・高橋睦郎氏による朗読会開催
- 2005年 個展 宮崎次郎展 「アトモスフェール」(にっぽん丸ギャラリー)
- 2006年 個展 宮崎次郎展 「アトモスフェール」(株式会社 商船三井・ごらくギャラリー後援)
- 2006年 個展 宮崎次郎のクリスマス「Noel」(ギャラリー銀座アルトン)
- 2006年 個展 宮崎次郎展 「エスポワール」(ギャラリー銀座アルトン)/個展 宮崎次郎洋画展(大丸神戸店)
- 2007年 個展 宮崎次郎洋画展 「ESPOIR ー希望」(日本橋三越本店)
- 2008年 2008ギャラリーポート企画展(東京・銀座)
- 2011年 『月刊美術』6月号より、宮崎次郎の絵と野村喜和夫の詩による「薄明のサウダージ」連載開始(全12回)
- 2011年 個展 宮崎次郎洋画展(日本橋三越本店)。会場にて詩人・野村喜和夫氏による詩の朗読会開催
- 2014年 詩画集「真夜中の朗読会」が求龍堂から刊行される。
- 2017年 個展「真夜中の朗読会」(にっぽん丸ギャラリー)
- 2019年 個展 宮崎次郎洋画展(日本橋三越本店)[3]。
エピソード
- 短波ラジオを蒐集している。[4]
- 中学2年のとき父親に洋画家・渡辺武夫を紹介される。「飯が食えるかどうかは分からないが、絵描きにはなれる」と言われて高校、大学と美術学部で過ごした。その後銀座のグループ展に出品していたが、渡辺氏が突然現れ、「これでは食っていけないから」と別の画廊を紹介してくれた。[1]
- 浦和に2010年に完成したアトリエの内装は、建築家・泉幸甫によるもの[5][6]。
画集・詩画集
真夜中/みんなどこへ行ってしまったか/ほの赤い/あのゼリー寄せのような/薄明の街の住人たち/模造の象のうえで/雲の二乗と二倍の雲の和は象だ/などと喚いていた男/血は音楽でできている/とばかりに喇叭を吹きまくっていたべつの男/それからまた/ゲームの途中でゲームに飽き/隣の女を口説きにかかる(つづく)
— User:詩画集「真夜中の朗読会」(2014年、求龍堂)より野村喜和夫「真夜中 1」
- 「絵の時は夕暮の時 宮崎次郎へ 高橋睦郎」(2004年)
もし絵の時があるとしたら/それは昼でも夜でもなく夕暮/絵の中の人物は夕暮の人物/木馬は夕暮の木馬/くだものは夕暮のくだもの/窓も窓の外の街と空も/夕暮の窓夕暮の街と空/夕暮は昼と夜のあいだではない/はんたいに昼は夕暮の/夜も夕暮の変奏曲/すくなくとも絵の中では/絵の中の昼は昼を装った夕暮/絵の中の夜は夜のふりした夕暮/だから画布の前の画家は夕暮の人/夕暮は彼の持つ筆から生まれ/画布へ画面から世界へと広がる
— User:「絵の時は夕暮の時 宮崎次郎へ 高橋睦郎」(詩人・高橋睦郎氏より贈られた詩)
脚注
出典
- ^ a b 『月刊美術』2016年8月号pp.18-19巻頭特集「画家を支えた出会いと言葉」
- ^ 『月刊美術』2003年1月号pp.102-106「サウダードという別世界 宮崎次郎洋画展」
- ^ “プロフィール”. 20240911閲覧。
- ^ 『月刊美術』2011年4月号pp.78-79「The 蒐集 第3回宮崎次郎の"短波ラジオ"」
- ^ 『月刊美術』2010年8月号「アトリエビュー」
- ^ 『月刊美術』2019年1月号pp.100-103「新・現代日本の作家たち アトリエ写真 No.073」
- ^ “宮崎次郎画集 Saudade”. 求龍堂オンラインストア. 2024年9月11日閲覧。
- ^ “真夜中の朗読会”. 求龍堂オンラインストア. 2024年9月11日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 宮崎次郎公式HP「Antico Café」 - https://www.jiromiyazaki.com/
- 宮崎 次郎のページへのリンク